文系のための理系読書術 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087456301

作品紹介・あらすじ

宇宙から生命まで、文系(=読書好き、本好き)にとって馴染みは薄いけれど興味はある、理系分野のおすすめ本を齋藤孝が紹介。知的好奇心が刺激される、新しい読書体験をもたらす画期的なガイド本。

感想・レビュー・書評

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  • これ以上ないわかりやすいタイトルである
    理系、理解の勉強(?)がしたいのだが、
    なんせ人生限られた時間しかない
    やたらめったら次から次へ本を読むより、じっくり読書が好みなので本の選別はとても大切
    自分のレベルで理解でき、面白そうな本がないかネットで探していたらこちらにぶち当たった
    もうあまりにもそのまんまタイトルが素直すぎてなんだか逆に避けられない
    (見事な戦略勝ちである) 

    齋藤先生だし、変な間違いもない
    語り口調も親切、レベルに応じて本をご紹介、知識の広さと好奇心豊かさはさすが!
    個人的にはユーモアさやピリッとしたスパイス的なものがあるとなぁ…とわがままに勝手に感じるが…

    前向きで知的好奇心モチベーションUPしてくださるいくつかの感心する内容も…

    なぜ文系の人間にも理系読書をすすめるか…
    【ちょっと抜粋】
    今もっとも知的好奇心を沸き立たせてくれるのは、科学の分野だからです
    もし私たちが19世紀に生きていたら、宇宙論や素粒子論の本を楽しむことなどできなかったでしょう
    特にこの20年くらいで、宇宙の様子とか素粒子の世界のことがどんどんわかってきた
    そんな奇跡のような時代に生きています

    理科系の書物は近年ものすごく発展しています
    宇宙観、生命観、物理観など、科学のあらゆる分野において、2000年前、2500年前には全く存在しなかった認識がどんどん出てきている……

    〜仰るとおり!
    文学の奥深さとは全く違い、近年科学の分野は新しい発見が
    学校で習ったことが違ってきているし、わからなかったことが解明されていく…
    そこを見過ごしていくのはもったいない!
    そのためにも最低限のベース知識を持っておきたいのである

    【理系の中で学べること】
    理科の研究→今まで人が言っていたことを疑い仮説を立てて実証する
    チャレンジ精神と論理学が学べる

    〜研究ってこれに尽きる
    だが普段の我々の生活にも必要
    例えば仕事、知識の習得、趣味の向上…
    考え方を身につけるヒントがたくさんある気がする
    まずは疑問を持って、仮説して、調べて…
    訓練して…何度も何度もその繰り返しだ

    ■生物学
    ミトコンドリアの凄さをさらに後押しされ、発酵と腐敗の違いが気になり、伝染病の歴史は今のコロナ時代に知識として必要と感じ、不安定な健康状態に…と呼吸法が気になり、それに合わせて免疫と脳科学も…
    気になる本もたくさんあった
    身近なのに神秘の分野だ

    ■科学者
    ガリレオの凄さを物語る以下
    右手の中指だけがイタリアのフィレンツェにあるガリレオ博物館に保存されている
    改めてガリレオの発見に脱帽
    進化、DNA、エネルギー、エントロピー、原子、対称性、量子、宇宙論、時空、算術
    うーん…ちんぷんかんぷん(笑)
    理系のノーベル賞受賞者に日本人が多いのも
    誇らしいなぁ
    科学者達の可能と研究成果の書籍も、興味深く感動と感謝に溢れる
    (以前山中先生の本を読んだ時も感動した!)
    良い刺激になる
    研究者の皆さんありがとうございます!

    ■宇宙
    私たちは星の残骸でできている!
    大人になるまでぜんぜんピンとこなかったこのロマンが最近ますます自分の中で盛り上がっている
    宇宙の一部なんだ…なーんて感慨深いのだ
    宇宙は壮大過ぎて未知なる相手
    だけど我々の母なるモノなのだ
    くぅ…ロマンだ
    子供から大人までが夢中になれる宇宙
    はやぶさ2の帰還が楽しみである


    日進月歩の科学
    自分が生きている間にどんな次なる発見があるのか

    何冊か読みたい本をピックアップできたので楽しみだ♪

    • nejidonさん
      ハイジさん、こんにちは(^^♪
      うろ覚えなんですが、湯川秀樹さんの本が入っていませんでしたか?
      あれ、私の座右の書なのです。お薦めですよ...
      ハイジさん、こんにちは(^^♪
      うろ覚えなんですが、湯川秀樹さんの本が入っていませんでしたか?
      あれ、私の座右の書なのです。お薦めですよ!
      そしていつも思うのですが、何故「理系のための文系読書術」というのはないのでしょう?
      文系のひとには理系の本を勧めるけど、その逆はないってことですよね(^^;

      「編集者の仕事」に役に立たない情報を追記しました。
      よろしかったらこっそり見にいらしてくださいね・笑
      2020/05/18
    • ハイジさん
      nejidonさん

      はい!湯川秀樹さん「旅人 ある物理学者の回想」が紹介されていました
      科学研究者としての生き方を旅人に例えている内容で、...
      nejidonさん

      はい!湯川秀樹さん「旅人 ある物理学者の回想」が紹介されていました
      科学研究者としての生き方を旅人に例えている内容で、生き方が素晴らしい方なのですね!
      齋藤先生も戦後復興の象徴と言われていました
      nejidonさんの座右の銘⁉︎
      もうこれは読むしかないです(笑)

      確かに「理系のための文系の読書」は何故ないのでしょうね…
      文系としてはなんだか失礼しちゃうわ!
      なーんて思ってしまいます(笑)
      2020/05/18
  • 自然科学分野の本もバランスよく読みたい、という気持ちを持ってはいるのですが、気付けば自分の本棚は小説やエッセイが多くなりがち。
    そこで、齋藤孝先生が文系の人向けに理系の本を紹介する本書を、読書の幅を広げる足掛かりにしたいなぁと思いながら読みました。

    生物・進化、身体、科学者、数学、化学・物理のジャンルごとに、入門書から少し歯ごたえのある本まで、本文の引用を織り交ぜながら十数冊ずつ紹介してくれます。
    齋藤先生がその本にどれだけわくわくさせてもらったか、その熱が伝わってくるような紹介文でした。
    第6章は理系の本を読んだことをどう活かすか、というアドバイスが書かれています。

    本書で初めて出会った本もたくさんありますが、改めて湯川秀樹さんの『旅人』を再読したくなりました。
    読書記録を遡ってみたら、読んだのは2012年でした…もう10年以上も前!
    今の自分が読んだらどう感じるのか、確かめてみたいです。

  • 正直なところ、自分が理系なのか文系なのかが分からない。
    というかむしろ、理系でも文系でもない気がする。
    数学は好きだけど理科は苦手。国語や英語も好きだけど、得意とは言えない…。
    そんな中途半端などっちつかずの自分が今回気になったのが、本書。どちらにも属さないかもしれないけど、どちらのことも嫌いじゃない、むしろ気になる。ってことで、いそいそと読んでみました。

    そして初っ端からつまづきます。いきなり“ミトコンドリア”を紹介され…。「ミトコンドリアって何だっけ? 聞いたことはあるけど…ミカヅキモの仲間?」なんて思いながら読み進めた自分が恥ずかしいのです。
    でもきちんと、さわりだけ紹介してくれて、ミトコンドリアを扱った書籍と簡単な書籍紹介と著者の一口メモ的な感じで語られます。
    ですが、序盤の生物や身体のことなどは正直流し読み的な感じになってしまいました…。自分が興味無いのか、苦手意識が強いのか。

    でも同じ章にある「なぜ美人が得をするのか」の件は、興味深く読みました。「美人」の定義たるものも、世間でよく言われている「黄金比」とかが関係してくるだろうし、「得をする」ところに焦点を当てれば、心理学や行動経済学などにも通じてくるんだろうなーなどと思いながら読んでいました。

    あと、4章の「数学は人生の役に立つ」も、個人的に気になった項目でした。「直観でわかる数学」や「マンがでわかる微分積分」など、この辺は是非購入しようと思いました。またビジネス数学や統計学も勉強したいと思っている分野なので、「図解雑学 統計解析」や「人口学への招待」も読みたい本の仲間入りです。

    なんだかのめり込んで読んだところとそうでないところの差が激しいですが、著者の斎藤さんも「海鮮丼」方式で良いと仰ってるのだから、それに甘えてみようと思います。

  • 齋藤さんの本は学生のころからお世話になっている。社会人になったからこそ、自由で好きなこと、興味に素直になれるんだなぁと感じながら読んだ本。
    仕事柄、天文とか自然科学とか物理の本を読むことが多く、しかも仕事に反映させなきゃいけないから「もともと文系だし」という言い訳はできないなぁ、と感じていた。
    けれどこの本を読んで、そんなに気負わなくてもいいのかと気付く。
    「広く浅く」「海鮮丼のように」自分の専門外の知識や世界と付き合っていく。確かに楽しい。
    「文系だからって、数字や物理が苦手で済ませていいの?楽しいよ?」と理系の世界に誘われているような感じだった。

    おそろしいくらいテンポよく、様々な理系本が紹介されていく。どっかで息継ぎしながら読まなくてはと思いながら、わーっと読んでしまった。

    「科学者のひらめき」の章では、自分で立てた仮説にボコボコにされる科学者の姿というのを感じた。失敗することも科学だと言っていた上司の言葉が分かったような気がする。
    「数学は人生の役に立つ」では、たぶん人生で初めて数学の本を読んでみようと思った。数学を勉強するのではなく、自分が無意識に使っている数学に気付きたいと思ったから。
    数字の美しさに感動するとか、よりシンプルであればあるほど美しいとか、美術かじってたからわかる!と一瞬思った。でもすぐに分からんなと思った。やっぱ科学者とか変態だと思うもん。数字とか方程式が美しいってわからん。
    けれどその美しさをこれから理解することのできる、興味を持つ自分、嫌いじゃないなと思う。

    「理系読書をどう活かすか」の中で語られた、「無料であることに慣れている。けれど知識って本当はコストも人でもとってもかかるもの。せめて本くらいは買おうよ」(私の要約)は、はっとさせられた。
    図書館で借りて満足しないような、そんな読書していけたらいいなと思った。

  • 文系が敬遠しがちな科学や物理をはじめとした理系本を読むにあたっての心構えや、おすすめ本などが書かれている。
    この本をきっかけに理系本に興味が持てれば、、と思っていたが想像以上に興味のない内容だった(笑)
    しかしホモサピエンスあである人間として生まれたからには常に学び続け、知識を増やしていきたい。
    少しずつでも色々な分野に視野を広げていきたいと思えた。

  • 読書記録です。まだの方には参考になれば。

    「文系の人に理系の本を薦めても手にさえ取らずに敬遠する」そう、それは私です。「でも文系は、文字を読むという素晴らしい能力がある」褒めてくださるんですか?「だから興味がわくような理系の本があれば読めるんですよ!」励まされてるし!
    文字があれば読んでしまうバリバリ文系な私でも、そりゃちょっとムリでしょ?と思ってしまった本もありましたが、そんなに斎藤先生がオススメする本なら読んでみようかな、という本もありました。まずは「ろうそくの科学」かな。予約数がすごいけど。

  • 理系の人を相手に仕事をしている文系の新卒に最適かも。

  • 文系、理系を意識しているのが日本人ぽくってよいですよね。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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