みかづき (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 415
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458060

感想・レビュー・書評

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  • 読み応えたっぷりの 素晴らしい作品だった。

    この本にたっぷり記された 教育にかける思いは
    なにかに夢中になって 世の中をよくしたいと 踏ん張る力の偉大さを 感じさせてもらった。

    人は 常に満ち足りず みかづきのように 満ちることを目指して 憂いたり 悔しんだり しながら 進むのかもしれないな。

    教育が 人を 創る。
    小学生と 中学生の 子育てをさせてもらっているいまだからこそ 胸に刺さる言葉が たくさんあった。
    出会えてよかったな。

    教育は 子どもをコントロールするためにあるんじゃない。非条理に抗う力 たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだ。

    すてきだな。

  • ◯「教育」という茫漠とした宇宙で、月も太陽も見失いかけたとき、常に内側から吾郎を照らしてくれる一点の濁りなき光。(85p)

    ◯「どんな子であれ、親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ」(199p)

    ★めちゃくちゃ良かった。どっしりと読み応えがあった。感動した。

    ★人が物語を求めるのは、他者の人生を擬似体験できるからという。だとしたら本作はうってつけ。なにせ50年にわたって、親子3代の人生をつづる。

    ★子供に自分で考える力、真の教育を与えたい理想と、競合との戦いに勝ち残るため、成績や合格という目に見える成果を求められる現実との間で葛藤する塾経営。その茨の道をパワフルに突き進む大島千明の情熱にワクワクし通しだった。

    ★最後の章は千明がこの世を旅立った後の、孫の一郎の物語。血のつながりのない吾郎と重なって涙が出た。

  • グッときたフレーズ

    「時間をかけて大きな仕事を成すのは、要領よりむしろ粘りに長けたタイプだ」

    「ダーウィンもアインシュタインもメンデレーエフも、けっして頭の回転が速い人たちではなかった。その代わり、ものごとを徹底的に考える人たちだった。」

    「ミチザネズ」


  • 団塊ジュニアは自分の塾もこうだったと思い起こさせます。家族愛を土曜ドラマでなくて朝ドラで映像化して欲しかったですね。

  • 今、当たり前だと思っていることは10年前、20年前の当たり前ではなくて。
    その中で変化に対応できる、自分の頭で考えられるということが本当の知恵なのだと思います。

    子どもを持つ母として、子どもに伝えたい。
    でも、大事なこと程子どもに伝えるのって難しい。
    だからこそ、本を通して伝えられる様に、素敵な本と出会わせたいなと思う。
    若い頃に読むのと今読むのと、感じ方も違うよなぁとも思うけど。

  • 昭和~平成にかけての日本の塾業界をテーマに、三世代の教育分野で生き抜く家族を描いた作品。話題作に上がることも多く読み応えがあった。

    日本の教育の歴史も勉強になり、何より子供たちへ学びを教えるということ、吾郎先生の人間性に触れて心が熱くなった。
    家族それぞれのの人生を読んでいくうちに、人間の成長、変化をしみじみと噛みしめ、思わず涙してしまったシーンも中盤~後半にちらほら。
    序盤の千秋は正直苦手だったけど、後半になるにつれ、女性として、教育者として、そして母としての人生が深く染み入ってきて感慨深い。おすすめ。

  • それぞれの登場人物がそれぞれの信念を持って、やるべき事を全うしようとする姿には胸を打たれた。信念って周りの人から影響を受けて育っていくものなんだろうな。

    「どんな子であれ、親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生を持って教えるだけ」頼子さんの言葉を大事にしたい。

  • 自分が当たり前のように受けてきた教育の見えざる部分の背景を見た気がした。学校の勉強は嫌だったし塾も嫌だったし先生はずっと授業(勉強)してる職業なんて絶対になりたくないって思っていた。
    ずっとずっと昔を思い出すとそういえば小学校に謎の部屋があって謎の先生がいたな…あれなんの先生だったのかな〜って今みかづきを読んでふと思い出したけどすごく好かれてる先生だった。
    そういう先生も色んな葛藤があったり色んな人生があったのかなと思うと無性に会いたくなっときた。
    なりたい職業を夢に見るときはほとんどいい部分ををみてなりたい!と心に決めるけどこの仕事は
    子供を相手にした職業なはずなのに自分ではどうにもできない大きな大きな敵のようなものに必ずぶつかるんだろうなって思った。終わりのない仕事は、きついよなー「常に何かが欠けている三日月。欠けている自覚があればこそ、人は満ちようと研鑽を積むのかもしれない」そうやって邁進していくことこそが満ちてる時なんでは、ないのかなと感じた。

    最後の「私もちょうどあなたをみて、誰かに似ているとおもったところですよ」
    ふふってなってしまった( ´∀`)

  • ■熱い気持ち。
    ■子供には自分で考える力を。
    ■しっかりした女性は良いが、
    しっかりしすぎてしまうと...
    孤独を感じてしまうことも。

    教育について勉強になったし、
    三姉妹の性格の違いがうまく描かれていて
    面白かった!

    私も学生時代やってた塾講師、
    またやりたくなりました( ¨̮ )

  • 面白い!読み応えあるし教育に対しての情熱というか、なんか参考になる…

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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