白蝶記 ―どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか― (ダッシュエックス文庫)
- 集英社 (2015年11月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086310864
作品紹介・あらすじ
ある教団の施設で育った「旭」は親友である「樹」と「陽咲」と共に、つらい境遇を乗り越え生きてきた。しかし、ある出来事をきっかけに、旭の中で眠っていた殺意が目覚めてしまう──。
感想・レビュー・書評
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全3巻完結。
ハードボイルド風ライトノベル。舞台は北海道。カルト宗教団体を扱っているのでイヤでもアレとかアレが思い浮かぶ。
あとがきから著者は暴力にあったことのある人らしく、時任がじわじわと締め上げて行く過程とか、おそらくススキノを逃げ回る話はおもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
PCゲーム業界では有名なるーすぼーいの初ライトノベル。
本作の主人公はミステリの犯人の立場にあり、教団の時任が探偵役としてトリックを暴いていく。
謎を解明していくのが通常のミステリの楽しみ方だとするなら、白蝶記はどう弁明するかを考えながら読むのが一つの楽しみ方だ。
それでも主人公の旭はまだ子供だ。
見落としも多く、少しずつ追い詰められていってしまう。
絶望から鳥肌モノの一発逆転を見せてくれるのがるーすぼーいなので、ハラハラしつつも先の展開を期待して読むことができた。
ただ、これまでの作品と比べると少し衝撃は少なかった。
第一、帯に「どんでん返し」とか「ラスト10ページ」とか書くべきではないと思う。
るーすぼーいファンなら定番の展開は予想できているにしても。
トリックにしても、もう少し弁明できる点があった。
子供だからと片付けられればそれまでだが、ミステリ専門ではない者のレベルが露呈しまった感がある。
3月に続編が出るようなので、結末までは読みたい。 -
主人公の考え方や行動に幼さが垣間見え、個人的にはあまり共感できなかった。しかし、ストーリーとしては緊迫感がこちらにも非常に伝わってきたので、飽きることなくスラスラと読み進められた。
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施設、虐待、謎の教団、計画殺人、庇い合い、逃亡、絶望。
ベタだけど、雰囲気がいい -
山の中に存在する児童養護施設に暮らしている3人。
彼らには、同じようなあざが存在していた。
多分どこかで使われるだろうフラグ? と思ったら
ここでは使われず、そのまま。
一体この施設は何が目的で、どういう集まりなのか。
周囲の店やら人やらも、どうやら…ですし
何がどうなっているのかも。
最後に出てくる台詞に、じんわり謎が解けるのだろう、と。
ただ、これ1冊だけ読んでも疑問符だらけです。 -
一巻星3
二巻星4
三巻星2
4巻目が欲しかったですが、あとがきを読むと3巻で終わった理由が分かります。 -
新興宗教の施設らしい孤児院にいる主人公が施設の教員に殺意を抱き実行をする話。言葉として書くと一行で終わってしまうのに、一冊として読むと重い。壮絶にいびってくるクソな大人や陰気で閉鎖された施設、クリスマスも知らず雪の日に懲罰房に入れられ殴られ食事を抜かれ、仲間と過ごす時だけが心安らげる。ライトでもないしジュヴナイルでもない。1巻はまだ序章。3冊くらい読んで初めて真価が分かるんじゃないだろうか。
ちなみに読み終えてから「車輪の国、向日葵の少女」の人だと知りました。 -
教団が運営する閉鎖的な児童養護施設を舞台とした話。こ、こういう話だったのか…予想外!
これはまだ序章なのかな。この後の物語のために、それぞれの登場人物が位置についた、という感じ。
ううむ、面白かったけど、「ラスト10ページ、衝撃は最後にやってくる。」とかいう帯の惹句を意識しすぎてしまった…。 -
ひりつくような寒さが滲む空気感の中で繰り広げられる友情とすれ違いと憎悪、裏目に出る善意。るーすぼーいの描く"悪童"は憎ったらしくも魅力的で、熱い。「敵」の姿は茫漠としてまだ見えないが、今回出てきた時任という女性の思考回路はなんだか「車輪の国」の法月を思い起こさせる。誘導尋問が上手ね。
あと白身魚先生のイラストが綺麗過ぎる。
続刊が楽しみ。 -
これから物語は始まるってとこで終わる感じの内容でしたね。エロゲーの体験版プレイ終了後の感覚に似てます。
続編あるのか分からないけど、あるでしょう。
ないと困る。