倫敦千夜一夜物語 ふたりの城の夢のまた夢 (集英社オレンジ文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086800747

作品紹介・あらすじ

19世紀末英国。ロンドン郊外で兄と貸本屋を営むサラは、兄の旧友と三人で出かけたピクニックで、世間を騒がせる事件の犠牲者らしき遺体を発見し…!? 名作小説が鍵を握る、ヴィクトリアン文学ミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀末のロンドンを舞台にしたヴィクトリアンミステリー。名作文学の話や本に関する謎解きみたいなイメージが強かったけど…
    今回は最終話で大きくイメージがかわるし、アルフレッドとサラの二人の関係にも、驚かされた。
    しばらく続編出ていないみたいだけど…。

  • サラが意外と大人でびっくり。サラとアルフレッドを応援したくなる。そうするとヴィクター切ないなあ。使えるイイ子なのに。

  • 今までの話に貼られていた伏線が最終話で結びついて、新たな謎が・・・、グリフォンて?アルフレッド達の叔父との関係は?カイルはなぜサラの顔を知ってたの?アルフレッドとサラの本当の関係は?このままではヴィクターが当て馬扱いでかわいそすぎる!で、続きは出ていない・・・。大人の事情で出ていないのかもしれませんが、始めた話はきちんと終わらせてほしい。

  • 19世紀ロンドンを舞台にした書籍ミステリーの2巻目。

    前巻では謎と書籍の内容がリンクしていてこれは文学少女的だなあと思ってたんだけど、今巻はお話の内容よりも書籍自体に関わる謎が多くて、ビブリア古書堂的だった。

    微笑ましい話が続くなあと思っていたら、ラストの急展開!
    対決場面はハラハラさせられた。
    いやあ面白い。これは侮れないなあ。

    そして明かされる兄と妹の関係。
    あーこれは、ヴィクターくんの恋心はちょっと報われそうに無いなあ。
    可哀想だけど、めげずに頑張れ、と言っておこう。

  • 貸本屋を兄と一緒に営むサラ。そんなサラが兄やヴィクターと共に解き明かす、本にまつわる小さな謎が楽しかった。優しい気持ちになれる「答え」が見つかることも多かったし。それに、読んでいるとサラが本好きなのが伝わってきて、この「千夜一夜」に行ってみたくなった。
    まだまだ謎の多い兄妹。今後どうなっていくのか気になる。

  • シリーズ二作目。19世紀のロンドンで貸本屋を営む兄妹に訪れる日常の謎ものという感じで、周りの人々との真摯で柔らかな関わりにうっかりほのぼの読み進めていましたが、そうだった、この二人ワケアリなのでした。最終話で彼らは連続殺人に関わり、物語はあれよあれよという間に血生臭い展開に。彼らの過去を示唆する部分も少し現れて、目の離せないことになってきました。特にラストの数ページにはちょっと驚かされました。ちょっとミステリのライト文芸レーベルですがしっかり読まされましたし、続きがとても気になります。

  • ちゃんと舞台背景を捉えた描写と堅実な登場人物の造形は変わらぬ長所なのだけど
    主役3人で完結してしまっている狭さも相変わらず
    ミステリだから成り立っているが
    ミステリは味付けなのだからもう少し広がりある登場人物間でのお話が見たいかんじ
    せっかくのふんいきを活かしきれていないもったいのない作品

  • 貸本屋の店主兄妹と、彼らの秘密を知ることになった青年の物語。ちっちゃな謎を解くところが好きなので、あまり大きな物語が進まない方がいいなあ……とか思ったり。細かい描写がいいのう。

  • 塗り絵の蔵書票、仔犬と少年、背中を咬み荒らされた連続婦女殺人事件とアルフレッドを人質に誘き出されるサラ。一巻にあった知っている本やお料理の魅力が薄れてしまって残念。少ないそれには変わらず嬉しくなった。知らない本なら沢山登場するけれど小さな脇道よりも大きな流れと兄妹の曰く付きな事情の方が本筋みたい?

  •  相変わらずいろいろな本が出てくるので、読みたくなって困ってしまうわ~。
     最初の蔵書票が剥ぎ取られる事件は可愛らしく、続く仔犬と少年の話は健気で共に読みながら頬が緩んでくるのを留められませんでした。蔵書票を塗り絵の代わりにするという思いつきは子供ならではという感じですね。
     最後の連続殺人事件に関わってしまった話は、少しづつ水が染み込む様な不穏さを醸し出してきて思わぬ読み応えがありました。何よりも兄妹の間に潜む、ある種の危うさの訳が明かされたのが、これからの波乱を思わせて続きへの期待をいやが上にも高めます。

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著者プロフィール

東京都出身。東京音楽大学器楽科ピアノ演奏家コース卒業。『始まりの日は空へ落ちる』で集英社ノベル大賞受賞。本書は大英帝国を舞台に若き日の小泉八雲の活躍を描いたホラーミステリー『奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女』(講談社文庫)の続編にあたる。他の著作に、本シリーズの前日譚「ふりむけばそこにいる」シリーズ(講談社タイガ)、「王女の遺言」「倫敦千夜一夜物語」シリーズ(ともに集英社オレンジ文庫)、「英国マザーグース物語」シリーズ(集英社コバルト文庫)などがある。


「2022年 『奇譚蒐集家 小泉八雲 終わりなき夜に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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