コンビニ・ララバイ (集英社文庫)

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  • 集英社
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本棚登録 : 1993
感想 : 286
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478297

感想・レビュー・書評

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  • ミユキマートに関わる人の物語。
    オーナーの言葉にはいつも温かみが感じられました。自分が酷い目に遭ったりしても相手を第一に考えている思いやりの言葉選びが素敵で、読んでいて優しい気持ちになりました。

  • 息子と妻を交通事故で失った店長が経営するコンビニに集う人々。幸せいっぱいの者はおらず、何等か問題を抱えているが、この店長が傷を癒してくれる。
    6年前に読んでいた。そんな気がした。

  • 日々コンビニに通いながら、他人の顔や行動にまで一々目を凝らしてはいません。今日も頑張ったと達成感もあれば、涙を拭って来た人、人を殴った後に籠を持つ手もあれば、ほんの数百円が空き缶の代わりなんてこともある。
    本当に大切なもの1つ守る為ならば、殆どのものを捨ててしまえるような気がするのです。守る難しさに比べたら、捨てることなど痛くもないのだと私は思います。
    大事なことは、素敵なことは、悲しみですら、言葉で伝え伝わるものだと思っていました。でも大切に想う気持ちがあるならば、向き合った瞬間から、見えない聴こえない声でも、ちゃんと体の真ん中に入って来るのだと思いました。
    涙が頬を伝う音を想像したのも初めてでした。
    許すことも愛だと、教えてくれた人がいました。本物の愛があれば…許せないことなど存在しないのだと、教えられた気がします。
    踏みつけられても花は花で美しく、血を流しても人は生きている限り温かい、間違いを間違っていると叱る勇気、正しいことだけが人を幸せにするのではない、私はそう思うのです。
    こんな風に考えることも、生きている悩みであり、生きている素晴らしさなのかもしれません。

  • ミユキマートというコンビニが舞台の短編集。
    第七話のおじいちゃんの最期は無理矢理な感じがあったけどとても読みやすくおもしろかった。
    ほかの作品も読んでみよう

  • 短編集。
    「向こう側」感想
    人には簡単に諦めちゃいけないことが絶対にある。
    本当に大切で、自分にとって何よりも大事なことはけっして諦めちゃダメなんだと思う。
    八坂はどうしてあんなに性急に答えを出してしまったんだろう。
    もっとちゃんと言葉で伝え合うことが出来ていればと残念でならない。
    ホームレスのおじいさんとマル。治子と八坂。
    たとえ言葉は通じなくても、おじいさんとマルの間には強い絆があった。
    大切なことは急いじゃダメなんだ。
    ゆっくりと時間をかけなければ育たないものだってあるのだから。
    切なくて哀しすぎる結末に胸が痛くてたまらない。

  • 小さな町の小さなコンビニ、ミユキマート。
    オーナーの幹郎は妻子を事故で亡くし、幸せにできなかったことを悔やんでいた。
    店には、同じように悩みや悲しみを抱えた人が集まってくる。
    堅気の女性に惚れてしまったヤクザ、声を失った女優の卵、恋人に命じられ売春をする女子高生…。
    彼らは、そこで泣き、迷い、やがて、それぞれの答えを見つけていく―。
    温かさが心にしみる連作短編集。

  • 珈琲屋の人々を読んで、
    主人公が 人殺しで、服役し、それで 喫茶店のマスターをしている。
    そのマスターのもとに、離婚したり、いろんな生活破綻者が
    思い詰めて、相談に来る というパターンだった。
    どこか、くらくて マイナスのイメージがあり
    ほんの少し、上に向く感じだが、でも沈没している。
    それでもいいのだ という感じがあった。

    今回のコンビニのマスターは
    ヨメに言われて、会社を辞めて コンビニを開いた。
    しかし、子供は 車にはねられ、ヨメも自動車事故にあった。
    何か、抜け殻のようで、店を 守る気概もないようだ。

    にぎやかで 乾いている コンビニ。
    あいかわらず、そこに来る人たちは 離婚経験があったり
    サラ金の借金があったり、ヤクザだったり、
    生活の底辺で苦労している ような人だ。
    くらい顔をしていて、しかし、暖かみがあるというキャラクター。
    なぜか、読みながら ますます くらくなってしまう。
    作者のからだにある 何かは こんなにもくらい物語を
    紡ぎ上げて、なにを語りたいのだろうか?
    さびしい人格が さびしい物語を書いているなぁ
    という 感じで 終ってしまった。

    セックスの場面を無理矢理いれていて、
    あまり、必然性がないような。
    乾いていたり、濡れていたり、清い関係。
    ふーむ。なぜか 動物的な感じだね。
    まぁ。池永陽は これでいいよ。

  • 『コンビニ兄弟』を読んだ後だったからか思ったよりほのぼの感がなく下ネタも多く予想外だった。オーナーの境遇を思えば暗くなるのもわかるけどお人好しすぎてイライラした。温かさが心にしみるというよりは私は登場する人があまり好きになれなかった。終盤はオーナーに少しは明るい未来があることを予感させる感じでホッとした。

  • この方の本初めて読みました。
    ドラマになりそう。
    もう少し色んなパターンを
    読んでみたいと思いました。

  • 子供と妻を交通事故で亡くした堀幹郎。妻の名前を冠したミユキマートの店長を務める。ミユキマートには、店員に惚れたヤクザや、幹郎の亡き息子に似た少年、支払いを踏み倒したバーのママ、売れないまま歳を重ねた劇団員などが通う…。

    幹郎と治子の守るミユキマートをめぐるオムニバス形式の短編集。すべて子供を亡くしたり、親に見捨てられたり、ヤクザに惚れられたり、ヤクザと別れたり、万引でストレスを解消したりと色々と問題のある人達が集う作品集である。

    一言で言っちゃうと、人物の設定が極端なのよね。今風に言うと「共感」と正反対にいる人達ばかりの作品であり、せっかくコンビニという身近な題材に、無理やり大河ドラマを練り込んだような、不自然な感覚を覚える作品だ。

    作者としては、最初の八坂と最後の老男女を描きたかったのだろう。その2本の活き活きとした雰囲気とは異なり、残りの4篇は消化試合という感覚が漂う。特に劇団員の話は、芥川賞的な投げっぱなしで上っ面な話が続く。おやじ狩りのはなしもそう。

    最後の老男女の話は、良く言えば良く出来た、悪く言えば都合の良い話。悪くはないんだけど、感慨は薄い。

    とにかく全体に、極端な印象が強く、かと言ってカタルシスが有ったり、ほのぼのしたりというわけでもなく、独特な雰囲気の作品である。

    ほのぼのかと思ってたんだよなあ。まあ、独特ですよ。

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著者プロフィール

1998 年「走るジイサン」で第11 回小説すばる新人賞受賞。2002 年「コンビニ・ララバイ」で注目を集める。06 年「雲を斬る」で第12 回中山義秀文学賞受賞。その他著書多数。

「2021年 『おっさんたちの黄昏商店街 それぞれの恋路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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