名もなき本棚 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087444131

作品紹介・あらすじ

五分後、あなたの日常は非日常になる──。幻想、シュール、不条理、感動……あらゆる三崎ワールドを堪能できる珠玉の掌編集!

感想・レビュー・書評

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  • 三崎亜記感溢れる19編のショートストーリーが、ショートショートの面白さを再認識させてくれます。
    実写ドラマで見てみたいなぁ。

  • 普通じゃないことが普通になっている世界の設定が抜群な三崎作品。自爆する権利が普通にある世界、体の部品を定期的に交換する世界などなど存分に三崎ワールドを堪能出来ます。が、やっぱり長編の方が三崎ワールドの彷徨い甲斐があります。

  • 不思議な気分にさせられる。でも良い感じ。

  • 不条理で不思議な世界。三崎亜紀の作品は久しぶり。短編集。

  • 19の掌編。最後の「The Book Day」には羽ばたく本が登場し、これまでの作品とのつながりを感じさせますが、いつも三崎作品に登場する”この国””この街”は出てきません。しかし、原因と結果がひっくり返ったような不思議な世界、理由も分からない不条理な設定、これぞ三崎ワールドという作品ばかりです。
    帯に”中学・高校の教科書に採用された「私」「ゴール」「公園」も収録”とあります。いくつかの文学賞候補にはなるものの、デビュー作『となり町戦争』の小説すばる新人賞以外に受賞作も無く、さほどポピュラーとも思えない三崎さんの作品が教科書に載るのですね。この不条理な世界に面食らう生徒さんも多いでしょう。いや、むしろ頭の柔らかい若い人向きなのかもしれませんが。
    クレームを回避するために全てが取り払われ、入るのに誓約書が必要になった「公園」の様な風刺的作品も良いけれど、旅人の間で回し読みされる本を描いた「待合室」、亡くなった妻と旅をする「きこえる」、亡くなった人の大切な本を手放す「The Book Day」など、今までにはあまりなかった様な素敵な透明感のある話が印象的でした。

  •  ”近年ますます、日常生活で「自爆」を求められる状況は多様化している”

     そうなのか?と疑問を挟む余地を与えられずにストーリーは進む。
     解説に書かれている作風の説明で「予め疑問が排除されている空気感」とあり、まさにそうだと思う。
     現実に見えるが、明らかに異なる世界が現実として存在するかのように世界観を作り上げる。

     本書はショートショート19編、

     うがいをした拍子で体から部品を失くしてしまった男の違和感を描く「部品」

     政府が確認したために日常で見かけることが多くなった飛行物体をめぐる「確認済飛行物体」

     祖父も父も失踪した原因となる”闇”が、ついに自分の近くで見かける機会が増えた「闇」

     その女性は、二重管理されていて削除されたデータのほうが本当の私だと訴えた「私」

     エレベータを使うのが嫌いな私は、非常階段に本棚があることに気が付いた「名もなき本棚」

     緊急時に自爆に迫られた時の手段である”緊急自爆装置”導入の予算に悩む公務員「緊急自爆装置」

     回収は一週間先の”会社員”が不法投棄され、今週のゴミ置場の当番の主婦は怒りを感じる「回収」

     ほか、全19編

  • ショートだったり、ショートショートだったりからなる一冊。
    ほとんどの作品が、"結局何だったんだろう"という不可思議話の不可思議結末で終わるけど、それで良いというか、そこが良い作品だと思う。
    ピースの又吉さんのYouTubeでやっている、インスタントフィクションであった作品を思い出させる作品があり、もしかしたらこれを見て又吉さんのYouTubeに投稿した?と思ったけど、
    もし違ったとしたら、同じ様な事を考える別人がいることが不可思議話だと思いました( ͡° ͜ʖ ͡°)

  • 数ページで終わる超短編もあるし、ファンタジー、SFとかぬるっとした怖さもある話とか色々。読みやすい。

  • ずいぶん久しぶりに三崎亜記を読んだ。
    記憶通りのテイスト。
    少しずれた日常と、主人公以外の登場人物たちの冷やりとする無関心。
    ほっこりする話もあれば、不条理のまま捨て置かれる話もある。

    こういうのだったなあと懐かしくなった。

  • ありえない事が普通に起こる世界という設定ばかりで星新一みたいだった
    短編も意外と面白いな、と思ったけれど、時々ホラーっぽい話もあって、とりあえず命を大事にして欲しいと思った

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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