「精密力」~日本再生のヒント~―全日本女子バレー32年ぶりメダル獲得の秘密 (主婦の友新書)

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  • 主婦の友社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784072778425

感想・レビュー・書評

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  • 対話だけでもない、技術だけでもない、精神面だけでもない、分析だけでもない。それらが相乗効果を生み、大きな成果を生み出した。そのプロセスが丹念に解析される。本書はロンドン五輪で銅メダルを獲得した女子バレーボール監督眞鍋政義氏の回顧録(ただし、五輪前)。本書はスポーツ以外でも有益な思考方法を伝授するが、それに止まらない。つまり、データに裏打ちされてはいなかったが、栗原恵を途中起用した件、控えリベロ濱口の頑張りなど、スポーツらしい熱い部分も描かれている。

  • メダル獲得の瞬間の映像を思い起こしながら読むことが出来たが、薄い。

  • コアな全日本女子バレーボールのファンにはたまらない一冊。
    二年前のあの熱い世界選手権の模様がヴィジュアルで蘇る。
    またそうでない人にも今のバレーボール事情について、かなり
    掘り下げて、というか裏話的なものにも触れていて、読む人の
    興味をそそる。サクサクと読めてしまう一冊です。

  • ロンドンオリンピックの切符を手にした
    日本女子バレー。
    その監督が、試合中にもipadを駆使して注目された
    データバレーを実践する眞鍋政義 監督です。


    本日ご紹介する本は、

    実績を出されている眞鍋政義監督の
    勝つための考え方や方針について分かりやすく
    書かれた1冊です。

    ビジネスにも大変参考になります。

    ポイントは
    「向いている能力を高める」

    日本人は、欧米人と比較すると
    一般的に「和」「器用さ」「緻密」
    といったことが向いています。

    高さやパワーなど、
    欧米人と比較して、いくら頑張っても
    追いつくのが大変な部分を追求するのではなく
    「日本人が向いている資質を高めることで勝利を目指す」
    というのが監督の基本的な考え方です。


    「目標の設定」

    緻密さというのが一つのキーワードです。
    サーブ決定率、レシーブ率など、この数値以上の
    実力を身につけるとオリンピックでメダルを取れる。
    という具体的な数値を目標設定し、
    それをクリアするために日々の練習を行います。

    ビジネスにおいても同じように、
    いくつかの要素毎に目標設定を行い
    それぞれの要素が目標数値を上回れば
    利益を出すことができるラインというのがあります。

    漠然と利益について考えるのではなく
    そのために必要な要素ひとつひとつに
    目標を設定して取り組むことが重要です。


    「技術意外の要素」

    バレーでは技術以前の準備段階でも勝つための
    重要なファクターがたくさん存在します。

    例えば情報戦。
    相手がどのような攻撃が得意で、どこが弱いのか。
    これを知って戦うのと、知らずに戦うのでは
    全然違います。

    ビジネスでも同じように、
    いくら技術が優れていても、
    その技術は誰にとって、どのように役立つのか
    と言うような、技術以前の情報がないと
    ビジネスになりません。

    参考になることが、たくさん書かれています。

    ぜひ、読んでみてください。



    ◆本から得た気づき◆
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    精密力を高める=数多くある技術目標のひとつひとつを確実にこなしていくこと
    データを判断材料として重視する理由は、「指示の根拠」は「精密」でありたい
    バレーボールは技術の複合競技であり、スパイク力はその小さなひとつに過ぎない
    スパイク決定率ナンバーワンは、日本がめざす「実現可能」な目標ではない
    「サーブレシーブ」「サーブ」「ディグ」「失点の少なさ」の4つの項目で1番になる
    数字は成績発表のためではなく、原因を追及し次の試合への対策を講じるためにある
    チーム全体の課題はチーム全員の前で言い、選手個々の課題は、選手を呼んで対話形式で伝えることが重要
    「なにかひとつが優れている」だけではだめで、「勝つためにできるあらゆること」を底上げすること
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆目次◆
    序章 チーム力の勝利
    第1章 データバレーの真実
    第2章 世界選手権でのデータ活用
    第3章 技術の「精密力」を高めることが日本のメダルにつながる
    第4章 技術の精密力を戦術に昇華させる
    第5章 マネジメントの精密力を上げたい
    結章 チーム力を上げるというテーマ
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ◆マインドマップ◆
    http://image02.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/ac7966232b52fad6.png
     

  • 783.2 マ 登録番号8812

  • 女子バレー日本代表監督の著。

    パワー、スピードに劣る日本人がいかに世界と闘うか。

    それは精密力。

    iPadを駆使した、徹底したデータバレーで32年振りのメダル獲得を実現した。

    最後の方に書いてある、日本バレーと新幹線輸出の例えは とても頷けた。

    頑張れニッポン!

  • 偏った見方かもしれないが、「・・・力」とか、「日本」「日本人」と題される本は、用語・定義があいまいな精神論だったり日本やその文化の無批判な礼賛論だったりすることが多いのではないか、といつも少々疑ってかかってしまう。本書もどうかな、と思ったが、女子バレーの躍進の裏側が気になっていたので、手に取った。
    バレーボールというスポーツの本質や、戦術の歴史、女子チームのマネジメント、考える選手の大切さなど、平易な文章なのに、うなづけるところ、興味深いところ多数。
    得点が認められる局面が多彩であり競技の戦術性が高い、と喝破している点は、ボールをリングに通過させる、という単一の得点の局面しかないバスケとの違いが浮き彫りになり、攻防の入り混じるバスケのようなスポーツのほうが戦術性が高い、と無意識に思っていた自分の偏見に恥じ入るばかり。
    「日本再生のヒント」というビジネスパーソンへの「受け」を狙ったかのような副題だけが極めて残念、1点減点。

  • 2010年11月に行われた世界選手権で銅メダルを獲得した日本女子バレーチームを率いた眞鍋監督が、チームの方針をまとめた本。キーワードの「精密力」がタイトルになっています。日本人の特長を活かし力をつけていく方向性は納得させられました。(2011.6.4)

  • 今の女子バレーはここまできているのか、という一冊。次々と産み出される新戦術、ゲームの中で標的にされる選手。相手のエースをつぶせ!バレーはフィジカルでは決まらないが身体面でおとるにほんが勝つためには極限まで技の精度を上げること。眞鍋監督が試合中iPadを使うのは、「そうせざるを得ない」から。むむむ。

  • 読書時間 115分 読書日数 4日 (アウトプット 150分)

    女子バレーの世界選手権で銅メダルを取ったことで注目された眞鍋監督の、指導法や戦術等の解説本。データの活用にiPadを使用した理由なども書かれている。
    バレーボールというスポーツは「つながり」のスポーツであり、「日本人向け」のスポーツでもある。昨今パワーバレーが暗躍している中、「日本人特有のこまやかさを発揮していけば」という観点から、いろいろな「勝つためのファクターを見つけるアプローチ」の方法があるんだなぁという新たな発見があった。

    ◎人間どうしても大きな変化をしようと思いがちだが「小さな変化の積み重ねが大きなうねりとなる」ことが重要である。
    ◎「数字は成績発表させて競争させるためにあるのではなく、客観的な数字を公表することで勝敗の原因を解明したり、次の対策を講じるため」にある。
    ◎「数字を根拠に指示をすれば、その指示が正解する確率が上がり、正解を続けることで部下に信頼してもらえる。」

    「日本人のよさとはなにか?」を考えるべきだなぁと思った。

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