谷中びんづめカフェ竹善 4 片恋気分の林檎フェス (集英社オレンジ文庫)

  • 集英社
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本棚登録 : 303
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086803564

作品紹介・あらすじ

「私が好きなのは菱田さんです」勢いでセドリックに告白してしまった紬。
気まずさにいたたまれず、竹善にも顔を出せずにいた。
そんな時、ネットに竹善の悪評が書かれているのに気づく。
事実に反するその口コミに憤慨した紬は、友人たちと協力して書き込み主を特定するが、犯人は意外な人物で!?
竹善の名誉挽回のために奔走してくれた紬に深く感謝するセドリックだが、彼女の想いに対して出した答えは……。
秋から冬へ、林檎の色づく季節に、いつの間にかここが大切な居場所になっていたことに気づく。
谷中のびんづめ専門カフェであたたかく紡がれる、おいしい下町人情物語。

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり、このシリーズが好きだなって思いました。紬が告白した直後からお話が始まっていきます。やっぱり、紬も分かっていたんでしょうね。セドリックは、笑子さんの事をまだ好きだと。「いつも通りに接してください」と言った紬の気持ちが、すごく分かって一緒に泣いてしまいました。
    また、紬と同様に恋に悩んでいる虎太郎。彼の中での葛藤もあって、私としてはこの2人が付き合ってしまえば良いのにと思ってしまいます。頑張れ、虎太郎!
    あと、紬のお父さんの話が1番好きになりました。趣味もなく、ずっと家族のために頑張ってきた不器用なお父さん。セドリックが最後に言った「趣味は、家族」と言った言葉がすごく印象的でした。紬のお父さんが紬を見る目が、すごく温かいなってずっと感じてました!

  • 谷中びんづめカフェ第4作。
    びんづめカフェを中心に、今回も谷中銀座、初音の森、よみせ通り、谷中霊園、日暮里生地問屋街、根津神社、文京区白山、へび道、不忍通りなど界隈で実在の場所が登場。このエリアは土地勘があるので、リアルに場所の雰囲気を想像しながら読み進められるのが個人的には楽しいシリーズでもある。

    主人公の紬はコミュ障と言いつつも、正義感が強く他人のために行動できる大学生。びんづめカフェの近所で一人暮らしをながら、地元の人々と交流や趣味の手芸を通じてのつながりなど、1作目から比べて格段にネットワークを広げている(とてもコミュ障とは思えない!)。

    美味しそうでほっとする食べ物や飲み物を提供するびんづめカフェは店主のセドリック親子も含め魅力的。ほかにも、谷中一帯の雰囲気や紬のキャンパスライフなどにも触れられ、楽しく読める一冊。

  • 多分ここで終わりなんだろう。
    あと引くところではあるが、潔さも感じる。

    よくある作品ならここからもういっちょ大どんでん返しがあるところだけど、それはでないところも真摯だと思うし、虎太郎のところを仄めかしで終わるところも読者の人気キャラを両方立てた、って感じがする。

    それにしても、セドリックと紬が向き合うシーンはめっちゃ胸が締め付けられました。きゅーーーっって。わかってたけどやっぱり辛い、っていう紬の気持ち、セドリックのぼやかさない優しさ、両方好きでした。

    2023.5.13
    80

  • コミュ障害といいつつも、不器用ながらにもたくましい紬。
    セドリックと虎太朗との三角関係も緩やかに進展していく。
    竹膳のご飯が相変わらずとてもおいしそう。
    近所にあったら、いいな。入り浸りたい。

  • まだまだ続き読みたい! このシリーズ、続いて欲しい><。もーっ、大好きなシリーズだよ! 虎太郎さん、大好き><。セドリックさんも好きだけど、紬さんはセドリックさんと結ばれた方が幸せになるだろうけど……でも、わたしは虎太郎さんも応援してる! 頑張って! 左近道さんの逆襲も見たいけどね><。左近道さんもわたし、嫌いじゃない、好きだよ! びんづめカフェは、わたしのおうちの近くにあったら、是非いってみたいな><。あと、手芸もわたし、少しいいな、と思った!

    • 花稚さん
      フォロバありがとうございます!(*´ω`*)

      フォロバありがとうございます!(*´ω`*)

      2021/04/09
  •  タイトルの通り「片恋」でした。

     セドリックに告白した紬だったけど、亡くなった妻が忘れられないと振られてしまう。確かにそれは解るけど、セドリックも紬の事無意識に大切に想っていたよね?思わせぶりな所が微妙に傷つきますね…

     そして、虎太朗がついに紬への想いを自覚するけど、紬は全くのスルー。自分への好意なんて微塵も感じてないのがもどかしい!

     この片恋だらけのトライアングル、どうなるのか次巻に期待です。

  • 読了。シリーズ4作目。
    前作でセドリックに告白をしてしまった紬。その後気まずい時間を過ごしながらも、元の関係に戻りいつもの時間を取り戻す。
    今回は怪談もどきの話もあったり、紬の父親が上京したり、虎太朗の恋心があったりと、セドリックのお店を中心に登場人物の日常が描かれる。
    不覚にも紬の父親の回は涙ぐんだ。
    この町に住む住人達の暮らしや、セドリックの作る料理がまるで目に浮かぶようで、読んでいても楽しくなる。
    なんとなくシリーズの終わりを感じさせる終わり方だったので、これで終了なのかもしれないのが少し淋しくも感じる。きっと谷中のどこかでセドリックや紬、虎太朗その他の人達は今も楽しく暮らしているのだろう。
    コミュ障といっていた紬も4巻の間にずいぶんと成長して、素晴らしいコミュニティを広げていると思う。シリーズを通して、楽しく主人公の成長を読むことができた本だった。
    本の中に出てくるジャムや料理のレシピ本が別冊で発売されないかなぁと楽しみに待つことにしよう。
    楽しい本でした。
    ありがとうございました。

  • 物語全体としては緩やかな動きの4巻。各登場人物の性格や背景がある程度固まったところに連作短編のような形で描かれる物語。
    しかし今回はなんといってもリンゴ。ジャムもシロップもとても美味しそう。もう一月早く読みたかったような、でも探せば紅玉あるかな、なんて。

  • 勢い余ってセドリックに告白してしまった紬。
    気まずさにいたたまれない日々をすごしていた
    ある日、ネットに竹善の悪評が書かれているのを
    見つけてしまう。憤慨した紬は書き込み主の
    正体を探るが、犯人は意外な人物で!?

  • 分かってはいたけど、この展開は辛かった。
    セドリックの奥さんへの愛が今も変わっていないし(その割に紬への想いもありそうな描写が過去あったところがまた辛い)紬は紬でそんな奥さんを変わらず愛しているセドリックだからこそ好きになったのも事実だろうし。
    もどかしい!
    この話、一冊分くらい引きずるかなと思っていたら、一話分で終わってしまったのも辛い。
    というか、切ない。
    フィクションの中でも、上手くいかないものは上手くいかないのである。

    一方、地味に好感度上げてきたのは虎の方。
    今のところ大きくは報われてないけれど、今回はセドリックよりは紬に尽くしていた。
    諦めていなかったんだな、君よ……でも紬相手は手ごわそうだ。
    それに、正直彼との未来は想像できないんだよなあ。
    ここからひっくり返ってはくれないだろうか。

    恋愛面はさておき、お店の方はよからぬ悪評が立ったのを紬が解決して見せたり(意外に暴力的な方法だった)一方で紬のお父さんが上京してきたり、紬の精神に負担がかかる展開が多かったような気がする。
    特に父親の件は……無趣味な人の長期休み、こうなるよねと社会の縮図を見たような。

    変わり種は谷中ではおなじみの霊園での怪談話。
    ちゃんと現実的なオチがつくかと思いきや……冬に読むにはちょっと涼しくなりすぎる展開に。
    現実的な話にこういう展開を持ってこられるのは、個人的には好きではないのですが(大体戸惑うか、世界観ぶち壊しになるので読むのを止めることが多い)この物語には合っていた気はします。
    それに、幽霊大歓迎の国出身だものね、セドリック。
    しかも幽霊に会いたいというのも奥さんへの愛ゆえにだからなあ……やっぱり辛い。

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著者プロフィール

1999年度ノベル大賞佳作受賞を経てコバルト文庫よりデビュー。以降、少女小説、ライトノベル、漫画原作など多方面で活躍する。主な著作に「谷中びんづめカフェ竹善」シリーズ(集英社)、『蒼井葉留の正しい日本語』『横濱妖精探偵社』『恋するアクアリウム。』(KADOKAWA)など。描かれる人間関係や作品世界のあたたかな雰囲気は、多くの読者に支持されている。

「2023年 『犬飼いちゃんと猫飼い先生2 お友達から卒業しますか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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