スポーツドクター (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087478723

感想・レビュー・書評

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  • 本日はマンガではなく、小説をひとつ。
    全4部構成になっているストーリー。
    スポーツをテーマにした、なぜこんなことにという事例が、推理小説風恋愛青春小説という感じで描かれている。(なんか盛りだくさんな感じですよね)
    第1部では、バスケで膝を痛めた主人公に関する話。
    高校で伝統的に良くある先輩たちのしごきに耐え、バスケに打ち込み3年生最後の試合に望むも、それまでの無理がたたり試合への出場がほとんどできない状態になった夏希に、スポーツドクターは医者としてではなく、試合に賭ける情熱に押されて出場を許す。しかし物語の核心はゲームではなく、なぜ膝を故障したのかというポイントを突いている。
    その夏希がスポーツドクターの助手として2部以降のスポーツによる病気や故障を調べる。
    第2部では、よく言われる少年野球の野球ひじがなぜ起こったか。この中で昔野球少年の父が昔はこうして治したとか、この子には期待しているという大人側の無知や勝手な理屈で子供の体を壊してしまう。
    第3部では、女子水泳選手が競技者として求められるたくましい体と女性としての優しい体つきの間で揺れ動き、過食症(ここでは単なる食べすぎではなく、競技者として食べなければならないという意識から、食事を行い、その後にこっそりと吐くことを繰り返す)に陥っていく。
    そして第4部では、競技スポーツで話題になるドーピングについて、ただ単に悪いというだけではなく、ドーピングにより、何が起こるのかということを、肉体的にだけではなくドーピングをする心理を、する側・させる側からも描いている。
    この本を読んでしっかりした知識を持たずに、過激なトレーニングをさせるスポーツ指導について考えさせられた。
    たとえばうさぎ跳びはもはやしてはいけないトレーニングの常識になっているが、足を伸ばしての腹筋もしてはいけないトレーニングとなっているなど。
    さらに私のミニバスも含めて、勝つことが目標ではなく目的になっている、子供たちのスポーツに対して、楽しむことの重要性を考えさせられる1冊となった。
    続編を期待したい。

  • 登場人物に妙なテンションを持つ女性が多く、私は読みづらかった。スポーツドクターに興味があったので何とか読み終えることができた。一介の町医者が頼まれてもいないのに、患者にこんな親身に係わるのだろうかと思ったが、あとがきには「リアル」とあり、驚いた。

  •  ドーピングのことやら過食症のことやら、結構重いテーマが詰まっているけど、真っすぐで明るい主人公のおかげで、暗くなりすぎずに読めました。泳ぎたくなっちゃった〜

  • 高校バスケ部のキャプテン、夏希が主人公。
    最後の試合直前の練習で、友達と接触してしまったことから
    あるスポーツ専門医と知り合う。
    最後の試合が終わった後、その先生の下でバイトを始めて
    様々なスポーツ選手の姿を知っていき…という物語。

    友情、親子、三角関係、コーチと選手、ドーピング。
    そういった話題を分かりやすくまじえて物語が展開します。

    うーん、全体的な評価は「普通」かな。
    ちょっと期待していた方向とは違った。

    残念だったところ。
    登場人物がうまく描き切れていない気がした。
    どうもキャラがわかりにくいし、感情移入もしにくいかんじ。

    あと、短編と言っていいような構成になっているのですが、
    それぞれの話がどうも「浅い」気がしてさらーっと終わったかんじ。

    ドーピング周りはちょっとこれまでの自分の価値観を変えてくれたので、
    その点は読んでて楽しかったな☆

    スポーツに関わったことのある人にはいいかもね~

  • 『いろんな面から考えた結果、これがベストなんじゃないか』を追及していく。
    その中でいろんな人間との関わりや、気持ちの変化がわかりやすかった。

    《言うときには、言わなければならなりません》
    ってセリフがキーワードになってるのがカッコいい!

  • いろいろなスポーツ、アスリートなどを専門にした風変わりなお医者さん。普通のお医者さんでは見逃してしまうようなサインを見逃さずに、選手の怪我や病を見抜く。

    スポーツをする人やインストラクターの人たちが読むと、より深いところがわかって面白いと思います。

  • スポーツドクター
    自分メモです。
    第一章は自分と重なり感情移入と記憶が呼び起こされて電車では読めなかった。
    でも、自分は手術や色々あったけど、無理して最後まで部活やってよかったと思う。本は正しいし、もう一度あの毎日の痛みに耐える事は出来ないけど、無理してでも病院いかなくてよかったと思ってしまう。。。やっぱりスポーツトレーナー系には向いてない自分...
    本全体としては、さらっとしていて読みやすい上に知識もないのに分かり易かった。
    最近の日本は勝利至上主義よりで子供がただ楽しく運動する場所がないと言っていて、そういえばそうかもとおもったが、自分は勝利至上主義寄り(というかやってれば勝ちたくなる)だともおもった。でもそれが体育嫌いを増やすのかも。
    ドーピングについてもさまざまな角度から書かれていて面白かった。専門書じゃ難しくてやんなっちゃうから、そういう意味で出会えてよかったと思う本。

  • ■もっと早く、強く。そのために傷つけた心と体。

    高校最後の試合を前に、膝を痛めてしまったバスケ部キャプテン・夏希。「仲間と一緒に試合に出たい」と願う彼女を治したのは、アスリート専門医の靫矢だった。夏希は、身体だけでなく心まで癒す靫矢の姿にひかれ、彼の病院を手伝い始める。そこを訪れる選手たちの症状には、深い心の傷が隠されていた――。栄冠を求め傷ついた人々を癒そうとする少女の姿を描いた青春小説。

  • 読書の時間に読んでました。
    すらすら読めてしまう内容です。

  • 高校最後の試合を前に、膝を痛めてしまったバスケ部キャプテン・夏希。「仲間と一緒に試合に出たい」と願う彼女を治したのは、アスリート専門医の靫矢だった。夏希は、身体だけでなく心まで癒す靫矢の姿にひかれ、彼の病院を手伝い始める。そこを訪れる選手達の症状には、深い心の傷が隠されていた―。栄冠を求め傷ついた人々を癒そうとする、まっすぐで明るい少女の姿を描いた爽やかな青春小説。




    スポーツをやってると必ず?怪我なり何なりが出てきます。
    だって、生きていくうえでやらなくていいことを一生懸命やるわけですから当然です。
    でも、普通のお医者さんに行けば当然、それをやめれば治るわけですから、やめさせようとしますよね。
    スポーツドクターの場合は運動をしながらケアをしていくという方法にしてくれます。
    やってる人の気持ちも汲んでくれるんですよね。

    なんでもそうですが、相手のことや立場などを考えると、いろんなことに気がついたりできるし、お互いにいい気持ちで接していけることも多いような気がします。

    さて、自分にはできてるでしょうか???

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