- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086801317
作品紹介・あらすじ
〈椿屋敷〉で若くして隠居暮らしする柊一と妻の香澄。実はふたりは利害の一致から結婚した偽装夫婦。柊一のもとには、近所からさまざまな相談が持ち込まれるが…「家」が語る、わけありな人々の物語。
感想・レビュー・書評
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籍は入っているけども「契約結婚」!?
2人が住まう椿屋敷が語り手となり、進んでいく物語。
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通称・椿屋敷に住む若夫婦は、籍を入れているけれども「ワケあり夫婦」な柊一(しゅういち)と香澄。
若隠居のあだ名をもつ、椿に詳しい小説家・柊一のもとには、たびたび相談が持ち込まれ…
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著者・白川紺子さんの小説は、「後宮の烏」シリーズの方を先に読みました。
「後宮の烏」は中華ファンタジー小説なので、難解な用語もちりばめられていますが、「契約結婚はじめました。」は現代が舞台であり、1ページあたりの文字数も「後宮の
烏」よりは少ないので、手に取りやすいです。
若隠居・柊一のもとに日々持ち込まれる相談も、ちょっとした謎を秘めているものばかり。
そうした相談そのものを味わいつつ、若夫婦の謎も少しずつ明らかにされていくため、徐々に変化していく若夫婦の関係も、見ものです。
「椿屋敷」が擬人化され、語りを担当しており、人間を紹介するのとおなじ目線で、小鳥の様子が書かれていたりします。
ここが時に厄介であり、人間の世界と静物・動物世界が交差する語りに、どちらの世界の情報か混乱することがありました。
ドラマであれば、屋敷が語り手でも違和感なく進んでいったのかもしれませんが、このお話の場合は誰でもないナレーションのほうが話運びがスッキリしたのではないか、と思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
椿屋敷と呼ばれる家に住む男女二人のお話。
恐らくですが、集英社オレンジ文庫を読むのは今作が初めてです。
「契約結婚」という言葉が気になって手に取りましたが、思っていたより修羅場は少なく、ずっとハートフルほのぼのストーリーでした。
普段、恋愛に関連するような作品を読まないのですが、こういう作品ならありかな? と思えました。
椿にまつわる話が要所要所に登場するのと、趣のある日本家屋での暮らしが描かれていて、それだけでも楽しめる作品です。
シリーズ作品のようなので続きも読みたいと思います。
あんまり頭を使わずに読書をまったりと楽しみたい人にオススメしたい一冊です。 -
シリーズ1作目。
全体的にほんわかしてて読んでて癒されます。
2人の落ち着いた人柄もよき。
日常の謎もあってその点も好きでした!
続きを読むのが楽しみです♪ -
正確に書くと星3.8。
椿にまつわる謎解きの話が主で、ちゃんと意外性もあり読みやすくて面白かった。
白川さんの小説はキャラクターの良さや、ちょっとレトロな感じがあり、続きが読みたくなるものが多いと思う。 -
家目線で描かれる小説を読んだのは初めてだった
すごく新鮮で面白かった
登場人物も可愛くてほわほわした -
どこかで購入して積読になっていた作品。
気分的にちょっと甘い系が欲しくなり。
タイトルだけしか知らなかったので、読み始めて、思っていたよりも(いちゃ甘系かと思っていた)いい意味で期待が裏切られて嬉しかった。
20代後半?なのに若隠居と呼ばれる主人公と19歳の奥さん2人が軸になっている。
椿屋敷と呼ばれるだけあって、作品に出てくる椿の種類の豊富さに驚く。椿に絡めたいろいろな事件に2人は巻き込まれるが、どの案件にも穏やかな空気感が心地よい。
続編が5巻まであるようなので読破したいと思っている。 -
読みやすいのですいすいーっと。偽夫婦はほんわかしていて読んでてイヤな気持ちにならないのがよかった。あと美味しそうなものが出てくるのも読んでて楽しい。椿って沢山種類があるんだなーと思い、ネットでどんな花か調べながら読んだ。
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読了。表向きは夫婦の2人と、そこに舞い込んでくる日常ミステリー。利害関係での夫婦だけど、これから変わっていくのではないかとワクワク。2人の住む椿屋敷である家が話を進めていくスタイルは、新鮮で面白かったです。
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2023.3.19 読了。
寿町四丁目にある通称・椿屋敷に住む柊一と十九歳の香澄は利害の一致により結婚した偽装夫婦。町の相談役の柊一の元には近所から度々相談事が持ち込まれる。椿屋敷に関わる人々を家目線で語る物語。「契約結婚はじめました。」シリーズ第一弾。
下鴨アンティークシリーズを読んでこちらも読んでみた。白川紺子さんの描く食べ物や食事風景が好きだし古いものを大切にしている感じも好き。
登場人物が色々訳ありで、けれどそこを荒げて書かず仄かな悲しみを漂わせながら静かに穏やかに語られる雰囲気がいい。
丁寧な生活感に思えてゆっくりお茶菓子とお茶を入れてみたい気分になる。 -
3人称視点かと思いきや、登場人物たちを見つめる家目線の話。この設定自体は面白いからもうちょっと活きても良かったのではと思うところ。
やっぱり家の問題ってめんどくさいねぇ。結婚とか出産とか後継とか遺産とか。 -
この作者の他の作品が好きなのでこちらも読んでみた。
最初、語り部が家、っていうのにびっくりしたけど結構しっくりくる。
内容もなんとなく展開は読めるものの楽しめた
2022.3.4
30 -
目線が家からなのでちょっと間接的になる分穏やかで柔らかい印象。
契約婚とはいえ一緒に暮らしている事で、お互いを少しずつ意識しているのが伝わってとても可愛らしい。意識している瞬間を細かく描いてくれているので、微笑ましい瞬間が沢山あるのが嬉しい。 -
椿屋敷の家が主体で話す物語
そこに住む柊一27歳と訳アリの妻香澄19歳のはなし
隣のアパートの大家すみれさん柊一の叔父にあたる
すみれ荘にすむ
絢
柊一の6歳年下の弟 檀 -
柊一と香澄さんの偽物夫婦。確かに距離感はあるけど、ほのぼの新婚夫婦でキュンとして良い。椿屋敷に持ち込まれる出来事をお家目線で語られるのもいい。
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ほのぼのと物語が進んでいく。契約結婚というタイトルから想像するイメージとはだいぶ違うかな。
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契約結婚と言うからどんな生活をしているのかと思えば、掃除も行き届いていてご飯も丁寧に作られて中々に仲睦まじく暮らしている。
そこへご近所さんの困り事やらを押し付けがましくなく、さりげないヒントで解決していく。
ゆったりとした流れのホッコリする温かい作品でした。 -
後宮の烏で知った作家さんです。
偽夫婦とは言うものの、お互いに大切にしているようだし、いい雰囲気そうです。
誰がこの話を語っているかというところに驚きました。
スズメの噂話もいいです。
子供の頃聞き耳頭巾欲しかったんです。 -
語りが家で、新しい視点。白川先生の本は、掃除、洗濯、料理をきちんとこなしてる人がたくさん出てきて、自分の生活を反省させられます。私も見習いたいわ。
契約結婚の2人が微笑ましくて、先の展開がとっても気になります。きっと仲良しになるんだと思いますけど。 -
多種多様な椿が植えられた庭を持つ古い屋敷に暮らす、一組の若夫婦。新婚のように見えて、実は互いに理由を抱えていて契約結婚をした「偽夫婦」なのだ。
といっても、きな臭かったり血腥かったりするような理由を持つわけではなく、それぞれ生い立ちや家族関係に少し特異な点を抱えているだけだ、と徐々にわかってくる。
二十代にして老成した雰囲気を持ち「若隠居」と呼ばれる柊一と、真面目でどこか古風なまだ十代の香澄。
ふたりの関係を、築六十年を超える屋敷の一人称で語られる物語だ。
白川さんのほか作品で出てくるファンタジー的な要素はなく(一人称は屋敷だけど)、少し浮世離れした現代物としてさらさらと読めた。