天切り松 闇がたり 1 闇の花道 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 233
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087474527

感想・レビュー・書評

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  • 古本屋でブラブラと散歩がてらの購入。
     
    久しぶりに浅田次郎さんが読みたくなって、ハズレはしないだろうと予想して、以前から気にはなっていたシリーズものを手に取る。
    が、ハズレでした。
    大正ロマン。
    ピカレスクロマン(悪漢小説)。
    義理と人情の義賊小説。
    おもしろくないわけはない要素がテンコ盛り。
    でも……、なにか講談師の三文噺を文字におこしているだけのようで、江戸っ子でも何でもない田舎者の私にはつまらなかった。
    残念。
    これ以降のシリーズを手に取ることはないだろうな。

  • 義理人情もの。義理人情にあつい大正時代の盗人一家のものがたり。過剰に大正ロマン化したルパン三世のお話といった感想。このシリーズはもういいかなって感じ。

  • ◆結論 ~ 星の数 ~
    ★★:暇な時間で読めば良い(20%)

    ◆感想文 ~ 読む前、読んだ後 ~

    ◇読む前の感想

     仕事場の隣の席の方と、普段何を読んでいるか、という話の延長でこの本をお借りしました。
     不勉強でお恥ずかしい限りですが、浅田次郎を読むのは初めてです。
     更に言えば、代表作に「鉄道員(ぽっぽや)」があることを知ったのも、このときです。

    ◇読んだ後の感想

     いやー、面白かったです!感情移入してしまい、涙が出てしまいました。特に泣けたのは「槍の小輔」です。因みに、「白縫華魁」&「衣紋坂から」は、先が読めてしまったので、意外と泣けませんでした。

     さて、以下の三点で読み進めるのが大変でした。
    ・強烈な方言(江戸弁)
    ・大正から昭和初期のファッション用語
    ・独特の場面転換

     最初の二つは私が浅学なだけなので問題無いです。(もっとボキャブラリを増やさねば。(汗))
     最後の「独特の場面転換」ですが、これで良く迷子になりました。(自分が何を読んでいるのか分からなくなりました。)
     迷子を解消するためには、少し戻って再確認すれば良いだけなのですが、元々この小説の江戸弁は面白さの重要な要素だと思いますので、こんな読み方をすると、江戸弁特有の痛快なテンポもリズムもへったくれもありませんね。
     迷子にさえならなければ、この「天切り松ワールド」に引き込まれ、頭の天辺までどっぷりと心地良さを味わうことが出来るのではないかと思います。
     という訳でして、私の読解力では、残念ながらその境地に至りませんでした・・・。

    ◆用語集
    ◇甍【いらか】‥瓦。
    ◇インバネス‥男性の和服用防寒コートの一種。
    ◇裲襠【うちかけ】‥新婦が着る「色打掛」をイメージすれば大体良い。
    ◇玄翁【げんのう】‥とんかち。これを考案したお坊さんの名前。
    ◇鳥打帽【とりうちぼう】‥ハンチング帽。
    ◇刎橋【はねばし】‥昔あった橋の作り。勝鬨橋も「跳ね橋」というらしいが、別物らしい。
    ◇普請【普請】‥家を建てたり直したりすること。
    ◇ボルサリーノ‥高級帽子のブランド。ネットで買えるものに限ると、価格帯は3万から7万円台。

    (参考:評価基準)
    ★★★★★:座右の書である、または、座右の書とすべきである(2%)
    ★★★★:自分の知り合い、友人、家族全員が読んで欲しい(30%)
    ★★★:「費用と時間」をかけても読んで欲しい、「内容」が非常に良い(40%)
    ★★:暇な時間で読めば良い(20%)
    ★:読んでも良いが強く薦めない、他にもっと良い本がある(8%)

  • お借りした本。

    泥棒が稼業であった時代の生き残りの「天切り松」が、留置所にいる現代っ子な犯罪人たちに昔の泥棒一家の義理人情話を夜ごと語ります。
    大変人気のシリーズだそうですが…
    すいません…面白くないわけではないんです。むしろ面白いです。
    しかし、私、どうもたまに置いてきぼりをくらうんです。

    最もそれを感じたのが、意地悪な所長だか看守だかが「犯罪人は親のありがたみなんてわからない」みたいなことを言ったのをやりこめる話。
    主人公は幼少時、飲んだくれの父親に売られて泥棒になったんです。自分がそんなに親子の情がないのを棚に上げて、その代わりにといってはナンですがというカンジで先輩泥棒の栄治の養父との絆を語るんですが、これじゃあまりにも説得力がない。なんせ、あなたは棄てられちゃってるじゃないですか、と。
    なのに、聞き手のみんなは納得しちゃってて、意地悪な偉い人もシュンとなっちゃって、ツッコみたい私だけが取り残されてる感じがしてしまいました。腹黒い人は読んだらダメなのかも…
    全体的に「天切り松」をすごいと思わせるために、聞き手たちのリアクションを大げさに書きすぎな気がします。そのせいで取り残されてる感じがするのかもしれません。
    一番好きだったのは、おこんの金時計の話。

著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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