旋風 (集英社文庫)

著者 : 泡坂妻夫

• 集英社 (1995年2月17日発売)

感想・レビュー・書評

[kowa511さんの感想 · 2011年6月26日]

裏表紙紹介文より

若き柔道家・織口哲が鹿児島から上京し一週間、何者かによって睡眠薬を嗅が山間の崖から突き落とされた。九死に一生を得た哲は、自らの手で犯人を探し復讐を誓う。
謎あり、恋あり、決め技あり、そしてどんでん返しも……。
著者新境地の青春アクションミステリー。

読みたくなる。
「あなたは旋風みたいな人」と言われる主人公。
必殺技「旋風」は決まるのか？
なんじゃこりゃである。

[Tetchyさんの感想 · 2019年5月17日]

柔道をテーマにミステリが書けるかを主題にしたかどうかは判らないが、恐らくは織口哲という一人の武士を主役に所謂立身伝みたいなものを書いてみたかったのではないだろうか？
しかしプロットは上滑りしているような感じで、特に登場人物の相関が何ともまあ、少女漫画的である。織口哲のストイックさ、実直さは今の我々にないものであり、ある意味ハードボイルドかもしれない。
だが、作者は最終的に本作が失敗作だと自覚したのではあるまいか？
結末を読むとどうもそう思えてならない。

著者プロフィール

泡坂妻夫（あわさか つまお）
1933～2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」