- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087475906
感想・レビュー・書評
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どうして乙一の短編集は表題作よりそのほかの方が好きなのだろう。今回は平面いぬが良かった。乙一って小さい世界で事件を起こすのが得意だよなって思った。いや、そんな話を私が好きだから印象深いのかも。とにかく来るべき時が来たら私は猫のタトゥーを彫るぞ。
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4つのお話が詰まった短編集。
どれもファンタジックながら、もしかしたら現実に起こり得そうなお話が並んでいてとても面白かった。
うまい具合に全て上手くはいかない切ない終わり方で、記憶に強く残るお話ばかりだった。個人的には後に書いてあるほど好み。 -
4つの作品が入っている短編集。
どの作品も、乙一ならではの不思議なストーリー。
最初、暇つぶしで読み始めたけど
どんどん物語に引き込まれてしまいました。
個人的には『はじめ』という作品が好きです。
面白いのに切なくて、なんだか懐かしいようで。
やっぱり乙一はスゴイ。 -
BLUEが1番印象に残っている。決して幸せな人生では無かったけど、好きな人のために全てを捧げることができるのはとても幸せだと思う。切なくて泣いてしまいました。
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少し不思議で切ない短編集。
「石ノ目」……目が合うと石にされてしまう、メデューサのような伝承。主人公たちが迷い込んだ家の家主は本当に石ノ目なのか。ここで消えたと思われる母との再会は。
「はじめ」……学校の鶏小屋の当番で、可愛がっていたひよこを誤って踏み殺してしまった主人公。とっさについたウソは、「はじめ」という架空の少女のせいにするもの。それから「はじめ」は彼らだけが見られる幻覚として本当に現れた。
「BLUE」……腕利きのぬいぐるみ作家の遺作となった、王子、王女、騎士、白馬、そして余り物の布で作られた、青い肌に歪な形をしたブルー。彼女たちは特別な布でできていて、動いたりぬいぐるみ同士で話したりすることができた。ウェンディという少女にプレゼントとして贈られるが、ブルーだけは気に入ってもらえず、粗暴な弟のテッドの手に……。
4作中個人的に一番好きな作品。子供の残酷さと温かさをより如実に表に出したトイ・ストーリーのような。
「平面いぬ。」……中国人の彫り師によって左腕に彫られたタトゥーの犬が、生きて動き出す。
山田のキャラが好き。ラスト手前、したり顔で説教をする老人にケーキを投げつける場面がいい。 -
『石の目』これは民俗伝説や怪談ファンにはたまらない話。その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚。そして、一番印象に残ったダウナー『BLUE』。命を吹き込む事ができるという生地で作られたぬいぐるみ5体のうち、余った生地で作られた青い肌のみずぼらしい人形ブルー。しかし、その心は人間よりも純粋で美しい。ありがちな童話っぽい話ですが、淡々とした物言いが一層その哀しさを際立たせ、短い文章で独特な世界を紡ぎだす。せつなさや繊細さなどが色濃く出ている白乙一作品です。
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表題作が好き。ふふっと笑えたり切なかったり、乙一独特の感覚。
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内容紹介
わたしは腕に犬を飼っている――。ひょんなことから居着いてしまった「平面いぬ」ポッキーと少女の不思議な生活。天才・乙一のファンタジー・ホラー傑作集。『石ノ目』改題 -
まず一言。ホラーではない。
いや、超自然現象を総合して『ホラー』と呼ぶのなら本書の内容も『ホラー』なのかもしれないけれど。個人的にはホラーではない。ファンタジーなのは納得だけど。怖くない。
何故なら全篇に、愛が塗れているから。
確かにメデューサっぽい設定だったり、ダークなトイストーリー感はあるけれど。全然怖くないです。寧ろ時々ほっこり最後は悲しい愛が目一杯詰め込まれていて涙腺が刺激される。
乙一作品は本書と、児童書の一冊しか読んだことがないのだけれど。ゾクっとする話を期待していたので、ちょっと肩透かしだった。