海より深く (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 75
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087458374

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  • 迷子の少年の家族を追うお話
    主人公の真志歩はアルバイト先のカレー屋の前の
    少年に気づき保護、そして
    カレー屋の面々が調べ始めたらいろんなことが
    わかってきて・・・読みながら登場人物たちと同じ
    ようにそうだったのかとかそういうことかとかを
    感じることができました

  • 帯の「心温まるミステリー」に少し疑問
    登場人物みんな、完璧じゃないところがいい

  • 保護者とはぐれた少年を家に泊めてやり、保護者をさがすうち事件に巻き込まれるお話。私だったら少年がかわいそうでも警察や児童相談所などの行政にまかせてしまうだろうなあと思った。矢口さんの小説は「家族のつながり」のようなテーマが多いように感じる。殺伐とした世の中だからこそ、うっとうしいぐらいの家族愛(またはそれに近い愛情)が逆に新鮮で、求められているのかなあ、と思った。

  • 身元不明の少年の保護者を探して、カレー屋のアルバイト学生である主人公、店主姉妹、その友人の男性が奮闘する話。
    登場人物それぞれが家族にかかわる問題を抱えている。

    文章で時々読みにくいところがあった。p171以降、真奈美の母親が登場する場面。同じ人物が「女性」「母親とおぼしき女性」「母親」と色々な呼び方。意識を失っている人物が真奈美であることは台詞の中だけで示されるので、たとえばp175「恐る恐る女性に声をかけた」の女性が誰をさすのか混乱した。さらにp230の病院の場面では、同じ人物の姓が会話中で示され、その後は文中の呼称も「安井」になるのだが、これも頭がすぐ切り替えできなかった。主人公にとってよく知らない人物である以上仕方ないとは言え、ぼーっと読んでいたからだろうか。
    また明が時々耳が聴こえなくなるという設定も、「で、今はどちら?」と時々気になった。特に当人に聞かせたくない話をしている場面では、何がきっかけで聴力が戻るか分からないと思うと読んでいる方が落ち着かない。
    ラスト近く、主人公の進路で司書の話が出てくる。
    「本当にこのまま地元に帰って司書になっていいのだろうか。(中略)母親や祖父が、地元に帰ってきなさい、司書の仕事を用意しておいてあげるよ、そう言ったから、こちらで就職活動もせず帰ることに決めた。その司書の職場というのは、祖父の会社が作った五稜郭戦争にかんする資料館の中にある図書コーナーでしかない。図書費はふんだんに用意するから地元民も観光客も来たがる図書コーナーにするように、と言われているけれども。(p305)」
    ストーリー上仕方ないのだが、お仕着せのつまらない進路という扱いになっているのは個人的には少し寂しい話。

  • 大学4年生の真志歩は、母親との関係をこじらせて、冬休みに帰省しなかった。元日からカレー屋のアルバイトに行き、店の前で迷子の少年を見つける。耳が聞こえないらしい少年が心配で、カレー屋の店長たちと保護者探しに乗り出すが…。身体に虐待を疑う痕跡を持つ少年を巡る事件が、それぞれの家族の深い闇を抉り出していく。家族のあり方と命の希望を描く心温まるミステリー。

  • 365日営業しているカレー屋でアルバイトをしている真志歩。
    正月にカレー屋で働いていると、真冬の店先にずっと佇んでいる少年を見つける。耳が聞こえず、迷子らしい。
    カレー屋の店主たちと保護者探しを始めるが…。

    祖父が高齢ながら再婚した真志歩の実家の家族の関係。
    父親が災害で行方不明になったままのカレー屋店主たち家族の関係。
    「天涯孤独」と自らを語る、カレー屋店主の友人の家族の関係。
    そして、保護した少年の家族の関係。

    少年の保護者探しと、それぞれの家族関係のあれこれを淡々と描いている。
    「あなたは、この家族をどう思いますか?」
    そう尋ねられているような。

    「家族」というキーワードを理解したくて、時々こういう本を手に取るけれど、やっぱりピンとこない。

  • 大学卒業を控えているが、家族に問題がある真志歩は、うっかりバイトを始めた。
    そこで知り合った人とのミステリー。
    悲しいお話の中、真志歩には新たな出会いも。

  • なんの意外性も感動もない話だった。

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