龍は暁を求む (四龍島シリーズ) (コバルト文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086147231

作品紹介・あらすじ

冬眠に、『黒龍』の座を譲らず月亮と戦ってくれと迫る飛。だが冬眠はのらりくらりと返答を避けるばかり。そこに毛家の使者が現れ、草郎が父に監禁されていることを告げた。飛は、草郎を救いだす代わりに願いを聞いてくれるよう取引を申し出る。一方白龍では、悲しみにくれる花路の前にマクシミリアンが現れた。悔しいなら仇を討てと挑発するマクシミリアンに、花路は一斉に刃を向けた…。

感想・レビュー・書評

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  •  飛が冬眠に組み敷かれている間に、マクシミリアンは何やら花路にけんかを売りに行く様子で。
     まさかのマクシミリアン対花路のがちんこ勝負が展開される。
     一対一とはいえども、正直、マクシミリアンがこんなに強いとは思わなかった。
     怪我をしているのにも関わらず、花路の下のほうから順番にばったばたとなぎ倒して、挙句、羅漢とも五部の勝負をしてしまうのだから、相当強い。
     まぁ、飛と互角にやり合ってるんだから、当然といえば当然なんだけど、一体全体、お前はいつ、そんなに剣の腕を磨いたのか――と問いたい。
     だってどう考えても、マクシミリアンが剣の修行をしている様子なんて想像ができなくないですか……?
     でもよくよく考えたら王老人に育てられたんだから、そこそこに鍛えられているはずですよね……。
     けど、そこそこまではいいとしても、そこから先は才能と鍛錬の両方が必要な気がするんですが、鍛錬……鍛錬……マクシミリアンが鍛錬……似合わないとした言いようが――

     すみません、話がそれました。
     そんな感じで、マクシミリアンは花路の仲間を力で制しておいて、そこに駆けつけた尊夫人がわが子のためにも、この白龍に力を貸してやってくれって言葉添えをしてとりあえず、一件落着。
     そこから、花路を手足に使っての白龍市の怒涛の建て直しが始まる。
     それもこれも、飛を取り返すため。取り返した飛に永遠にいてもらうため。

     そして、押し倒された飛の元にも困った知らせがもたらされる。
     どうやら冬眠のお目付け役兼大切な人、草郎が閉じ込められたというお知らせ。
     そこで、その草郎を助ける代わりに、龍の地位に居座ってくれと取り引きを持ちかける。
     冬眠も草郎のことは大切だから、その条件を呑む――
     助けに入った毛家はかなりものものしい様子で、何やらおかしな状況。
     おまけに助けた草郎から、どうやら本土の伍家が本格的に動き出した、と教えられてますます事態はややこしいことに。
     しかも朱龍は勝手な手紙を、月亮に送りつけているし――

     なにが何やらで、よってたかって、マクシミリアンと飛の手を煩わそうとしているようにしか思えないけれど、この二人はこれくらいの波がないと燃え上がらないんだから仕方がないといえば仕方がないのかもしれませんね。
     大体、小さい火の粉のうちに消し止めなかったマクシミリアンにいたっては自業自得と言えば自業自得だからね!

     そんなこの巻でした。
     果たして広がるだけ広がった二人の痴話げんかの最後はどうやってオチがつくのか――。
     まだまだ先は長そうです。

  • 初版・2000年6月10日

  • 「龍は微睡む」で始まり、「龍は薫風を駆ける」で終わり。(と、思ったら続編が出た)
     レビューは薫風にまとめてます♪

  • 冬眠に、『黒龍』の座を譲らず月亮と戦ってくれと迫る飛。だが冬眠はのらりくらりと返答を避けるばかり。そこに毛家の使者が現れ、草郎が父に監禁されていることを告げた。飛は、草郎を救いだす代わりに願いを聞いてくれるよう取引を申し出る。一方白龍では、マクが動き出し、街の建て直しと他からの攻撃に備える。

  • せっかく力強く歩み始めた飛と白龍市にホッとしたのも束の間。当代黒龍・冬眠のラストの言葉にまたしても不安を覚えるこの1冊。
    突然姿を現したマクシミリアンに、我を忘れて刃を向ける花路。返して欲しければ争えと焚き付けるマクシミリアンに、仲間達は遠慮なく討ちかかる。その頃飛は、草郎を助け出す変わりに龍の位に、と冬眠に切り出し、草郎の救出に向かう。
    マクシミリアンの采配と、花路の歩みだしによって立ち直りつつある白龍市と、飛の歩みの力強さに、ようやく彼等らしさを見付けられます。そんな中、また動き始める月亮と青龍・麗杏を拐い、四龍島制服を図る本土の伍家。
    四龍島からますます目が離せなくなること間違いなしです。

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