午前0時の忘れもの (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087486766

作品紹介・あらすじ

愛していれば、奇跡もきっと起こる-バスの転落事故で湖の底に沈んでしまった死者たちが、愛する人たちに別れを告げるために、午前0時に戻って来た!深夜のバス・ターミナルでの、死者と生者の不思議な出会い。生きることの切なさ、命の輝き、そして人を愛することの素晴らしさを描ききった、赤川ファンタジーの傑作。(大林宣彦監督・映画『あした』原作)。

感想・レビュー・書評

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  • 生者と死者がバスターミナルでの再会
    1時間という短い間に家族や恋人との別れをしにきたのに、切なくなった。
    ヤクザに阻まれながらも大切な人をみつけていきたいなと思った作品。
    前を向いて行こうと思える作品だった。
    自分も大事な人や恋愛の巡り合わせはないけれど、いつか自分も他人も思いやれる大事で好きな人に巡り会えたらいいなと思った。

  • 本当に心に沁みるお話。
    あんまり何度も同じ本を読まないタイプだけどこの本だけは何度も読んだ。どんな人にもオススメしやすい、心にスッと入ってくるけどありえないところがまたこの人の作品であり、本の楽しさを感じられる。

  • 亡くなった者と残された者。1時間の奇跡の逢瀬。

  • 赤川次郎さんの作品は
    やっぱり、終わり方が柔らかくて好き。

  • 登場人物は多いけどこんがらがったりしなくてすっと入ってくるお話でした。
    ほんとに一日で読み終わった。
    全然難しくなくて心温まる感じのお話だったからあんま本読まないって人にもおすすめできる!

  • 昔のこういう雰囲気の作品良かったです

  • ある日、何人もの人に奇妙なメッセージが届く。「今夜十二時に、実ヶ原バスターミナルに来て」。そのメッセージは、一ヶ月前、ある高速バスに乗っていた家族たちからのものだったーー事故で湖に沈んでしまった、あのバスの。

    サラッと読み終わる、ので、泣くほどではないかなー。読後感は悪くない方だが、個人的地雷(不倫)もあったし、あと法子お前ほんとにそれでいいんか……? 場の雰囲気に当てられてないか……? いや別にいいんだけども……という感情が拭いきれなかった。あとヤクザそんな足抜け簡単なのか……ヤクザの世界なんて知らんけども。

  • 感動する系の話とファンタジーが大の苦手な私でも読めた。中学2年のときに読んだから今呼んだらまた感覚が違うかもしれないからまた読みたい。この作品が赤川次郎にハマるきっかけだった。赤川次郎ってすごい!!

  • とても面白かった。
    どうだったの?と聞かれて、この言葉がまず出てきました。

    1冊の本の中で、1つの物語のなかで、様々な年代の人生が書かれていて読めば読むほど話に引きずり込まれていく感覚でした。

    読んでいてあー、これはこうなんだろうなと憶測立てていたことも後でちゃんと伏線回収されていてスッキリした。

    なにか読みたい!と思ったときに、とりあえず1回読んでみて欲しいです。

  • 大切な人を失う辛さ
    生きることの美しさ
    誰かを心から愛することの美しさ

     人との出会い、別れ。生きていくこと。それら全てが儚く素晴らしいものであると教えられた。
     バス・ターミナルに集まった人たちの出会いは、とても美しかった。色々な奇跡が重なって彼らは巡り合ったのだ。
    「うまくやりゃ、一気に兄貴分だ。刑務所に入って、出て来たときにゃ、大勢出迎えが来るんだ」
    「そんなもんが何なのよ!出迎える人たちだって、みんないつかあんたを殺そうとするかもしれないのよ。それより、心から愛してくれる人が一人だけ待っててくれる方が、ずっとすばらしいじゃないの」
     みんなに認められようとしなくてよい。多くの人に尊敬されようとする必要もない。誰か一人、一人でよいから自分のことを心から愛し、想い続けてくれる人がいるだけで、幸せでいられるのだと教えられた台詞だった。
     しかし、恵と淳には本当に感動した恵と同世代の私、もし一緒に行って(逝って)ほしいと言われたとき、どうするだろうか。私に心から愛する人ができて、将来を捧げてよいと思える人が死んだとき、それこそ文字通り自分の将来を捧げて一緒に死ぬことができるだろうか。私には、さっぱり分からない。それでも、淳の葛藤は本当によく分かる。ひとりぼっちで寂しい。恋人に一緒に来てほしい。だが、彼女の人生を捧げさせるのは絶対に嫌だ。そんな葛藤は本当に苦しいものだろうが、それは愛ゆえなのだ。愛があるから、悩みもがき続ける。とても儚く美しいではないか。
     貢と法子は、命をかけた愛を教えてくれた。誰かに自分の命、人生を捧げて、守り、支え合いながら一生を共にすることがいかに素晴らしいものかを私に教えてくれた。
     これほどまでに美しい奇跡なら、起こってもおかしくないと思えた。もはや、当然とさえ感じてしまう。儚くもあるが、美しくもある。皆が幸せになれる。このような奇跡が、誰かを心から愛している人々に起こることを心から願っている。
     赤川 次郎先生、これほどまでに儚くも美しい、小説を書いてくださり、本当にありがとうございます。後半は涙が邪魔で本が読めませんでした。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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