- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784086804240
作品紹介・あらすじ
こじれた他人の話題は、いつの世も楽しい。
定年退職を目指して働く女の平安お仕事事件簿、開幕!
内裏女房として働く掌侍(ないしのじょう)・大江コウ(コウ※)子(おおえこうこ)の信条は、自分の食い扶持は自分で稼ぐこと。
報酬分はきっちり働くけれど、出世は望まず、問題も起こさず、ただひたすら地味に真面目に働いていた。
それなのに…。
コウ子の耳に噂と謎が入ってくる。
スズメ殺し、汚された紙、引き抜き工作、そして、いてはいけない人…。
降りかかる火の粉を払うため、コウ子は噂の真相を突き止めるのだが、それが思わぬ闇をあぶり出し――。
本当は火の粉も遠巻きにして、波風立てたくない。
でも噂だらけ、謎だらけの平安宮廷では、平穏には暮らせない!?
※くさかんむりに行
感想・レビュー・書評
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地味で平凡だけど手堅く仕事をこなして、と思っているはずなのに吸い寄せられるように事件の渦中に飛び込んでしまう。
その勢いのよさが楽しい小説だった。
時代設定が曖昧なのがちょっと残念なので、もし次回作がでたらすこしどのあたりの時代を想定しているのかがわかるような描写があるといいな、と期待している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
役職や関係性など漢字や表現になれるまでに時間を要する。ただ、時代背景や当人だけでないしがらみが垣間見れて、これからもきっと深く関与してくるのだろうなと思った。
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宮廷内の様々な事に対して細かく描かれていているので、土台がしっかりしていて安定感がある。事件は些細な事ながら人間関係の複雑さが絡まって奥の深い事件になっていて楽しめました。
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表紙がアニメチックなので侮るかもしれないが、結構本格的な平安お仕事小説である。勉強になることが多く、平安の世界をたっぷり堪能することができた。
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前シリーズに続き平安宮廷お仕事ミステリーというお話。今回は無理な設定がない所が良い。まだまだ登場人物も少なくプロローグ的な感じなので、これからの展開に期待。こちらの著者の方は情景が細やかで装束の襲など表現が雅で想像しながら読むのが楽しい。
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父が母の死後後妻を娶るが、荇子とは折り合いが悪く、実家とは疎遠になる。最終的に父も死に、家も失う事になり、父が守ろうとした物は何一つ残らなかったのを目の当たりにした荇子は、結婚と言う願望が欠落してしまった…
宮仕をする荇子と幼馴染の征礼は素で話せる数少ない味方で、安らぎを覚えていた。
内裏女房として働く荇子の周りのキャラも中々の曲者揃いで、荇子も気苦労が絶えないけれど、何だかんだとコンビを組んでいた如子が上司と言う立場となり、次はどうなるか楽しみです。
征礼との関係も、今回は是非成就して欲しいです! -
平安あや解き草紙の明るい雰囲気とは違い、少し落ち着いていて宮中の闇が描かれているのがとても好きだった。
植物や重ね、官位など詳しく書かれていて作者の知識の広さ深さが伺えたし、読んでいて楽しかった。何度も読みたい作品だった。 -
平安あや解き草紙と似たようなシリーズだが、もう少し、低い位の女官の物語。
場所は平安御所だが、読み応えのあるストーリー、キャラ仕立てもなかなかあじがあるし、風物や装束の描写も楽しい。漢字の多いライトノベルは大人でも楽しめる。続編が待たれる一冊。