ルバイヤートの謎 ペルシア詩が誘う考古の世界 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087208344

作品紹介・あらすじ

今も世界に熱狂的なファンを持つイランの詩集『ルバイヤート』の魅力を紹介。考古学の調査に際して、多くの逸話を持つ著者が『ルバイヤート』を縦軸に考古学界の裏の争いなど興味深い逸話を交え、語る。

感想・レビュー・書評

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  • オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』は名前だけなら高校世界史で習うが、やはり世界史では作品の内部まで触れられることは少ない。私もタイトルでこの本を手に取り、実際読んでみるまでは『ルバイヤート』の中身は全く知らなかった。
    宮廷詩人でもあったハイヤームが厭世主義者で、イスラーム法では禁じられている酒を賛美する詩をたくさん読み、当時の人々から白眼視されていたという事実には驚愕を隠せなかったし、同時に少し「人間らしさ」というか、万能の天才として所謂畏怖に近い感情を抱いていたハイヤームを少し身近に感じられるようになった。
    筆者の『ルバイヤート』愛は絶大なもので、各国各時代のルバイヤート文献について事細かに記載してある。大発見と謳われた文献が偽物だと暴かれるまでの経緯は、読んでいてワクワクした。
    すんなり頭に入ってくる口語体で記述がなされているため、少しでも世界史や文学に興味がある方はぜひ手に取ってほしい1冊であった。

  • 2016-6-12

  • 思い入れたっぷりで、推測も多く、本人も言う通り参考文献にはならないかもしれないけど、参考図書の紹介、紙の科学的年代測定の技術の進展で、真書とされていたルバイヤートや敦煌文献が、次々と偽書と暴かれたこと、「続日本書紀」に738年、唐人、ペルシア人が来日し、以降来日が続いたとあること、フィッツジェラルドがきっかけで人口に膾炙するようになったことを始め、興味深いエピソードに触れられたことは良い点。小川亮作訳「ルバイヤート」、アミン・マアルーフ「サマルカンド年代記」再読したくなる。岡田恵美子編訳「ルバイヤート」(平凡社,2009),スワミ・ゴヴィンダ・ティラー「恩寵の美酒 オマル・ハイヤームの生涯と作品」、イラン人の著者の「オマル・ハイヤームと四行詩」(コスモ・ライブラリー)は手に取ってみたくなる。

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