伯爵と妖精 ロンドン橋に星は灯る (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
3.94
  • (79)
  • (72)
  • (92)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 616
感想 : 45
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086008839

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ケルピー、エドガー

    それぞれのリディアを思う気持ちが伝わってきます。

  • 伯爵と妖精の第十巻。
    まずは一区切り、といったところでしょうか。


    たとえ相手を傷つけると分かっていても離れられない。
    幸せを願うのならさようならと言わなければならないのに。

    そんな二人の感情がひしひしと伝わってきました。色々と謎も解けてすっきり。
    誰かを思うからこそ、女の子は綺麗になるんだなーとしみじみと実感しました。続きも是非読みたいです。

  • 現実逃避用。レイヴンの出番が少ない。。。

  • 甘い・・・w

  • “「リディアが僕のことをおぼえていない?」
    スコットランドに向けて走る汽車の中、特等車両の個室で紅茶を味わいながら、ニコはエドガーに、リディアの家で見てきたことを語りはじめたところだった。
    ケルピーに連れ去られたリディアの様子を探るよう、エドガーにたのまれたニコは、スコットランドへ行っていたのだ。
    妖精であるニコが鉄道嫌いなのは、もちろんエドガーは知っている。しかしニコがエドガーのいたケンブリッジに到着したのは、彼らがエジンバラへ向かう汽車に乗る直前だった。
    いやがるニコを紅茶とお菓子でつって、この汽車に乗せ、ようやくリディアの様子を聞き出したエドガーだが、それは彼にとって想像もしていないことだった。
    「まったくおぼえてないわけじゃないんだ。ケルピーの魔法で、去年の今ごろ復活祭のためにロンドンへ行ったあとから記憶がすっ飛んでる。あんたのことは、たぶん、メロウの宝剣探しでひどい目にあわされた相手としかおぼえてないみたいだ」
    「それは……、まったくおぼえてないよりたちが悪いじゃないか」
    最初の最悪な印象だけが、リディアの中に残っていることになる。
    「時間をかけて、ようやく僕を理解してもらえたところだっていうのに、ふりだしに戻るのか?」
    ソファに身を投げ出し、エドガーはふてくされる。
    初対面の状態なら、何度だろうと口説き落としてみせる。が、最初に彼女をだました前科があったからこそ、プロポーズも信じてもらうのも容易ではなかったのだ。”

    やっと。って感じ。
    リディアはエドガーと結婚することを決め、教授もそれを認めた。
    いきなり結婚かとは思うけど、時代背景的に普通とな。
    ロタとポールのこれは何ですか。
    伏線ですか。

    エドガーと結婚することを決めたリディア。
    プリンスの記憶を取り入れてしまったエドガー。
    これから新展開?

    “父親が行ってしまって、リディアはふてくされながらも気恥ずかしそうにベンチに座り込んだ。
    「リディア」
    「近づかないで」
    「ごめんね、心配させて」
    うつむいたまま、彼女は言う。
    「……プリンスは死んだって、聞いたわ。でも、あなたは手放しでよろこんでない。いいの、あたし何も訊ねないわ。あなたが話す気になるまでは……。だから、ひとつだけ信じさせて」
    「うん、何?」
    「黙って、いなくなったりしないって……」
    「ああ、約束するよ。これからはいつでもそばにいる。もしきみが逃げ出したくなったって、どこまでも追いかけるから」
    隣に腰をおろし、ひざの上で固く握りしめている彼女の手に手を重ねる。
    「あの、べつにそこまでは……」
    「もう、離さないからね」
    ふたりきりになったことを、リディアはかすかに後悔したのかもしれない。誰もいない礼拝堂をあわてて見まわし、困惑したように目を伏せた。
    「……近づかないでって言ってるでしょ。あたしまだ怒ってるの」
    「抱きつきたくないくらいに?」
    「そうよ」
    頬いかかる髪を指先ではらうと、リディアはこわごわ視線をあげる。金緑の、妖精が見える不思議な瞳が、愁いを含んでこちらを見つめる。
    やっと手に入れた、自分だけの宝石だ。”

  • エドガーとリディアがついに…

    なんかやっとここまできたのかといった感じです。
    でも、まだまだ道のりは険しそうです。

  • エドガー・・・どうなんだこれから
    にぶちんリディアが、大人の女性に近づいて軽く嫉妬w

  • 2010年1月31日

  • やっとリディアから婚約を認めてもらえたエドガーだが、当のリディアはケルピーに連れ去られ記憶を消されてしまう。何かを忘れていると気づいたリディアだが、エドガーに出会ってもなかなか思い出せない。そんなとき、ロンドンで奇妙な病が流行りそれにプリンスが関わっている可能性が高いことをエドガーは突き止める。一人でユリシスのもとへ乗り込むエドガーを心配したリディアも急いでロンドンに向かうが、途中で妖精に出会いロンドンブリッジへ連れていかれてしまう。ロンドンブリッジを壊そうと企むプリンスを防ぐため、ロタも急遽船に乗って戦うことに?!

    今回は心臓を射抜かれた言葉がちらほら。引用文はどれもエドガーの本当の気持ちが伝わってくる言葉だと思う。最初は信用していなかったリディアだけど、きっと心のどこかでエドガーのことを信じてたんだろうな。じゃなきゃ、思い出さないもの。誰よりもお人好しな彼女だけど、エドガーのことはきっと特別なはず。リディアがエドガーのキスを拒まないのは、自分の気持ちをはっきりと自覚して受け入れる覚悟の表れだと思います。もうp299のイラストは・・・!!とうとう高星先生も描いてしまわれたか。二人のキスシーン。待ってましたーと叫びたいです(笑)この先二人が無事に結婚できるのか気になりますね。
    レイヴンの言葉も相変わらず笑えました。"自暴自棄"を"自業自得"と間違えるあたり・・・さすが本当なだけあって傷ついているエドガー(笑)しかもニコに対して「ともだち・・・・・・」とつぶやくあたりはかわいいです。どうして一番口数が少ないのに、こんなに天然なんでしょう(笑)
    ロタもいい感じでした。大公女になっても、海賊の癖は抜けていないようです(笑)エドガーが剣で刺されかけたときに飛び出していくリディアが好き。怪我をしなくて良かったです。ケルピーも何だかんだ言っても、リディアの幸せを純粋に願っているだけなので憎めません。魔法をかけたのも、リディアに元気になってほしかっただけだから。今回は今まで一番好きな巻になりました。

  • 2009年7月17日

全45件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

三重県出身。『パラダイスルネッサンス楽園再生』で一九九七年度ロマン大賞佳作に入選しデビュー。「伯爵と妖精」シリーズ、ベストセラーとなった「思い出のとき修理します」シリーズ、「異人館画廊」シリーズ、『がらくた屋と月の夜話』『まよなかの青空』『あかずの扉の鍵貸します』『ふれあいサンドイッチ』など著書多数。

「2023年 『神さまのいうとおり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷瑞恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×