クローディア、 お前は廃墟を彷徨う暗闇の王妃 (集英社オレンジ文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804073

作品紹介・あらすじ

三人の兄姉弟による共同統治体制が敷かれる王国・イルバス。
きょうだいの中で最も優れた偉大な王であると自負する長兄アルバートだが、近頃は唯一懸念があった――世継ぎ問題である。
中間子ベアトリス、末弟サミュエルが身を固めつつある中、アルバートも後れを取るまいと花嫁探しに乗り出すことに。
条件はただひとつ、「誰よりも子を産める丈夫な女」。だが、お眼鏡にかなう理想の女性は中々舞踏会には現れず……。
一方、山奥の修道院のシスター・クローディアは、太陽のもとに出られない金色の片眼を持ち、また人並外れた怪力のため年頃の娘ながら「隠者」と呼ばれるような暮らしをしていた。
ある雨の夜、予期せぬ邂逅を果たしたクローディアとアルバートの運命は?
更には謎の老人率いる組織「赤の王冠」の暗躍により、イルバス、ニカヤ、カスティアをも巻き込む大いなる陰謀が動き出そうとしていて――!?

感想・レビュー・書評

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  • 今回は前ニ作でけっこう主人公たちに立ち塞がる壁として描かれてきた長兄アルバートの話です。
    自他共に認める優秀な王で、自信満々な彼の恋愛話を楽しみにしてました。
    こういうプライド高めの男性が恋に落ちる様って好きなんですよねー。
    前半はクローディアのいる修道院に静養に来た王太后イザベラとのふれあいが描かれます。眠れない真夜中に物語をしながらゆっくりと心が近づいていく様子はとても良かったです。
    中盤から後半ついにクローディアとアルバートが出会うのですが、アルバートの勘を頼りにした猪突猛進さがなかなかおもしろかったです。
    どんな相手でも自らが袖にされるとは微塵も思っていないアルバートがクローディアに全く見向きもされないさまに、「アルバート………」となんとも言えない気分になってしまいました。恋愛は不器用だったのね、あなた。
    ただ、ただ!アルバートとクローディアがくっつくまでがあっさりすぎてもっと読みたかった!
    イザベラとの心の歩み寄りはあんなに丁寧に書いてくれたので、余計に残念です。
    もっとアルバートが振り回されて、情けなくなってる姿が見たかった……。
    とはいえ、この巻でアルバートの好感度はまちがえなく上がりましたし、俺が一番!な彼よりも主導権を握ってそうなのはクローディアでありそうなところがまたよかったです。
    続きがありそうな終わり方なので、続刊も楽しみにしています。

  • アルバートとウィルのやり取りがおかしくて、あらすじよりもそちらが楽しみで読んでしまいました。クローディアも自己肯定感が低すぎて全くわかっておらず国王御乱心。
    最終的に伝わってほんとによかった。
    これから一波乱ありそうで真のハッピーエンドはまだ遠そうです。

  • アルバートが結婚したいほどの女性ってどんなだろう?って首を傾げていたらめちゃめちゃよいロマンスを食らってニヤニヤした。天上天下、唯我独尊タイプの男が自分になびかない女にあたふたしてる様を見るのはいいものだ……。

    今巻のヒロインであるクローディア、オッドアイで怪力、空想好きのシスターってキャラが濃くてすごく好き。火事場の馬鹿力なんて言葉あるけれど、クローディアはその火事場でいままで引け目にかんじていた怪力と空想の力をいかんなく発揮して王太后をまもりきるその胆力と機転のよさがとても魅力的でした。

    前回、サミュエルへのおそろしいほどの執着を見せた王太后さまとクローディアのやりとりがよい。それにまだアルバートに恋心を抱いていないらしいので、ふたりがどう仲を育んでいくのか見ていきたいです。アルバートは力技でガッチガチに外堀埋めてきてるけど笑

    それに王座を狙う者が出てきて、かなりの不穏さを出してきたところもすごく気になる。一刻もはやく次巻をよみたい

  • アルバートの傲慢さというか傍若無人な所はそのままに、クローディアに振り回されているので、そういやこの人まだ若かったなと思い出す。
    妃を探しているのにまったく甘さを感じられない所もらしいです。
    違う目線を得て王としてもっと成長できたら素晴らしいと思います。

  • シリーズでいちばん好きを更新したかも。古今東西、自信満々な男が一筋縄で行かない風変わりな女の子に手をこまねくさまは良いものです。

  • 今回はあまり深刻さはなかったので気楽に楽しく読めた。次回は波乱か?

  • ベアトリスとサミュエルがそれぞれ王杖として伴侶を見つけるなか、長兄アルバートは自身の権勢拡大のため、王妃となるべき女性を探していた。
    クローディアはその特異な外見と体質から、修道院で隠者のように暮らしていたが、そこへ静養のためやってきたイザベラの世話係を務めることになり、偶然アルバートと顔を合わせることになる。
    アルバートは自らの直感の告げるまま、クローディアを王妃にしようとするのだが…さてこれはコメディだったでしょうか?
    自信満々に繰り出す正攻法が全く通じないクローディアに振り回されるアルバートに、笑いが止まらなかった。
    女性を道具としか思っていない男が、本気で惚れ込んだ女性に価値観をひっくり返される話が大好きです。
    子供が沢山産めれば誰でも良いと言いつつクローディアに拘るアルバートは、甘やかな描かれ方ではないけれど惚れてますよね。そんな彼の女性の見方が少し変化しているのが良かった。
    サミュエルとエスメもそうでしたが、アルバートとクローディアもこれからの関係がとても楽しみです。
    一方ニカヤヘ渡ったベアトリスには、過去の因縁を匂わせる不穏な影が近づきつつあるところで終わっているので、次巻が待ち遠しい。

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