プリズンホテル 4 春 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087473780

作品紹介・あらすじ

義母の富江は心の底から喜んだ。孝之介が文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったというのだ。これでもう思い残すことはない…。忽然と姿を消した富江。その行方を気に病みながらも、孝之介たちは選考結果を待つべく「プリズンホテル」へ。果たして結果はいかに?懲役五十二年の老博徒や演劇母娘など、珍客揃いの温泉宿で、またしても巻き起こる大騒動。笑って泣ける感動の大団円。

感想・レビュー・書評

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  • 2024.3.16
    出会いと別れ、周りの人達からもらって次に繋がるバトン。そしてドギツイ冗談。
    大いに笑い泣けるこの振り幅よ。
    あえいうえおあおかけきくけこかこ

  • や〜、賭博のところでは笑わせてもらったw
    人それぞれだけど私はこの春の巻が一番好きだなぁ面白かったぁ。
    さすがです浅田次郎先生。

  • 読み終えてしまった。プリズンホテルに泊まりたい。
    板長とシェフのご飯で思わず笑ってしまいたい。花沢支配人のプロフェッショナルな接客を受けたい。
    ミカちゃんの絵を見たい。富江さんには回復してほしい。アニタとしゃべりたい。湯に浸かりたい。
    忘れた頃にまた読みたい。

  • 主人公「僕」のDVの違和感。

    「人を思いやること」は 
    体験のないものにとっては
    理解することも、その大切さを想像することもできないのかもしれない。

    私たちにとって当たり前の人との関わり方。

    主人公「僕」のDVは
    彼の環境から得た成長の果てだったと思った時
    単なるめめしい被害者意識だと
    自分も、主人公を、自分の価値観に落とし込んで
    随分と見下していたことに気がついた。

    他人を尊重することは、案外と難しいことなのかもしれない。

    清子さんの純真さ、富江さんの温かさ。
    おそろしく時間はかかったけれどなんとか届いて良かった。

    はちゃめちゃな展開のあちらこちらに
    グッとくる言葉がきらきらと散りばめられていて
    昭和の匂いも満開にプリズンホテル、
    楽しませていただきました。

  • ハチャメチャにおもしろいとのことだったので『農協月へ行く』的なものかと勝手に思っていたら、そこまでハチャメチャじゃなかった
    それほどでもないハチャメチャ度は巻が進につれ、さらに弱まっていく
    全体的にハッピーエンドで終わらせるから、この作家は安心感を与えるのでしょうね

  • 1巻目の夏編の読み始め直後、「あれっ、これって浅田さんの本・・・?」と著者名を確認したほど、これまで抱いていた浅田さんの印象とかけ離れた小説だった。 浅田さんもこんなユーモアたっぷりの作品を書かれるんだ・・・。しかし、やはりただ笑えれだけのユーモア小説ではなかった。 任侠とくれば人情で、人情話といえばやっぱり浅田さんだね。 「男はやさしいだけじゃいけねえ。強くって、やさしくって、辛抱のきくてえのが、本物の男なんだぜ。」という仲蔵親分の言葉が胸に沁みる。(o^^o)v

  • 泣いた。
    冒頭から、漂う幸せの予感。
    その通りに物語りは進むのだけれど、先が読めてしまってつまらないとのがっかり感はない。むしろ必然。
    原田のような警官が本当にいて欲しい。

  • 913
    2022年度図書室だより 学生おすすめ本

  • むちゃくちゃ面白いゲームが終わってしまった感じ。

    これはまた読み直そう。

  • これぞ浅田次郎

  • この作品が初期からのシリーズとは知らなかった。わざとこれだけクサく仕上げるのも腕前のひとつかと感じた。

  • 何度も読みたくなる中毒性はなんだろう

  • 極道小説なのに悪者が1人も見当たらない。
    極道社会の兄弟、家族という繋がりを、宿泊者は疑似体験する。
    そこでは各々が抱えていたしがらみが、自然と(強引に?)解けていく。
    かなり泣けます。

  • 大団円。
    ここまで一気に読んでしまった。
    一人一人のキャラクターがなんとも人間臭く、温かい。

  • シリーズ最終巻。52年間も刑務所生活の弥一か、大博打の末、恩返しをする。結果の記載はないが、想像はつく。長年の母富江の失踪もあったが、入院していたとは。最後にふさわしい結末、極道の黄昏の文学賞受賞。節目節目で感動があり最終巻にふさわしかった。

  • 良い小説だった!
    登場人物全員に情が湧いてしまう〜!
    章によって視点の変わる小説は、大体誰かの目線を贔屓に思ってしまうことが多いのだけど、誰目線でもほっとするし変わらず楽しい。
    一巻よりもキャラが立っているのもあり、ドタバタギャグ要素も際立ってとてもよかった!
    また読みたいな〜!

  • 大人の素敵なおふざけ、終了。みかちゃん、しあわせになってね。

  • 3巻で幸せな家庭を手に入れた主人公・木戸孝之介のもとに小説家最大の名誉とされる文学賞に二作品がノミネートされるという知らせが入る。幸福な瞬間を手に入れると同時に、育ての親でありこれまでは「グズでノロマでブス」と罵ってきた富江が姿をくらませてしまう。

    物語の中で、主人公が抱えていた心の突っかかりが解消されていき、素直になっていく過程が丁寧に描かれていた。その裏には、伝説の博徒と冴えない社長の任侠あふれる話や舞台を目指す訳あり親子をめぐる物語があり、どの人物も個性的で読みごたえがあった。

    夏から始まったプリズンホテルは筆者の最初期の作品として知られている。しかし、春・本書は「蒼穹の昴」や「鉄道員」の時期とも重複しており、筆者の洗練がよくわかる作品となっており、そういった意味でも楽しめた。

  • プリズンホテルがついに終わってしまった。最後の最後で木戸先生のキャラ崩壊の謎(笑)
    でも、全四冊通じてほんとに素晴らしかった。ほんま全員かっこええわ。富江の件はやっぱ死んでもたんかな・・・それで憑き物がおちての先生のキャラ崩壊?しかし、親分とその周りはみんな、粋だなー

  • プリズンホテル完結編。問答無用に面白い。

    ちょっと冬で一休み?したかなと思ってたらやっぱ最後はプリズンホテルワールドが全開でしたね。

    どうやって終わるか心配してた主人公。
    予想以上に綺麗に終わりました。自分の止まっていた時計がようやく動き出したようです。よかったよかった。

    夏、秋、冬と読んできて、最後は全作が走馬灯のように駆け巡りながら、それでも春のストーリーがもすごく内容が濃く、且つスピードのある展開で、読んでて結構忙しかったです。それでもものすごく良い忙しさ。

    シリーズものはあんまり好きではないんですが、読み終えるのがすごく寂しかったです。

    また本作の個性的な登場人物一人一人に必ず会いたいと思います。
    全員が全員(女性もいるけど)漢である悲しくも、暖かい物語。

  • 今回は、いい話だったなあ。
    しみじみと、そう思わせてくれる。これ迄通りのドタバタなのだが、何処かに哀愁と懐かしさを覚える静けさの中で物語が進む。
    ラスト、残りの紙幅でどう納得のいく終わり方をするのかと、ややハラハラしながら読んでいたが、物語のクライマックスは、突如、鋭い鋭角でもたらされた。素晴らしい大団円。非常に納得のゆく、美しい終わり方であった。
    主人公がずっと抱えていた毒。語れなかった、自認すら出来なかった感情。それらに気づき、吐露できたことで、生まれ変わっていく。
    大いなる再生と救済の物語。

  • 210809*読了

    ついに最終巻。
    終わってほしくなかった、でも読まずにはいられなかった。

    大団円にふさわしい人達がホテルに集まって、繰り広げるてんやわんや。
    木戸孝之介先生の子どもの心と不器用さを、みんなが愛している。その様子が感じられ、よかった。

    桜が咲きほころぶ空の下、それぞれの想いが浮かんでいく…。
    出会いと別れ、別れといっても前に進むための変化。

    小説は4巻で終わってしまうけれど、プリズンホテルは永遠に在り続ける。
    いつまでも、わちゃわちゃと騒がしく、愛や人情にあふれながら、みんなが走り回っているのでしょう。

    浅田次郎先生とこの小説をおすすめしてくれたお友達に感謝です。

  • シリーズ最終巻。宿泊客とホテルの出会いを描くという点ではオムニバス形式でシリーズを続けられそうなものであるが、良くも悪くも小説家の物語であった。小説家の物語に区切りがつけば完結する。

    正直なところ、小説家の乱暴さは好きではなかった。むしろ他の宿泊客やホテル従業員の話に魅力を感じた。この点でもオムニバス形式でシリーズを続けて欲しいという感覚になる。『プリズンホテル 4 春』でも魅力的な新キャラクターが登場する。懲役明けのヤクザである。朝鮮人をいじめることに腹を立てて、憲兵を殺害したという義侠心あふれる人物である。

    小説家の乱暴さも最後になって物語演出として納得できるものになった。小説家は、周囲の誰もが笑顔になる選択を拒否する。このような場合、集団主義的な日本社会は「お前ひとりが我慢すれば世の中丸く収まる」と無理やりに押し込めてしまう。個人の思いを無視して、目の前の問題を解決すること、世の中が動いていくことを優先する。そこに抵抗するためには、あれくらいの偏屈な小説家である必要があった。

  • ついに、シリーズ完結。
    楽しい旅ほど終わりに近づくと
    さみしい気持ちになる…。
    この小説もまったく同じ。
    こんなに笑えて、
    こんなに目頭が熱くなり
    そして、大団円を迎えた喪失感…。
    何とも罪作りなものだ。
    みんなカッコイイ!
    みんな大好きだ!

  • この物語が終わってしまうのが寂しくて、
    先に先に延ばしてた最終巻。
    木戸先生の印象が、夏の時と全然違った(最初はただのクソヤロウ)
    あー面白かった。
    また最初から読み直そう。

  • 木戸孝之介はクソ野郎だったな。

  • 完結。
    終わってしまったな。

  • あー読み終わってしまった泣
    楽しかったプリズンホテルの日々。

    もう…
    支配人や孝之介やお清やミカや黒田にも、板長、服部、仲蔵親分、大曽根 アニタ ゴンちゃん…
    もう皆んなに会えないんだなぁ

    寂しい…。

  • 幼少期のことが原因で歪んだ性格に育ってしまった主人公が、最後に全てを受け入れて大人へと成長していく姿がよかったです。

  • プリズンホテルシリーズ最終巻です。

    私の願い通り最後はみ~んなが幸せに終わったので本当に良かった!
    春を最終巻にしたところに著者の狙いがあらわれていましたね。
    私が許せないと思っている木戸の暴力癖もまあまだ健在だとは思うけど、夏の頃の彼とは違うし、何よりプリズンホテルはずっとそこにあるから安心できます。

    舞台も一緒だし、毎回同じパターンを描きながら全く飽きさせない展開・・・さすが浅田次郎!!
    この小説のことを皆さん、笑いあり涙ありと言うけれど、本当に声に出して笑い、彼らの人生哲学に涙しながら感動する究極の任侠エンタメ小説でした。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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