- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087472226
作品紹介・あらすじ
カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。
感想・レビュー・書評
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夢枕獏さんといえば陰陽師。幻想的な昔語りのスペシャリスト、だとばかり思っていたら全くのお門違い。
ゴリゴリに現実的で、瑞々しい山岳エンタメだった。
ヒマラヤを取り囲むチベット・ネパールという異国情緒も生々しく映る。これはハマらないでいられない。
山登りといえば、ゴルフや釣りと並んで三大老後の楽しみと勝手に決めつけている。お金も時間もかかる。やりきるなら3つからどれか1つを選択しなければならない。
体力的に最もハードルの高いのが登山だろう。40代でまだ味見すらできていない。華々しいプロの世界もないから露出もない。自分から手を出さなければ、一生味わえない世界。
最高峰に挑むこの作品で、少しでも気分を味わいたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
羽生丈二。なんと不器用で、魅力的な男だろう。 なぜ山に登るのか?という問いにマロリーは「そこに山があるから」と答えたという有名な言葉があるが、「ここに俺がいるからだ」という羽生。
誰もなし得ていないエベレスト登山に己の全てを注ぎ込む人生。少年から青年になり、年齢を重ねると共に社会に適合するようになっていく周囲の人々とは異なり、常に山だけを見据える。
決してスマートな生き方ではないのに、小説の中の深町のようにいつのまにか引き込まれていく。
酸素の薄い地点で高山病に苦しみ、意識が朦朧とする中で、とりとめもない考えががぐるぐる回る様子に、エベレスト登山のリアルさ、怖さを文字から感じた。
なぜ山に登るのか?というのは、なぜ生きるのか?と同じだと言う。読みながら、自分にとっての目指すべき山嶺とは何だろうと考えていた。
(補足)映像化もされているが、原作を読む方が断然オススメ。
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この本を買ったのは随分前で、有名な作品だし、読んだら面白いのはわかってたけど、分厚い上下巻でなかなか手を出せずにいた。
けど、読み始めたら止まらない!面白い!
登山のことはよくわからないし、エヴェレストのこともよく知らない。
そして、なぜそこまでして登山家は取り憑かれたようにして山頂を目指すのか、ほんとによくわからないけど、読んでて引き込まれた。
ミステリー要素も多分にあって、これからどうなるのか、下巻が楽しみ! -
きしよ
きしよう -
おもしろい〜!上巻の前半がたまらないっ。下巻、またあの感じに戻ってほしい。ネパール行きたい。
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大好きな本
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面白い。
人は何故山に登るのか! -
下巻へ
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なるほど山に登りたくなる本。
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★評価は読了後に。
最近フランスでアニメ映画化された(?)らしいような話を聞き、手に取ってみました。思った以上に重厚さがありますが、一つだけ言えば、描く世界、というか設定・人物描写が狭いものになっているのかな?と。要は大風呂敷広げたエンターテイメントではなく、焦点を絞った日本の小説だなと感じます。
ただなかなか面白いのは疑いなく、次、楽しみに進みます。