学習漫画 世界の伝記 NEXT 伊能忠敬 正確な日本地図を信念と歩測だけでつくった男
- 集英社 (2010年7月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784082400453
感想・レビュー・書評
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「地球の大きさをこの足で測ってみたい!
商家に育ち、天文学を志したのは50歳をすぎてから。地球の大きさを知ろうとしたのが、いつしか正確な日本地図を作製することに。学ぶのに遅すぎることはない、ということを実感させる本です。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
集英社の学習漫画 世界の電気NEXT はじめてこのシリーズを買った。漫画の絵が最近みられるような過度にデフォルメされた”いまどきの絵”になってなくて、割と馴染みのある昔(平成前期)のテイストで安心して読めた。内容については、前半生はあっさりで蝦夷への第一次測量以降が割と詳細に描かれる。51歳という高齢で隠居したから、やりたいことをやり出せたその長い下積みである名主としての活躍やそこに至る経緯はほとんど割愛気味だが、限りある紙面で何を重視するかだけなのでそこは仕方ない。
日本全土の測量が計10回行われたこと、その内離島をターゲットにした9次測量は弟子たちに制止されて参加できなかったことなど本書で初めて知った。さらに西日本の測量で、幕府に認められ、予算や人員の割り付けもされた後、責任も大きくなったが一部の行き過ぎた行動で厳しい処分を下したりなど、道中の関所をめぐってのトラブル以外の人の管理の難しさがあったことも学びになった。
国立天文台准教授縣先生の巻末の解説が、非常にコンパクトにまとまっていて読みやすい。
本書を読んで改めて意識したことは、伊能忠敬は天文学者であること、そして地図づくりの契機となった第1次測量は最初から地図づくりを目指した訳ではなく、天文学の探求で緯度一度を調査することが最初の目的であったこと。 -
さらっと読めるのに感動を置いていく。51歳からの日本地図作成には励まされることしきり。それまでも存分に功績をあげた人。三か条の家訓は現在にも通ず。きっと素晴らしいリーダーだったのだと思われる。
第一 假(かり)にも偽りをせず孝弟忠信にして正直たるへし
第ニ 身の上の人ハ勿論(もちろん)身下の人にても教訓異見あらハ急度相用堅守るへし
第三 篤(とく)敬謙譲とて言語進退を寛裕(かんゆう)ニ諸事謙(へりくだ)り敬(つつし)ミ少(すこし)も人と争論など成(なす)べからず
・かりそめにも人を欺いたりせず、親に孝行、兄弟仲良く、人には真心をもって正直でありなさい。
・目上の人はもちろん目下の人からも教えられたら取り入れなさい
・篤く敬いへりくだり、言葉や行いをやわらかに、あらゆることにへりくだり、慎み、少しも人と言い争ったりしてはならない。 -
初めて、正確な日本地図をつくった人
当時の世界でも、非常に精巧なできだった。
伊能忠敬の勉強好きには、びっくり。 -
[墨田区図書館]
最近すっかり定番となってきた「世界の伝記NEXT」。どうもこのシリーズは、女性比が高いというだけでなく、男性のセレクトもやや通常と軸がずれている感がして、やや新鮮。興味深い。
伊能忠敬。もちろん、その存在と功績は知っていたけれど、彼が晩年になってから勉強を始めたなどというのは、息子に伝記を読ませようとし始めてから知ったこと。ただ今回は彼の功績のみならず、その生い立ちも含めての伝記漫画だったので、より詳しく、そしてシーボルト事件などのハナシも、ちょうど直前にコナンの推理ファイルシリーズで"地図の謎"を読んだおかげもあって、その内容と重要度を実感して読むことが出来た。
思う憂いはいつも同じだけれど、これをどこまで息子が読み解いてくれているかだなぁ、、、、 -
安藤百福と同じシリーズにあるのが不思議な印象。
子供は、最初はわかりやすいインスタントラーメンの話の方に興味を示していたが、伊能忠敬も読んでみたら面白かったようで、二回読み聞かせる (漫画だが) ことになった。 -
伊能忠敬は51歳から弟子入りし、74歳まで全国を歩いて地図を作ったそうな。好奇心と探求心が人を成長させるのね。大人が読んでも面白い伝記だ!