ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと (集英社新書)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087211900

作品紹介・あらすじ

映画「i─新聞記者ドキュメント─」の森達也と望月衣塑子が安倍・菅時代のメディア状況を総括。
暴走する「空気」の壊し方を語る。

感想・レビュー・書評

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  • いつも母がニュースを見ながら「こんなことよりもっと大事なことが起こってるやろ」って怒ってて、その理由について、この本に書かれてた
    文字は、冷静に、慎重に伝わるから、受け手側も考えながら吸収できる
    政治とマスメディアと国民の関係性について、普段なんとなく感じてたことを文字にしてくれてる
    指南書っていうより、年上の大人たちの会話を盗み聞きして考えさせられるって感じの内容、よかった

    テレビだけではなく、活字でニュースを伝える媒体は絶対に必要やと思う

  • ジャーナリズムの役割は空気を壊すこと。森達也先生と望月 衣塑子先生の著書。ジャーナリズムが機能していない国は劣化する。ジャーナリズムが機能していない国は悪い方向にしか進まない。空気を壊すジャーナリズムと空気を壊すジャーナリストがいてこそ健全な国。空気を読まないで空気を壊すジャーナリズムとジャーナリストを応援しないと。ジャーナリズムとジャーナリストの劣化は国の劣化につながるから。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50259240

  • ● 菅首相についている番記者は約60名。その記者たちに完全オフレコの朝食懇談会をしたいと言ってきたのがいわゆる「パンケーキ懇談」と呼ばれるものです。なぜ怒らないのか?いや実はパンケーキ懇談を喜んでいる記者の方が多いと聞き愕然としました。
    ●メディアに質問されて抗議する政治権力などありえない。事前の質問項目にないことを質問したキャスターが降板している。
    ●記者会見の主催者は記者クラブです。仕切るのは記者クラブで。現在イニシアチブは全て官邸になっている。
    ●クローズアップ現代を降板したばかりの国谷裕子さんが寄稿しています。政治家など権力者に対して批判や質問を重ねた時、多くの視聴者から「失礼だ」などと批判が湧き上がることについて言及している。政治権力からの抗議以前に、こうした社会の同調圧力的な風にメディアが屈してしまう。
    ●政府は「北朝鮮が危ない」「中国は危険だ」と国民の恐怖心をいたずらに煽り、それを政権支持に利用してきた感じですよね。…これはどうだろう。
    ●ジャーナリストの役割は政治権力を監視すること。なぜなら権力を絶対に腐敗して暴走します。ジェファーソンは新聞が機能しないのなら政府は存在すべきではないとまで言い切っています。
    ●記者クラブでは無いメディアがスクープを飛ばす。日本共産党機関のしんぶん赤旗とか。文春とか。
    ●ニーチェの代表作(権力の意思)で(事実はない。あるのは解釈だけだ)と言っています。認知についての発言だけど、メディアについてもぴったりと重なります。
    ●ドイツでは中高生位が明確に自分の支持政党を言う。あなたたちが若いのにどうしてそんなしっかりした政治的な考えを持っているのですかと聞いたら、だったら日本の若者はいつからそんな考えを持つようになるのですかと尋ねられた。18歳から選挙権を持つようになったからそれからかな?と答えると、それは遅すぎませんかと突っ込まれた。
    ●メディアに登場する保守派のタレントやコメンテーターを見ていると、本気で右翼的思想に染まっていると言う事は、ビジネスとしてお金儲けをしているように見える人が1部にいます。
    ●当時のアメリカのニクソン大統領が、腹心のキッシンジャーに「核を使用しても良いだろう」と言うような相談をしている音声が公開されています。ニクソン大統領がそんな考えだったことに驚きましたが、それと同時にそれを後悔しているアメリカにも驚きました。日本ではありえない。
    ●「人は弱いから群れるのではない。群れるから弱くなるのだ」は寺山修司の名言です。

  • 有り S070/モ/21 棚:13

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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