娼年 (集英社文庫)

著者 : 石田衣良

• 集英社 (2004年5月20日発売)

感想・レビュー・書評

[hiroさんの感想 · 2018年5月31日]

恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

[mogumogu06さんの感想 · 2013年6月20日]

石田衣良さんの中で一番好きな本。

ちょっと描写がすごいけど
切なくて優しい！

[かなさんの感想 · 2022年5月5日]

映画を観てから本を読みました。かなり性的な描写があるけど嫌な感じは全くしませんでした。

[ぬぬさんの感想 · 2020年7月8日]

女性の様々な欲望の形を描いた作品。
ちょっとここに書ける内容の話ではないので、どうやって感想を伝えれば良いのか戸惑ってしまいます。
正直なところとしては、受け入れ難いです。
共感できるところがなくて…
ただ、世の中にはこう言ったことで、コンプレックスを抱えたり、困っている女性がいるのかもしれないと思うと、彼らのしていることは少なくとも彼女たちにとっては救いなのかなと…。
大人向けの作品でした(自分も十分大人ですが

[黒革のカエル娘さんの感想 · 2017年8月12日]

特殊性癖がたくさん出てくるので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、
健全？に生きて真っ当なことを言っているメグミよりも社会的には大手を振って歩ける訳ではない咲良やアズマの方が人を否定しないというのがすごく等身大だと思ったし、読み終わったあと穏やかな気持ちになれた。続編もあるようなのでそれも読みたい。

[あかいろキノコさんの感想 · 2012年12月20日]

気がつけば読み終わっていた感じです。
とても細やかで美しい表現が散りばめられていて、ひとつひとつのシーンや登場人物を想像しながら大切に読みました。
性の描写はたくさん出てきますが、とてもさらっとしていて自由な感じがしました。
全体的にやさしい雰囲気の漂う物語で、わたしは好きです。

[ykkk_logさんの感想 · 2012年2月11日]

内容は過激だけど、決してそこだけ悪目立ちすることなく、面白く読みました。

人が持つ、様々な欲望…マイノリティと思っていることでも、実は多くの人が内面に抱えているのかもしれないなあと思ったり。
欲望に対して貪欲に、素直にいられるのなら、歳をとるのも悪くないなあなんて思う。

主人公のリョウ、素敵な男の子でした。

[pommeblancさんの感想 · 2011年8月13日]

ひとりの男の子（といっても２０前後だけど）が、いろんな女性との出会いの中で、女性の神秘について真摯に、探ってい行こうとする、その透明なまなざしがすごく新鮮でした。

セックスについての考察が多いのに、ちっともいやらしくないというか。

その人の趣味や嗜好や生き方を、「そういう考え方もあるね。そうだね」と自然に寄り添って、否定しないやり方というか。

石田さんはそういう考え方ができる人なんだな、って他の作品を観てても思う。

[ハムテルさん · 2012/09/05]

感想を拝見して、図書館に予約しました。

[pommeblancさん · 2012/09/12]

＞ハムテルさん
イイネありがとうございます。
読んで良かったら、続編の「逝年」もありますので是非。

[summerleaf82さんの感想 · 2011年5月27日]

言葉使い！
言葉の選び方！

なんだろ、難しい言葉ってより
身近で簡単な言葉のはずなのに
耳障りがよく、綺麗に聞こえる

すっごく「エロい」ところも
石田さんの描写だと
なんか違った形で引き込まれる

あっという間に読んでしまったんだけど
なんかすっごい引き込まれて
違う世界のように感じているけど
でもなんか、自分について考える
そんなきっかけになった気がする

なんだろ

もう一回読みたいって
久しぶりに思った

[田宮さんの感想 · 2023年7月9日]

むかーしから所有してた本。
感想書いてなかったみたいで、本棚整理を機に再読しました。

そうそうそうそう！こういう感じ！
こういう感じなんだよこの本！

実は数年前に映画を見まして…ぶっ飛びましてですね…笑
え？こんな話だったっけ？？？？松坂桃李がめっちゃ喘いでるし、なんか応援上映とかやってるみたいだけど…え？？？？私の認識誤り？？？？
と、かなり戸惑いました。笑
私の解釈違いだったのかな？って。

今回、再読して、ああ、私の解釈は間違ってなかったなと。むしろ、どういう方向であんな映画になっちゃったんだろうー…
よく怒られなかったな…笑

さて、『娼年』というくらいなので、娼夫の少年の物語。
性描写激しめなので、ピンポイントそこが苦手な方は要注意。

私、この性描写なくせに（言い方）この作品の持つ静かな深い森の奥の湖の水面みたいな雰囲気が好きなんですよねぇ！
どうしても激しめ性描写にスポット当たりがちなんですが、そこを超えたところにある人間の本質と、それを淡々と観察する主人公のその雰囲気がシーンとしてて非常に素敵なんです。
窪美澄さんの『ふがいない〜』も同じく激しめ小説ですが、あちらはどちらかというとヒリヒリ系。こちらはシーン系です。（どんな区分け）

人間の3大欲求の一つ、性欲。
3大欲求なだけあって、そこを剥いてしまうと人間の本質が見えてくるんですかね。
性欲を通してというか、性欲を超えてというか。
その先の部分に焦点が当たっています。

決していいことではないんだよね。だって売春だもの。
ただ、文中の『正論を言う同級生が強制して、枠外にいるオーナーの娘が優しく寄り添う』ってのがなんともね。
まぁ、同じく枠外にいるから寄り添ってくれるんだろうし、心から思うから強制しようとしてくるんだろうし、人間どうしても心惹かれる方を良いように捉えるってのもあるかもしれないけど…

やっぱりこの雰囲気好きだったなぁー。
どうして映画あんなことに…
次作も再読したいです。



＠手持ち本

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『４ＴＥＥＮ　フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」