非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略 (集英社新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087212327

作品紹介・あらすじ

安全保障と軍事のリアルを知る専門家による、非戦の論理

◆内容紹介◆
世界に大きな衝撃を与えたロシア軍のウクライナ侵攻。
この戦争が突きつけた現状の国際秩序の問題点と、日本の安全保障をめぐる環境の変化と対応策を、歴代内閣の安全保障・危機管理関係の実務を担当した柳澤氏、国連PKO紛争調停実務経験者の伊勢崎氏、元防衛研究所の安全保障研究者の加藤氏、自衛隊元空将補の林氏といった軍事のリアルを知る専門家が語り合う。
「侵略の脅威」「台湾情勢」を口実に中国を念頭にした軍拡に舵をきる日本の問題点も検証。
改憲、防衛費の拡大、敵基地先制攻撃、核共有など抑止力の議論が暴走しがちな現状への疑義を呈し、徹底的に戦争を回避する国家としての日本の在り方、「非戦の安全保障論」を示す。

◆目次◆
はじめに
第一章 ロシアのウクライナ侵攻をどう受け止めたか
1 戦争をどうとめるかを考える材料に
2 ロシアの上位目標はウクライナの「内陸国化」
3 国際政治学はすべてご破算になった
4 敵も味方も一緒になって戦後秩序をつくれるか
第二章 新しい国際秩序は形成できるか、その条件は何か
1 大国に任せない国際秩序は形成されるか
2 中露対西側という対決構造をつくらないために
3 国連総会の役割を重視することが重要である
第三章 アジアへの影響と日本が果たすべき役割
1 台湾有事に際して日本はどう対応すべきか
2 ウクライナであぶり出された核抑止の問題点
3 日本は何ができるか、何をすべきか
第四章 戦争を回避する日本としての国家像を考える
1 抑止力に代わるものはあるのか
2 国民を戦争に動員する国家でいいのか
3 「身捨つるほどの祖国はありや」
第五章 開戦から一〇〇日を過ぎた時点で
1 プーチンの戦争と戦後処理ないし秩序の回復
2 ウクライナ・ロシア戦争の省察
3 戦争犯罪を裁く法体系を日本でも
4 ウクライナ戦争の教訓は何なのか
おわりに―停戦協議の行方と日本の役割

◆著者略歴◆
柳澤協二(やなぎさわ きょうじ)
1946年生。
元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長。
国際地政学研究所理事長。
自衛隊を活かす会代表。
伊勢崎賢治(いせざき けんじ)
1957年生。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。
PKO幹部として紛争各地で武装解除を指揮。
加藤 朗(かとう あきら)
1951年生。
防衛庁防衛研究所を経、桜美林大学リベラルアーツ学群教授及び国際学研究所所長。
林 吉永(はやし よしなが)
1942年生。
国際地政学研究所理事・事務局長。
元空将補。
第七航空団司令、元防衛研究所戦史部長。

自衛隊を活かす会 編

感想・レビュー・書評

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  • 『非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略』を古谷経衡さんが読む「日本人に瀰漫(びまん)する無思慮と無想像と無知への痛烈な警鐘」 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/740861

    第4回 抑止・専守防衛・国防の本質が本格的に問われている – 集英社新書プラス
    https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/hisen_1/21844

    非戦の安全保障論 ウクライナ戦争以後の日本の戦略/柳澤 協二/伊勢﨑 賢治/加藤 朗/林 吉永/自衛隊を活かす会 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721232-7

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      [書評]194 戦争を観念と虚構で考えない 柳澤協二・伊勢﨑賢治・加藤朗・林吉永・自衛隊を活かす会編『非戦の安全保障論──ウクライナ戦争以後...
      [書評]194 戦争を観念と虚構で考えない 柳澤協二・伊勢﨑賢治・加藤朗・林吉永・自衛隊を活かす会編『非戦の安全保障論──ウクライナ戦争以後の日本の戦略』  佐藤俊樹
      UP 2022-12 - 東京大学出版会
      http://www.utp.or.jp/book/b617858.html
      2022/12/12
  • ウクライナの戦争を契機に大軍拡が企図される我が国だがまさしく火事場泥棒的やり方だ。国家は国民の命を守らないということがはっきりわかる。
    自衛隊に関わった人たちの専門家としての叡智に教えられた。アメリカの意のままにしか進められない安全保障はまことに危険だ。ジェノサイド条約にさえ加盟していない後進国は早急にまともな法整備に取り組まなければならないではないか。
    岸田政権には柳澤さんたちの提言を理解するちからが無いのだろうな。敵基地攻撃など子どもの発想だ。

  • 対談形式の緩い本だが、各識者の主張が特に一致しているわけではないというのもあって、色々な意見が読めて勉強になった。

  • アフガニスタンのタリバンにNATO20万、アフガン軍30万+同数武装警察でも敗戦
    北朝鮮2500万人を平定するには50~70万人の兵力が必要
    ウクライナ4000万人には80万人以上の兵力  徴兵ではロシア国民の反対
     クリミアと東部2州でウクライナを内陸国化を目的
     ソ連時代の移住政策でロシア人が居住 ユーゴスラビアのセルビア人と同じ

    新しい国際秩序
    国連は大国のシステム
    民主主義と専制主義という対立軸ではない解決
     ロシアの非友好国47=世界のGPDの70% と 中国15% の対決 ロシアは2%
     二項対立を正当化する欧米のイデオロギー

     緩衝最前線非武装化 や 緩衝国同士の連合
      アイスランド 海外派遣としての軍のみ保有 米軍駐留もやめた

    国防とは憲法体系を守ること
    「見捨つるほどの祖国はありや」寺山修司
     戦争は、始まる前に回避しなればならない
     
    ジュネーヴ諸条約 戦争犯罪はまず国内法で裁く
     日本は何も対応していない トップではなく下から処罰

  • そこまで言うほど国際秩序に関しては危機感を抱いていないというか、だってロシアに引き続いて主権国家に軍事侵攻した主権国家は出てないよね?っていう。アメリカのイラク侵攻と変わらんではと。だからそんなに皆さんが今までの自分の研究を卑下することはないよと。
    自由と民主主義側と専制側みたいな分け方が失敗ということや安保理の解体的な変革が必要なのは同感。日本の「法の空白」としての上官責任でなく個人の責任しか問わないことや国外犯規定は憲法云々の前にすぐ取り組むべき重要な指摘だと思う。緩衝国家同士のコアリションも魅力的な話。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/784309

  • 戦争を知らない世代に生まれて、この年齢になって初めて戦争を見た。戦争という現実と向かい合わなければいけないと思いつつ、何とかこの悲劇を突破する方法は無いのかと思う。きっとあると思いたいし、突破しないと人類の未来はない。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 東2法経図・6F開架:319.1A/Y53h//K

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著者プロフィール

1946年東京生まれ。70年東京大学法学部卒業、防衛庁(当時)に入庁。
防衛審議官、防衛庁長官官房長などを経て、2002年防衛研究所所長。
04~09年まで、小泉、安倍、福田、麻生政権で内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)。
現在、NPO法人「国際地政学研究所」理事長。
著書『亡国の安保政策―安倍政権と「積極的平和主義」の罠』『検証 官邸のイラク戦争―元防衛官僚による批判と自省』(以上、岩波書店)『抑止力を問う』(共著、かもがわ出版)ほか

「2014年 『自分で考える集団的自衛権 若者と国家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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