- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087464672
感想・レビュー・書評
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著者が50代に夫婦でイスラムの国々を旅行した紀行文。著者は3回のインド旅行後トルコに行った際、すっかりイスラム世界にはまってしまい、その後ウズベキスタン、イラン、レバノン、シリア、ヨルダン、チュニジア、モロッコ、エジプト、スペイン、イエメンと各国を訪れた。
私自身、卒業旅行でトルコに行き、歴史・文化の厚みと、なによりもイスラム建築の幾何学的な洗練された美しさに圧倒された。本を手にした時、その時のことが思い出されたので他の国々はどうなのだろうと思い読むことにした。
読んでみると、やはり国によって色々と違うところがあり(お酒が飲める飲めないとか、人々の感じとか)、その違いがまた魅力的だった。今では大変なことになってしまっているシリアなど、当時は行けたのか!という驚きとともに、貴重な遺産が今となっては破壊されてしまって残念だと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
建築家 スィナン
ズーク湖 -
巨大なモスク、そびえるミナレット(塔)、野菜が中心で美味な料理、所構わず大声でケンカするが親しみやすい人々。初めて訪ねたトルコでイスラム世界にどっぷりはまった著者夫婦は、イスラムの国々をとことん見ることを決意する。有名なエジプトやモロッコはもちろん、イラン、ウズベキスタン、そしてイエメンまで。宗教の陰に隠れた、人々の本当の暮らしとは!?中高年夫婦で行く旅のコツも満載。
目次
序の章 インド―イスラムの幻影
第1章 トルコ―文明の十字路
第2章 ウズベキスタン―内陸シルクロードの旅
第3章 イラン―ペルシアの残像
第4章 レバノン、シリア、ヨルダン―三つの宗教のふるさと
第5章 チュニジア―カルタゴとサハラ砂漠
第6章 東トルコ―聖書と民族問題
第7章 モロッコ―迷路の国
第8章 エジプト―ナイル川にアザーン
第9章 スペイン―太陽の国のレコンキスタ
追補の章 イエメン―摩天楼都市の国
著者等紹介
清水義範[シミズヨシノリ]
1947年10月28日名古屋市生まれ。愛知教育大学卒業。81年『昭和御前試合』でデビュー。88年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。奇抜な発想とユーモアを駆使した作品を次々と発表。著作多数 -
ここ10年くらい、清水さんの書く小説なりエッセイなりを読んで来た人にはおなじみのイスラム世界からとらえた旅行記。
それぞれの国の素朴なところを楽しみつつ、毎回「酒が飲めるか」を心配している様子のギャップが面白い。
エジプトの国土利用率が5.5%程度、とゆー話はちょっと驚いたのと、なぜ「イスラムの国々」にスペインが入っているのか世界史に疎い自分には意外だった。 -
20180404読了
2009年発行。40代で初めての海外旅行としてインドへ行き、イスラム世界に魅せられたとのこと。インドへは初回の1988年から、1989年、1995年と続けて3回も訪問し、1996年以降は50代の10年間をかけてイスラム諸国へと夫婦二人旅を重ねている。トルコ、ウズベキスタン、イラン、レバノン、シリア、ヨルダン、チュニジア、東トルコ、モロッコ、エジプト、スペイン、イエメン。今となっては政情不安で渡航を躊躇する国も含まれる。●イスラム教や、その文化、生活のことをほとんど知らないというのは、世界史の半分しか知らないということらしい。この本を読みながら、へえぇイスラム文化ってそうなんだと発見がたくさんあった。植民地主義で海を渡ってきた欧米列強はキリスト教圏だから、それらの国と互角に渡り合おうとしてきた日本はキリスト教圏の文化の影響がとても強いのだろう。イスラム教圏から世界を見てみるのもおもしろそう。
20180102蔵書 -
五十代の十年間をかけてイスラムの諸国を東から西へと巡る。ウズベキスタン、イラン、トルコ、シリア、ヨルダン、レバノン、イエメン、エジプト、チュニジア、モロッコ、スペイン。多くの国がヨーロッパ経由で行かなければならないが、著者はヨーロッパには目もくれない。見向きもしない理由は400ページの中にぎっしり詰まっている。ほとんど関心のない知らない国ばかりでネットの地図と見比べながらの読書。各国の簡単な歴史や設立背景旅行記でありながら随所に至言といってよい人生訓がちりばめられており、ハッとさせられた。それが寧ろ良かったのか、読了後はイスラム諸国を深くしることができ大いに魅了された。
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表紙につられて楽しい話を期待していたので、難しく感じた。びっくりしたのは、著者がシリアに普通に行ったとう事。ISに破壊される以前の遺跡を観れたのは貴重な旅だったと思う。
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テーマを決めて、世界を旅することの面白さ。
インドへの旅をきっかけに、イスラムの国々を回ろうとする筆者。トルコ、ウズベキスタン、イラン、レバノン、シリア、ヨルダン、チュニジア、東トルコ、モロッコ、エジプト、スペインときて、イエメン。世界史で学ぶだけではわからなかった、それぞれの国の姿。一口にイスラムの国々と言っても、宗教に対する態度はそれぞれ。情勢が変わって、きっとここに描かれた姿は、もう見られないかな、と思う国も。 -
著者が夫婦でイスラム諸国を10年かけて旅行した、その紀行文。旅行した本人はイスラム世界の文化、特に建築物に感動しているようだか、画像が非常に少ないためか十分にイメージできず、な残念。所々に歴史的背景が語られているが、こちらをもっと充実して欲しかったなあ。スペインでイスラム世界とキリスト教国の違いを感じたくだりはなるほど、という感じ。イスラム世界では戒律が厳しくて自由が抑圧されているため犯罪も少ない、ということだろうか。
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別に「夫婦」で行こうと思って手に取ったわけではないのですが…でもその設定が面白いなと思い、読み始めました。
訪れるところの動機、些細な出来事、食べたモノ、出会った人々などの描写がとても親しみやすく、またところどころに詳細な地理歴史知識を織り交ぜてくれるため、「あーわからない…知らない…」と戸惑うことなく読み進めることができます。
そして、こんな旅行ができなくても、こんな夫婦もいいものだ、と最後には思わされるのです。