世界は経営でできている (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065346440

感想・レビュー・書評

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  • 目的(価値創造)と手段を混同していないか、時々立ち止まって考える必要がある。
    仕事に関していえば、こういった事例を挙げるのは簡単である。ついでに愚痴を言い合うのも簡単である。会社のシステムを根底から覆すのは難しいが、手段を行使するという、自分の実務レベルでの工夫はできる。
    一方で、家族や恋愛や健康といったプライベート面は、まさに自分自身が「経営者」であり、大きく方針を決めたり変えたりできる。この視点に気づけば、視野が広がるのだろう。
    GWの過ごし方を予め経営者視点で考えれば、休暇が終わる直前の「後悔」が少なくなるかも知れない。

  • 最初と最後は読んでよかったです。苦笑

    間は、全ての項目が同じリズムで書かれているのと、
    小さい字で小ボケ?つっこみ?が入ってるんですが、
    目のピントあわせて頑張って読んだのに
    全く意味ないんかい、となりました。苦笑

    全ては「経営」でできている。
    うまくいかないことは、経営判断や対応をミスっている。
    問題解決と価値創造。

  • 「上司はなぜ無能なのか?」とタイトルよりも大きく書かれた帯。反射的に心の中で「ハイすみません!」と叫んでそのままレジに持って行った次第です。
    本著、慶応商学部の准教授による「経営」というワードを軸にしたエッセイです。世の中の色々な所に経営目線が必要だが、今はそうなっていないという問題意識を軸にしつつ軽めの文体で纏めた1冊です。(自虐ネタが強すぎる感もありますが…)

    さて、本著の言う「経営」は、経営学に基づく理論と言うよりは目的意識とかそういう方面のものだと思います。
    例えば、1つ目の「貧乏は経営でできている」では、明確な用途が無いのに最新スマホを買って支払いに追われ貧乏に⇒自分が何をしたいのか明確化しないとね、と書かれています。
    しかし、この目的の明確化、というのは経営理論の範疇なんでしょうか。経営学者の著者のどのようなノウハウが活かされているのか、イマイチわからなくなってきます。
    この「経営」は、哲学者マルクス・ガブリエルが言う「哲学」と近しいように感じました。「足元の課題にどの学問分野を適用するか」を哲学で判断できる、としていて、例えば政治とカネの問題を、法律で規制するのか、選挙制度を変えるのか、監査や報道・開示を強めるのか、どれが最も良く課題を解決できるのかを判断するツールが哲学だと。そう思うと本著は哲学書でもある…?

    本著、ふんわりエッセイから入っていくので、読了時にグチを読んだ気持ちになり「結局この本からの学びは何だったんだろう…」となってしまったのですが、終章の「人生は経営でできている」から先に読んだ方が問題意識を持って読めるような気がしました。

  • 物事の本質を見極め、長期的視野で、継続的に安心安全な環境を作り出すにはどうしたら良いのかを考えている本と理解しました。コラム、エッセイとして気軽に読める本です。

  • この本は読みやすく、教養レベルで異なる面白さを提供。昭和風パロディが独特で、経営を人生に必要な視点で描く。価値創造に焦点を当て、教養の重要性を力強く伝える内容。

  • テンポの良く、テーマごとに軽いタッチで導入を始め、日常生活の疑問を経営と関連で解き明かすエッセイ風の本。高校生に是非読んでほしい。

  • 新聞の広告と題名が響いたので読んでみました。
    「経営」という題名から、インプットとアウトプットを数値化して世界の出来事、仕組みを説明した本かと思いましたが、そうではありませんでした。生き方について何らかの工夫のヒントを与えてくれるような自己啓発本、というよりも軽く読めるエッセイに近い本でした。

    著者の岩尾俊兵さんは経営学者で『13歳からの経営の教科書』、『日本“式”経営の逆襲』などの著書があります。お父さんが事業に失敗し、高校進学を断念して自衛官になり、退職後はアルバイトをしながら認定試験に合格して大学に入学。東大大学院では初めて経営学の博士を取ったという経歴を持っています。鉄板の経営学者ですね。

    著者は「本来の経営は『価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)』という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること」とした上で、以下の主張を提示します。

    ①本当は誰もが人生を経営しているのにそれに気付く人は少ない。
    ②誤った経営概念によって人生に不条理と不合理がもたらされ続けている。
    ③誰もが本来の経営概念に立ち返らないと個人も社会も豊かになれない。

    こう書くと説教がましい固い本のように見えますが、内容は痛快とも言えるエッセイです。
    著者がケーススタディとして挙げるのは15の事例。事例は貧乏、家庭、恋愛、勉強、虚栄などですべて「○○は経営でできている」という題名になっています。
    そして各ケースで上記の①〜③を以下に反映させるかを説明します。
    例えば「仕事は経営でできている」という項では、
    1)世の中の9割9分9厘の人は仕事をしていない(例えばエクセル操作は作業であり仕事ではない)
    2) 本当の仕事は(消費者だけではなく、取引先や上司、社内の別部署など広義の)顧客を生み出し顧客を満足に/幸せにして、その対価として顧客が喜んで報酬を支払ってくれるようにすること
    3) だとすれば「仕事という名前がついているだけの何か」を減らし「真の意味での創造的な仕事」の割合を増やせば(中略)世の中に提供できる付加価値が増加しつつ仕事も楽しくなる

    「言うは易く行うは難し」と言われそうですが、我々が本来の意味での「経営」を意識するだけで、様々な不条理や不合理を少しは回避できそうな気がします。
    若干の自虐ギャグもありますが、文章は明快でストレスフリーで読めます。何よりも面白い「経営論的エッセイ」。お勧めの新書です。


  • 幸せをつくる価値は有限ではなく、無限に創造できるとは、発想が転換された。個々一人一人の幸せを追求することが、経営だと知った。頭が柔らかくなった気がして、面白かった。

  • 日経新聞の広告で気になり購入。
    いまいちだったというのが正直な感想。
    笑いが散りばめられており楽しい部分もあったが、「世界は経営でできている」というタイトルや「上司はなぜ無能なのか」という見出しに期待していたが、個人的には内容が薄く拍子抜けする内容だった。

  • そもそも人間は社会的な動物であり、他者と生きる存在である。それと同時に人間は理性的な動物であり、現在だけでなく、過去と未来の概念を持つ。それゆえに人間は自己の幸福を他者に左右され、他者を不幸にする刹那的で利己的な行動をとった過去は未来において罰せられる。他者と自己を同時に幸せにする価値創造でしか、個人にも集団にも恒久的な幸せは訪れない。人間とは、価値創造によって共同体全体の幸せを実現する経営人なのである。価値は無限に創造できる。

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著者プロフィール

明治学院大学専任講師

「2019年 『イノベーションを生む“改善”』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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