縄文人からの伝言 (集英社新書)

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著者 : 岡村道雄
  • 集英社 (2014年7月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087207460

縄文人からの伝言 (集英社新書)の感想・レビュー・書評

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  • この本の著者は、かの「縄文の生活誌」(講談社日本の歴史シリーズ)、名著であると同時にとんでもない悪書であったあの本の著者である。

    名著と言ったのは、当時の縄文人の生活を学者の視点から「物語」として再現して見せ、縄文人がいかに物質的にも精神的にも豊かな生活をしていたのか、きちんと見せたこと。

    悪書だと言ったのは、かの旧石器捏造事件の当事者を学会的に評価していた人物の1人であり、(のちに訂正版と反省文を載せた本を出したとは言え)この本でも肯定的に取り扱ったこと。

    昔のことをわざわざほじくり返すのは、そんな人物が引退してエッセイ的に書いた縄文解説書だからといって、この本を評価しないということではないと言いたかったからである。しかし本当は、もっといろんな人が「わかりやすい」解説普及書を出して欲しいという気持ちがある。

    「わかりやすい」縄文解説書がもっと定期的に考古学には必要なのだ。なぜならば、弥生も縄文も、年々教科書が塗り替えられるぐらいの進歩を日々しているからである。

    面白かった処を以下にメモする。
    ●縄文里山の立地は考えられた上での決定。現代まで続いた村が多い。立地(日当たり、風、川、湧き水、災害)、採取植物(クリ、ウルシ、等々)、鉱物(アスファルト、水銀朱)などを検討。
    ●焼失竪穴建物の原因。多くは「送りの儀礼を伴った焼却解体処分」であり、不慮の失火や焼き討ちは少ない。
    ●子どもは多く死んだが、そのあとは20歳から次第と死亡が増え、40-50歳代では15歳まで生きた大人の約半分が死亡。但し、60歳以上も男で3%、女性は9%が生きながらえていた(1000体対象)。長岡朋人氏は、岩手貝鳥貝塚や千葉県祗園原貝塚の九遺跡89体を調査、65歳以上が32.5%もいた。
    ●土偶は「シャーマンの形をカミ・精霊のイメージ含めて女神像として作り、それに受胎・安産、子の成長、厄払い・家内安全などの集落全体や家族・女性の願いを込めて作ったもの」「そして、使用に耐えなくなった土偶を、周辺集落の人々が拠点集落に持ち帰って「送り」や祭祀を行った」と岡村道雄氏は述べている。←私は否定も肯定もしない。
    ●のちに男女対になって出てくる木偶の「オシラサマ」は、土偶祭祀に通じるのではないか。
    ●早期後葉に定住集落が出来ると、注ぎ口土器や砥石、早期前半の函館市中野B遺跡の土坑墓からは石皿、磨石、石きり、敲き石、磨製石斧、石匙が出土。ベンガラも振りまかれるようになった。実用的な道具があるのは、来世が信じられていたのか。

    2015年2月19日読了

  • 「縄文・弥生 日本人の本当のルーツは
    どっちだ!?」と刺激的な帯に惹かれて、久しぶりに縄文時代について勉強しようと思い購入。

    これまで、縄文人・縄文時代は原始的で未開なものとして描かれることが多い時代ですが、この本を読めば縄文人・縄文時代人はそんな人たちではなく、もっと賢く生きていた人たちだったということがわかるでしょう。

    しかし、考古学的な用語や、発掘現場での出土状況の話などが多いような気がします。広く多くの人に読んでもらう新書の形にふさわしい内容ではない気もしました。
    どちらかというと、同じ著者の『縄文の生活誌』という本が縄文の暮らしを分かりやすく(イメージしやすく)書いていると思います。

  • 貝塚がただのゴミ捨て場ではなかったことを裏付ける文献を探していたら運よく発見。

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岡村道雄の作品

縄文人からの伝言 (集英社新書)はこんな本です

縄文人からの伝言 (集英社新書)の作品紹介

日本人のルーツは弥生人、という通説に真っ向から抗い縄文に日本人のルーツを求める著者が、現代日本と縄文の連続性を独自の切り口から考察。1万年も平和が続いた時代に我々が学ぶべきこととは?

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