- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087478549
感想・レビュー・書評
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201802読了。
この詩集を読んで、私は谷川俊太郎氏の児童文学の顔しか知らないんだなと痛感した。先生の大部分を占めているであろう難解な部分を、この詩集で初めて知った。…つまり何が言いたいか。教科書と翻訳の力ってすげぇってこと(笑) -
3巻も色々な色の言葉たちでした。やわらかかったり、ちくちくしたり、ドキドキしたり。クレーの絵に付いているのであろう詩も素敵で、絵と一緒に見たくなりました。短い中にも世界が広がります。好きなシリーズです。
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『女に』『詩を贈ろうとすることは』『世間知ラズ』『モーツァルトを聴く人』など16の詩篇より厳選した作品集。インタビューも併録。
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子ども向けのものから散文詩まで、様々な詩が集められた一冊。特に最後のインタビューは、研究したい人は必読。
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クレーは言葉よりもっと奥深くをみつめている。それらは言葉になる以前のイメージ、あるいは言葉によってではなく、イメージによって秩序を与えられた世界である。
言葉によって感染した病いは言葉によって免疫するしかない。 -
向井承子さんからいただいた、『脳死・臓器移植 私たちのメッセージ』(「臓器移植」の性急な立法化に反対する連絡会編)の冒頭に、谷川俊太郎の「誰にもせかされずに」があった。連絡会主催の、「脳死・臓器移植」を考えるシンポジウム(1994年10月8日)で朗読されたものだという。
どれかの詩集に入ってないかと探したら、この詩選集に、単行本未収録詩篇として収められていた。
「誰にもせかされずに私は死にたい」から始まる詩の、最後の2連はこんなだ。
…
誰にもせかされずに死にたいから
誰もせかさずに私は死にたい
丸ごとのただひとつのいのちのままで私は死にたい
限りあるいのちを信じるから 限りあるいのちを慈しむから
今も そして死のときも
誰にもせかされずに私は死にたい
扉の外で待つ者が私をどこへ連れ去るとしても
それはもうこの地上ではないだろう
生きている人々のうちにひそやかに私は残りたい
目に見えぬものとして 手で触れることの出来ぬものとして(pp.235-236)
この詩選集には、『世間知ラズ』より「父の死」も収められていた(この詩集は、15年くらい前にもらって、うちにある)。
高校のときに、母の友人から贈られた『よしなしうた』に始まり、うちにある谷川詩集を寄せ集めたら十数冊になるが、この詩選集3の巻末を見ているだけでも詩集のほかに単行本、絵本、翻訳など膨大な冊数の本があって、ちょっとびっくりした。 -
一から三までよみおえて、谷川俊太郎の詩がものすごく好きになりました。作品自体を買おうかなと思案するほどに…
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「まだ二〇世紀なのね
未来ってなんてゆっくり来るんだろ
待ってらんないな」
「真っ白でいるよりも」を読んだとき、ずきゅうううぅーんと心をうたれた。
「花が咲いてて、そよ風に吹かれて、それだけで幸せって思ってて、だからうしろめたいの。ひとりぼっちが。」
それでもそれだから、「あなたの色とまざって、嫌いな花の色になるほうがましなの。真っ白でいるよりも」ね。