後宮戯華伝 宿命の太子妃と仮面劇の宴 (集英社オレンジ文庫)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784086804110

作品紹介・あらすじ

絢爛華麗な後宮で、血塗られた陰謀劇の幕が開く。凱王朝を舞台に贈る中華寵愛史伝。
栄華を誇る凱帝国では、皇太子・高礼駿の花嫁の位階を定める東宮選妃が行われていた。
汪家の当主とお抱え劇団の女優との間に生まれた梨艶は、兄の勧めで礼駿に嫁ぐことに。
華やかな皇宮に気後れする梨艶は、家名に傷をつけない程度に目立たず平穏に過ごすことを望んでいたが、ある時、品行方正な青年と思われていた礼駿の隠された素顔を見てしまう。
礼駿は幼いころに生母を火事で亡くし、その事故が何者かによる陰謀ではないかと疑っていた。
母を殺めた犯人を探し出すと決意した礼駿は、血の気が多く喧嘩っ早い本性を隠し、理想の皇子を演じていたのだ。
その場面を梨艶に見られた礼駿は、梨艶を警戒し、彼女の真意を探るように。はからずも接近する二人をめぐって、新たなる事件が忍び寄り……。

【シリーズ既刊】「後宮染華伝」好評発売中。皇帝の寵愛に溺れて身を滅ぼした女性と、職務として寵妃を演じ続ける女性。後宮という華やかな檻の中で、様々な想いが交錯する……。

感想・レビュー・書評

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  • 今回は後宮の中で演劇をするということで女優の娘が後宮へ。

    この方の作品は私の好みなんですよね。きちんといろいろ調べられているし。

    面白かったです。

  • 人は誰しも自分が生まれた意味があると思いたい。
    主役になりたいと思うものも多い。
    それが光り輝く存在が目の前にいる後宮ならなおさら。
    だから仮面を被り、自分を演じるのだ。

    黒幕はあんなに暗躍できるほど、存在感も後ろ楯もそんなに強くはなさそうに思えた。
    このシリーズは皇帝や皇太子がヒーロなので善政を敷き繁栄の直中にあるように思えるが、国はすでに傾きかけているらしい。
    元になった時代や乱があやふやなので、もう一度調べてみたくなった。

  • ずっしりとした作品なのに、展開が多くて飽きずに一気に読み終えました。すっごく面白いです!!
    後宮染華伝のドライな感じとはまたちょっと違って、女ったらしの宦官のキャラクターもよいし、それぞれの恋話がコンパクトに埋め込まれているのもよいし、何より、主人公汪梨艶と皇太子殿下とのやり取りはハラハラきゅんきゅんして、叫びそうになりました笑。

  • 読む始める前はページ数多いな!と思ったけど、あっという間に読了
    秀女同士どろどろした闘いになるのかと思いきや、友情やそれぞれの恋愛がすごくよかった

    何より前作が好きなわたしにとっては
    そのあとの登場人物たちがどうなっているのか知れて良かった!

  • 梨艶ががつがつしてないせいか結構ゆったりのんびりムードな東宮選。太子妃は愛される事意外は望まれていないのか、芝居ばかりしている印象。頭も切れるし度胸も良いのにもったいない。皆がそれぞれに願って行った事が立場のせいで悲惨な事になってますが、その陰謀劇は面白かったです。

  • 元々このシリーズはキャラクターたちが薄氷の上で物語を紡いでいるような危うさがある話なんだけど、今回はその傾向が顕著だなと感じた。

    黒幕及びさらにその奥にいた主犯、その動機については意外でゾワっとした…

    それでも最後は、あぁ、良かったと思える着地点が用意されている。例えこの先何があったとしても。
    幸せになってほしいと祈つことができる作品だった。

  • 後宮シリーズ二期二作目
    明代をモデルに、中華風を余すところなく堪能させてもらえるシリーズ
    今作は読みながら、楽しんで悲しんで懐かしんでと感情が忙しい、壮大な後宮ミステリーでした

    罠と駒とが入り乱れて、黒幕は遠いし、更に真の黒幕に裏切られ、最後まで気の抜けない展開にも大満足

  • 演劇がテーマ。面白かった。

  • 今回のテーマは劇でした。
    ちょうど清の時代の中国ドラマを立て続けに見ていたので、(本書は明の時代をベースにしているが、)難しい用語が出てきてもわかるわかるとすんなり読めました。

    冒頭数ページでハッピーエンドになると分かってしまったとはいえ、ラブロマンスよりになりすぎず「復讐」という暗い話もあってテンポよくサクサクと読めました。今後もこのシリーズがあるなら買い続けたいです。

  • ラノベ、ライト文芸含めて中華風宮廷劇は数多あれど、こちらのシリーズは明代をモデルとして世界観の作り込みがしっかりとしていて、絢爛豪華な舞台でありながら、そこに落ちる陰の暗さも描かれるところがとても好みです。
    今回の主人公は女優の娘で、自身も類稀な演戯の才を持っています。
    一度舞台に立てば様々な役柄を演じられる彼女も、仮面を外せば自身の身体にコンプレックスを持ち、虐げられることに慣れすぎて、自信のない女性でした。
    しかし裏返せば演じている時の彼女は、人の目を恐れず、多彩な顔を持ち、疑り深い礼駿からとてもミステリアスに見え興味が惹かれるというのはとても理解できる。
    同じように今作では登場人物が皆、表向きの仮面の下に他の顔を秘めていて、それが物語の展開とともに明らかになっていくところが面白かった。
    後宮の誰しもが求められる役割を演じていて、けれど仮面の下には本当の顔があって。そして後ろには筋書きと役割を充てる「作家」がいて…。
    礼駿が母親と姉の書いた復讐劇の役から降りて、礼駿自身として愛する人と生きられるようになって良かった。
    そして貞娜と彩蝶の想いも、秀女という立場からどうするのかと思いきや、よい結末になってほっとしました。
    しかし凱帝国も斜陽となってきている様子。今後のシリーズがどう展開していくのか、続編にも期待したい。

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