- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087441536
作品紹介・あらすじ
家族とのわだかまりを抱えた中学生の雨音は都会を離れ、愛犬と共に山麓に暮らす伯父のもとへ。犬が与えてくれた生きるヒント。
感想・レビュー・書評
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全てを受け止めてくれる他者がいる尊さ。分かり合うために必要なことと必ずしも分かり合えないこともある現実。大切なことを犬から教わった。ありのままの自分を大切に。そんな強さがあれば。
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父親を亡くし、母親は新しい恋人と暮らし。ひとりになった中学生・雨音。彼女は、大人のエゴ、都会の喧騒から離れ、蓼科高原の伯父の元で暮らし始める。伯父と共に雨音を迎えたのは、“ワルテル”というバーニーズマウンテンドッグ。
隣の別荘の持ち主の息子は、厳格で自己中心的な父親と若い義母との間で葛藤と反抗の高校生。
二人は、自然と登山とワルテルに癒されて、自身の進む道を捜し出していく。
装丁の絵は、彼らとワルテルが一番好きな場所ですね。高い針葉樹に囲まれた森の中の空間。作中何度か登場しますが、森の匂いと湿度が漂います。
メインのストーリーは、ジュブナイル感コバルト感を感じてしまいます。ですが、犬への信頼、彼らからの無償の愛情、そして、誠実に犬を飼うということ、それでも別れがある事、というような、犬と家族であることへの賛美が溢れています。
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あおいさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。
気が付かなかった。ごめんなさい。
そう、この装丁良いですよね。
ブグログの本棚で...あおいさん、こんにちは。
コメントありがとうございました。
気が付かなかった。ごめんなさい。
そう、この装丁良いですよね。
ブグログの本棚でも、輝いています。
また、ご紹介下さい♪2022/06/28 -
うーむ。メール見直して見たけど、コメントのメールきてないと思うのよね。
松子さんのみたいに気づかないで、
トラブルとかあるのかなあ。
まあ、...うーむ。メール見直して見たけど、コメントのメールきてないと思うのよね。
松子さんのみたいに気づかないで、
トラブルとかあるのかなあ。
まあ、無料アプリだしね。
またねー。2022/06/28 -
おびさん、お気になさらず^_^
無料アプリだもんね。
暑い日が続いているので、夏バテ注意ですね。
ではまた。おびさん、お気になさらず^_^
無料アプリだもんね。
暑い日が続いているので、夏バテ注意ですね。
ではまた。2022/06/28
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とても丁寧な小説でした。綺麗な森の空気に、犬。私も飼ってるので気持ちが入りました。ゆっくりとした話も良いですね。
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馳星周『雨降る森の犬』集英社文庫。
信州の自然を舞台に心に傷を持つ女子中学生の成長と自立とそれを見守る犬を描いた、暖かい長編小説。
大人のエゴでいつも傷付くのは子供。それでも子供は自らの意思で道を切り開き、新しい世界に向かい、自分の足で歩き始める。主人公の雨音が初めの頃の弱々しい壊れそうな少女から、終盤で大きく成長したのには驚いたが……
9歳で父親を亡くし、東京で母親と二人暮らしをしていた中学三年生の広末雨音は、新たに恋人と共に渡米した母親を嫌い、信州に暮らす叔父の元に身を寄せる。バーニーズ・マウンテン・ドッグのワルテルと暮らす山岳カメラマンの叔父・乾道夫は付かず離れずの暖かい眼差しで雨音に接する。
やがて、雨音は隣の別荘の高校三年生の正樹と知り合い、少しずつ山の魅力を知り始める。そんな二人の傍らに寄り添うワルテルの姿……
本体価格900円
★★★★★ -
馳星周さんの作品は初めて。
物語の冒頭、舞台は三月下旬の蓼科高原。
数ページ読んだだけで、体がふわっと気温マイナス5度の信州の山に空間移動した感覚を覚えた。
主人公は中学三年の女の子、雨音。
母親との関係に問題を抱え、伯父で山岳写真家の道夫の暮らす立科へやって来た。
そこで道夫と暮らす犬のワルテル、隣の別荘の高校三年の正樹と出会う。
正樹もまた家族との関係に問題を抱えている。
壊れそうな程もがき苦しむ思春期の二人を、大きな愛情で温かく見守るワルテルと道夫。
感情が揺さぶられ、涙が溢れてくる場面が多すぎる。
ワルテルの、見返りを求めない愛情にチカラをもらいながら、二人は強く成長していく。
「動物は今を生きている。
瞬間瞬間をただ、精一杯生きている。
過去に囚われることも、未来を恐れることもない」
こんな言葉が心に刺さった。
号泣必至の作品。-
こんばんは。今、読み終えました。
ずっと、緑と森と草木の息づかいに囲まれた中で読み終えた感じです。
動物好きのくせに、いい歳こいて、触れる...こんばんは。今、読み終えました。
ずっと、緑と森と草木の息づかいに囲まれた中で読み終えた感じです。
動物好きのくせに、いい歳こいて、触れることも飼うこともできない臆病なおっさんなのですが、土曜日の深夜から、「ワルテルへの愛情」を自覚できる、充実した読書時間を過ごすことができました。
動物から学ぶことは本当に多いんだろうな、
触れることも飼うこともできない臆病な僕が、犬に対する愛情を意識できた満ち足りたひとときでした。
ありがとうございました。2022/11/21
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家庭的に問題を抱えている高校生と中学生の2人が、山を愛する男性と愛犬によって心の傷を癒やされていく様が優しく書かれている。
解説者の文中にある短歌
《……海のようなる犬の目に会う》
愛犬家の皆さんは、この本を読んだ時もっともっと感動を覚えるのだろうなと羨ましくなった。 -
自然豊かな信州立科で、まるで森林浴をしているような、そして犬との関わりの温かさ・素晴らしさを感じさせてくれる感動的な小説でした。
主人公は女子中学生:雨音ですが、東京の母の元を離れ、立科で犬・伯父・隣人の男子高校生らと交流を深めることで成長し、真の父・兄を得たような感覚・幸福感をもつに至ります。
しかし、主人公や男子高校生はもちろん、読み手もワルテルという犬の存在から多くを学び、主人公の成長物語と共に相乗効果で物語に濃密さをもたらしてくれている気がします。
犬が「見返りも求めず、ただ寄り添ってくれる」「過去に捉われず、未来の損得・打算も関係なく、今この瞬間を純粋に生きる」ものであることを知り、改めて人間は欲に縛られ、迷い、惑う生き物なのだと教えられているようです。
著者の作品は『少年と犬』以来二作目でしたが、個人的には本作の方がインパクトが強かったです。胸を打つラストを含め、人と犬の関係性の豊かさを、これだけ高らかに謳いあげている作品もなかなかないのでは、と思います。
思いっきりおすすめです! -
とても温かくて、優しくて、最後は涙を流してしまいました。
舞台は、信州、立科。
中学生の雨音。
雨音の伯父、山岳写真家の道夫。
道夫の家の、隣の別荘に出入りする高校生の正樹。
そして、愛犬ワルテル。
ワルテルが可愛いくて、意地らしくて、愛らしい。そして、とっても温かくて賢い。
そんな三人と一匹の家族の物語でした。
ずっと積読状態だったのですが、もっと早く手に取れば良かったと思ったほど、心あたたまる素敵な作品でした。
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惜しみない愛情を与えてくれる犬の姿に感動。
母親嫌いの中学生雨音は、蓼科高原で暮らす山岳写真家の伯父の元で暮らし始める。そこには大型犬(バーニーズ)ワルテルがいた。
霧煙る森の中を悠然と歩くワルテルが幻想的。