困った死体 (集英社文庫)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458275

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  • ありえない状況での困った死体だらけ

    断食中に食中毒死
    停電の夜に感電死
    真夏の林に凍死体
    砂漠の真ん中に溺死体

    こんな死体の謎を解くという、導入部分のわくわく具合が素敵

    浅暮先生のとぼけた味わいで描かれた気軽に読める一冊で、面白いネタから正直これは……というネタまで揃っていますが、そこはご愛敬(笑

  • 捜査が行き詰まると暴走する刑事、ダジャレで現場を混乱させる鑑識職員、優秀で圧倒的な美貌を誇る女王様気質の監察医の3人は、「サーカス」と呼ばれている変死体事件ばかりを追う特殊捜査班。ありえない死を遂げた「困った死体」の究明に個性豊かな面々が奔走する!


    なかなか面白かった。断食中に食中毒で死んだ人、停電中の感電死、真夏の雑木林で見つかった凍死死体、砂漠のど真ん中で見つかった溺死死体などなど無理なことばかり起こる。そして、本当に個性豊かな面々ばかりだった。


    そして、いつも死ぬのは「前田五郎」という男。よくある名前だしなぁとは思ったが、解説で関西では有名な?コメディアンだった方の名前らしい。すごいな。しかし、いつも殺されるのは前田五郎でその近くには森田という老人。もう某少年探偵みたいに、事件に影にはやっぱりあの老人!みたいなかんじだった。


    これって続編もあるのかな?少しそんな気にさせるお話だった。


    2022.3.26 読了

  • ありえない状況で発見された死体の謎を解く連作ミステリ短編集。かなりアクの強い捜査メンバーといい、とんでもなくありえなさすぎる状況といい、イロモノ感満点だなあ、と思いましたが。ミステリとしてはしごくまっとうでした(とはいえ、まだ明かされないであろう大きくて奇妙な謎があるといえばある……!?)。ユーモラスな読み心地も楽しい作品です。
    お気に入りは「砂漠の釣り人」。犯人もびっくり! なトリックに思わずこっちも笑ってしまいましたよ。何それ。そしてよりによって生まれてしまったこの状況。ほぼギャグですが。手掛かりが着々と積み上げられていくのは堅実かな。

  •  停電中の感電死、熱帯夜の凍死。普通なら考えられないような状況に置かれた変死体を専門に扱う「サーカス」と呼ばれる特殊班の活躍を描いた4編収録の短編集。
     死体の設定もさることながら、登場人物達も個性的な面々が出そろい、ふざけた会話がやり取りされている。ただし、トリックは意外とまじめ。突拍子もないところからいきなり事件が解決するのではなく、文中にも事件解決に向けたヒントが書かれているため、推理しながら読み進めることはできる。ただ、ふざけすぎる設定の陰に霞んでしまうのが難点。

  • 砂漠で溺死などの奇妙な変死体ばかりを扱うチーム。しかも被害者の名前はいつも同じなのに、そこには特に裏はないっていう深読み不要なミステリーだった。

  • ありえない状況下での変死事件ばかりを扱う特別チームの推理。連作短編。このカバー絵とは裏腹に(失礼)本格ミステリ。

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著者プロフィール

1959年兵庫県生まれ。関西大学卒業後、コピーライターを経て、98年『ダブ(エ)ストン街道』で第8回メフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『石の中の蜘蛛』で第56回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。

「2022年 『我が尻よ、高らかに謳え、愛の唄を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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