メディアは誰のものか――「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087210699

作品紹介・あらすじ

テレビ、新聞、出版、ソーシャルメディアの最前線で活躍する識者が総結集。
「メディア不信」を乗り越える道を探る!

今あらためて気付かされるのは、エスタブリッシュメントとなった新聞などの活字メディアと、
キー局を中心とするテレビ・メディアの「斜陽化」であり、ネットの仮想空間も含めて、
メディアの恐ろしいほどの多様化が進み、アナーキーなほど無秩序に真偽不明の情報が飛び交っているにもかかわらず、
同時に人々の言動がステレオタイプ化しつつある奇妙な現実である。
このジョージ・オーウェルの「1984」的世界をどう読み解いたらいいのか。(姜尚中「まえがき」より)

【目次】
まえがき 姜尚中
第1回 基調講演・縮むマスメディア 一色清×姜尚中
第2回 「わかりやすさ」への努力と陥穽 池上彰
第3回 メディアと権力 青木理
第4回 ソーシャルメディアが変えた世界とその行方 津田大介
第5回 何がテレビ報道をダメにしたのか? 金平茂紀
第6回 日本における「メディア不信」、その行方 林香里
第7回 フェイクニュースの正体──ネット・メディア・社会 平和博
第8回 総括講演・メディアは誰のものか 姜尚中×一色清
あとがき 一色清

【著者プロフィール】
一色清/朝日新聞社教育コーディネーター。
姜尚中/政治学者・作家。東京大学名誉教授。
池上彰/ジャーナリスト。
青木理/ジャーナリスト、ノンフィクションライター。
津田大介/ジャーナリスト、メディア・アクティビスト。
金平茂紀/TBS「報道特集」キャスター。
林香里/東京大学大学院情報学環教授。
平和博/朝日新聞IT専門記者。

感想・レビュー・書評

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  • 朝日新聞と集英社による連続講座「本と新聞の大学」第6期を書籍化した講義録。

    第一回縮むマスメディア-基調講演-
    一色清(朝日新聞社教育コーディネーター)×姜尚中(政治学者・作家。東京大学名誉教授)2017.11.11
    第二回「わかりやすさ」への努力と陥穽 
    池上彰(ジャーナリスト)2017.12.5
    第三回メディアと権力 
    青木理(ジャーナリスト・ノンフィクションライター)2017.12.19 
    第四回ソーシャルメディアが変えた世界とその行方 
    津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)2018.1.10 
    第五回何がテレビ報道をダメにしたのか? 
    金平茂紀(TBS「報道特集」キャスター)2018.1.23
    第六回日本における「メディア不信」、その行方 
    林香里(東京大学大学院情報学環教授)2018.2.6
    第七回フェイクニュースの正体-ネット・メディア・社会-
    平和博(朝日新聞IT専門記者)2018.2.20
    第八回メディアは誰のものなのか?-総括講演-
    姜尚中×一色清2018.3.6

    私が日付をいれたのには意味があります。
    2018.3.2に朝日新聞が一面トップで
    「森友文書書き換えの疑い」という記事を載せました。
    このスクープは昨年の日本新聞協会賞を受賞しました。

    2017.5.22読売新聞「前川前次官出会い系バー通い」とのレベルの差を感じました。
    この五日前朝日新聞による報道で加計学園の問題が発覚
    5.25週刊文春と朝日朝刊が前川氏の告発インタビューを同時に掲載。

    もともと嫌いだった読売のこと、ますます嫌いになりました。
    「だって、この本は朝日新聞の企画でしょう」
    と言われても、これが事実なのですから。

    「私はジャーナリズムを教える立場から、学生たちに、ジャーナリズムの第一の任務は、権力を監視することだと話してきました」と林香里教授。

  •  林香里氏による第6回が知らなかったことばかりで面白かった。他は現状のおさらい。池上彰の回はどうでもいい。
     単純に新聞や雑誌、テレビの成り立ちを知らなすぎた。
     日本人の多くはメディアとニュースを区別していないというのも面白い。しかし、マイメディアを持っているということはいいことなのかな?

  •  安倍政権のメディアへの締め付けは強烈で、これが今回(19年7月)の参議院選挙前の報道番組の少なさに影響し、低投票率に影響したと私は考えている。一色氏は朝日新聞の人。読売に対して好意的に、安倍政権の右傾化をソフトに牽制する効果も果たしている!そういう見方もあるとは驚き。2018年3月2日朝刊の朝日と読売のそれぞれのスクープ記事の比較が象徴的で面白い。森友問題の文書改竄と羽生結弦選手への国民栄誉賞。日本でも新聞が政権へのスタンスを明確にしていくということが一概に反対とは言えないとも感じるが…。選挙前には政治番組が影を潜め、選挙後は、堰を切ったように各党の動きを報じるテレビ番組が多いのは、好奇心的な気持ちを煽るのみで、これが長い目では政治への「高みの見物」的な選挙民の効果を招いているように感じる。これもまた公正公平な報道を求め、電波停止も匂わせる政権の意図の通りといえるだろう。
     ジャーナリストの後藤健二さんのISによる殺害のニュースを受けて、安倍は「テロには屈しない」、そしてオバマは「後藤さんは報道を通じ、勇気を持ってシリアの人々の窮状を世界に伝えようとした」とのリスペクトの発言。ここに両国のジャーナリズムに対する姿勢が全て凝縮されているように感じる。

  • 最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00599065

  • 東2法経図・6F開架:070.4A/I85m//K

  • 津田大介、金平茂紀、林香里氏の話が特に興味深かった。

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