有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿 2 (集英社オレンジ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086803571

作品紹介・あらすじ

19世紀後半、ヴィクトリア朝ロンドンで繰り広げるオカルトミステリー!待望の第2弾!!

心霊現象をこよなく愛し、持ち前の“視える力"でまがい物を暴くことに血道を上げる有閑貴族エリオット、またの名を“幽霊男爵"。
あるときはインチキ交霊会の闇を暴き、またあるときは呪われた修道院で夜を明かし、さらにスコットランドヤードまで助けた美貌の心霊マニアは、今日も「私は人形」と話すボーイのコニーを従え幽霊クラブに顔を出す。
だがそこで聞いたのは、かつてエリオットが愛した初恋の人の幽霊で…?(「初恋の君は棺桶のベルを鳴らす」)。
司法では裁けない極悪人のみを“魔法"で殺す「魔法殺人」が巷を賑わす。
はたして魔法は存在するのか、魔法使いにエリオットが挑む!(「最新式魔法による殺人」)。
エリオットの従姉アレクサンドラが行方不明に。
アレクサンドラが最後に訪れた館を訪ねると、血痕と破れた檻、そして見たこともない動物の写真が散乱し……(「方舟の切符は売り切れ」)。
幽霊男爵にもクリスマスがやってくる。
コニーはとっておきのクリスマス怪談をエリオットに贈ろうと探しているうちに、人を殺めた過去を思い出してしまう……(「魔女の家にもクリスマスは来る」)。

この世に幽霊男爵を満足させる“本物"はあるのか?
美しき幽霊男爵と相棒コニーが出会う怪異全4編!!

感想・レビュー・書評

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  • コニーがエリオットに執着している様子が人間らしくてとてもいい

  • 19世紀イギリス、エリオット男爵の事件簿続編。
    「見える」か「見えない」か、「ある」か「ない」かではなくて、生者にも死者にも慈しみがある、それがエリオットの魅力だと思う。そりゃ、あったらいいな。あってほしい。亡くした大切な人に会いたいし、話したいし。そんなことがあるなら、そう信じたい。目に映るものだけが真実ではなくて、そう、見えない何かがあると感じると、不思議なことに優しい気持ちになれる。生と死をわかつ境界線があやふやなら、そのどちらにいても、きっと心は伝えあえると思わせてくれる。たとえそれが幻想だとしても、少しの暖かさを得られるし、めぐる朝の苦しさが和らぐきもする。。たとえ、幻想だとしても。

    エリオットとコニーの2人の旅をこれからも応援したい。そして、傷つきやすい本性を上手に隠すエリオットを優しく包むエリザベスとヴィクターも心強い。4人の調和が心地よい。

  • 今回も楽しかったです。前回に引き続きオカルト事件に関わりつつも、初恋のお話だったり身近な人物がでてきたりとよりエリオットさんの内側を知れる展開が多くてエリオットさんの人間らしさを感じられます。コニーとの関係性も良い…!それにしても表紙のコニーが可愛い。お話の中でも可愛いです。季節感あるお話もあるし、ミステリーな展開もあるしで大満足でした。次はヴィクター表紙かな?と既に3巻を待機してます( ´▽`)

  • 今回は幽霊絡みの事件で喜々としているエリオットだけではなく、もっと負の部分だったり弱い部分も見ることができて、キャラクターに深みが増すお話を読めたと思う。
    それでいて事件の謎解き要素も手を抜かない展開。
    事件の内容そのものが面白いのに、キャラクターの掘り下げまでしてくださって、何とも内容が盛りだくさんな2巻だった。
    事件も隙を生じぬ二段構えと言う感じで、綺麗な話で終わると見せかけての新展開、本当に胸躍りました。
    そうこなくっちゃ!
    ホラー的怖さもたまらなかった!
    特にあの屋敷の探索時のぞわぞわ感、癖になりそう……

    コニーが奮闘するクリスマス話もほっこりと怖さが両立していて、内心非常に慌ただしい状態での読了。
    癒されればいいのか、怖がればいいのか大変混乱したけれど(いい意味で)
    こちらはほっこりなエンドだったので、最後の最後で胸を撫で下ろしたが、途中までは屋敷の探索時と同じくぞわぞわする羽目に。
    感情を随分揺さぶってくる2巻だったかと。
    今回も本当に面白かった!
    主従の二人の関係性も少し前進したし、今後も見守っていきたい作品。
    ミステリとしても本当に面白いので、3巻も是非!!

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著者プロフィール

第3回角川ビーンズ小説大賞にて「即興オペラ・世界旅行者」で優秀賞受賞。受賞作を改題・改稿した「オペラ・エテルニタ」で、2005年9月にデビュー。

「2023年 『サトリの花嫁 ~旦那様と私の帝都謎解き診療録~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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