ムボガ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.44
  • (2)
  • (16)
  • (15)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 97
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463552

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 親父バンドを通しての在日外国人問題ですかね。
    何をどう伝えたいのかが自分にはわからないです。
    ラストもハッピーエンドかなと考えさせられます。
    中途半端にリアルです。
    登場人物に悪い人がいないのが良いですね

  • 茨城県の街で、サラリーマンをやりながら夏祭などでオリジナルのファンクを演奏するおやじバンド、コレステローラーズ。ある夏祭で演奏したとき、珍しく熱心に聴いてくれる黒人男性がいた。彼の名前がムボガ。ムボガにライブの演奏テープを渡すと、ムボガの故郷のトポフィからコレステローラーズの招待が届き、トポフィではスター扱いに。しかし日本へ帰国すると、様相は変わっていた…。

    おやじバンドが、変な外人ムボガの天真爛漫さに振り回され、紆余曲折を経て成功する、そういう話だと思って読み始めるが、そうは問屋が卸さない。なにしろ、早々にムボガが行方不明になってしまうのである。

    その背景にあるのは、日本人の外国人労働者に対する無理解と差別意識にある、というのが本作の多くのところを占めている。

    扶美夫らの方はと言うと、サラリーマンを辞め、家族の崩壊の危機を迎えるというそれぞれのドラマに直面する。

    この作家ははじめて読んだのかも。その中でもふとバンドものという点で手にとった作品であったため、やや採点は甘め。

    しかし、バンドの演奏シーンがほぼ無いのが玉に瑕である。

  • おやじバンドの奮闘記。

    地元で細々と活動していた、おやじバンド「コレステロラーズ」が、出会ったトポフィー人のムボガの仲介で、アフリカのトポフィー共和国で行われる音楽フェスに出ることになり、熱狂的な歓迎を受ける。

    帰国後、自分たちのバンドの可能性に舞い上がったメンバーは、メジャーデビューを夢見て上京したが、マネージャーに騙されてしまう。

    しかし日本人初のファンの高森しおりをマネージャーに据え、外国人に受ける音楽性を前面に再起を図る。

    だが、外国人を集めようとすると外国人労働者の差別問題に向きう合うことになり、衝突やマスコミからの攻撃をうけてしまう。

    メンバーの家族との確執と、ムボガの国の問題がリンクし、外国人労働者問題にメスを入れる。


    リアルな問題提議で為になりました。

  • 原宏一 著「ムボガ」、2008.9文庫。解説の高野秀行氏によると「設定は突拍子もないのに、物語はとてもリアル。泣く子と面白い本には勝てない」とのことでしたw。中年4人のバンド「コレステローラーズ」、アフリカで馬鹿受けした勢いで東京進出を目指すも~~~。涙と笑い、そして感動の物語です。

  • アフリカでメガヒットした中年バンド。面白そうなキャッチ。でも意外と中身は社会派。

    ラストのご都合主義には少し引いてしまった。。。。

    外国人労働者もつらいよ。

  • おやじの青春ロックかと思い読み始めたがいつの間にか核は外国人労働者問題に。
    テーマとしては非常におもしろかったが終焉がきれいにさせすぎていて微妙。

  • オヤジバンドの「コレステローラーズ」は黒人の友人ムボガの国に招待され、凱旋コンサートは大盛況。しかし日本に戻ってきても、世間は何も関心を示してくれない。オヤジたちは一旗揚げようと東京へ乗り込むが・・・

  • テーマが結構重かった。内容はよい。

  • 題名の奇妙さに釣られて買った本です。
    小説の出来として良いか悪いかを言えば悪いです。登場人物のキャラクターは曖昧だし、文体に見るべきものも無いし、ストーリーは無茶/無理だし、でもそこに目をつぶれば(って、ほとんど目が開いてない状態になっちゃいますが)なかなか面白い。
    つまり「悪い」けど「好き」な小説です。

    コレステローラーズなるメジャーデビューを狙う中年バンドと、ムボガという名の虐げられた外国人労働者(アフリカ人)の物語。
    人権を無視した外国人労働者への扱いなど、時事ネタ的ヒューマニズムは浅すぎて、心を打つほどのものではないけれど、どこか爽やかな話でした。
    っま、人には薦められませんが。

  • 読了/2009年6月

  • <DIV style="background-color : white ;color :black ;padding : 8px 8px; border : 1px inset #ddd; margin : 0px 5px;">バンドで一旗あげる話が、いつのまにか外国人労働者の権利問題に。不法滞在などと無権利状態にしながら日本は彼らの労働力なくしては成り立たないではないか、と矛盾した対応に憤る。物語では外国人労働者にゼネストを呼びかける場面があるが、このような「スト」はストライキとは言わない。果たせなかった夢や実家の後継などまさに中年的である。</DIV>
    <h5>出版社 / 著者からの内容紹介</h5>
    北関東の田舎町でくすぶっていた中年アマチュアバンド「コレステローラーズ」。メジャーデビューを夢みていても全然ぱっとしない。ところがムボガという外国人労働者がライブ音源を母国に送ったことから奇跡が起きた。なんとそのアフリカの小国では彼等の曲がメガヒット。気をよくしたコレステローラーズは日本でもメジャー進出すべく、東京をめざすのだが…。奇想天外な中年青春小説。

  • んー。
    主人公の親との確執が何となく自分に重ね合わせてしまい、
    それでいてストーリーの中ではハッピーエンドになっているもののその成り行きがあまりにも都合よい感じがして、、、
    なんだか苦いものが込上げてくるのであった。

  • 08.10.08〜08.10.10読了

全14件中 1 - 14件を表示

著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒。97年に作家デビュー。2007年『床下仙人』が第1回啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれるなどベストセラーに。他の著書に「佳代のキッチン」シリーズ、『天下り酒場』『ダイナマイト・ツアーズ』『東京箱庭鉄道』『ねじれびと』(以上、祥伝社文庫)、「ヤッさん」シリーズなど多数。最新作は『間借り鮨まさよ』。

「2023年 『うたかた姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

原宏一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×