オープンハウス (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.15
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本棚登録 : 206
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087487589

感想・レビュー・書評

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  • 本を交換してもらったもので、交換した人はこの本が四冊も家にあったらしい。

    そこまで??ってくらい私にはあまりよくわからない内容でした。笑。

    グズグズ、ジメジメ、ダラダラな主人公が多く出てきてなんかこうね、いらっとしちゃうよねー笑。

    そういう人って、苦手なんだなぁ。と、本に出てくる登場人物さえも苦手なんだなぁとつくづく思った(。-_-。)。だから、村上春樹とか彩海には全然伝わらないんだなぁ。あの、いじめられっこな感じの主人公のキャラがダメかも。笑

  • 短編3部作

    1 オープンハウス

    下火のモデル、ミツワに犬のエンリケと共に養われているカード破産した主人公トモノリ。
    エンリケは屋上で飼われており、吠えると電流の走る首輪をつけられている。
    主人公も居心地の良いヒモ暮らしに甘んじていて、ミツワに頭があがらない。
    ある日、ミツワと共に主人公は豪邸のようなモデルハウスを見に行く。御曹司と令嬢のふりをして。
    最新設備を備えた台所やバルコニーにため息をつくミツワ。届くと思った幻の幸せ。
    2グッバイ ジェントルランド

    犬を捨てるか、トモノリをマンションから追い出すかヒステリーを起こすミツワ。
    主人公は、エンリケを自転車に乗せて連れ出し、公園に置き去りにしようとする。
    情が湧いてエンリケを捨てられない主人公は、エンリケを乗せあてどもなく彷徨う。
    辿り着いたのは、町はずれの実家。経営が悪化し、精神を病んだ母ともくもくと工場を営む父の元だ。
    焦点の合ってない目をした母に迎えられ、少年時代の思い出に耽る主人公。

    気づくとエンリケが自転車からいなくなっている。父と慌ててエンリケを探し回る。
    エンリケは見つからない。諦めて工場へ戻ると、母に頭を撫でられながら、エンリケが実家の前でちょこんと座っていたのだった。

    3バチーダ ジフェレンチ

    ジンマシンに悩むバツイチのユイコ。ジンマシンを和らげる熱湯のシャワーと、規則正しい177の時報だけが心のよりどころだ。
    元夫が自分のためだけに吹き込んだ留守番電話にゾッとし、夫の同僚ミヤケに付きまとわれてジンマシンを悪化させる。
    主人公を取り巻く男は、優柔不断で気が回らず頼りない。言い寄る男をはねつけて、母子家庭で自分を育てた母親の気持ちが身にしみる。

    久しぶりに親友と再会すると、夫との密会を告白され、ずっと一緒にいたのに知らなかった男の一面に動揺する。
    ミヤケはストーカー化し、マンションで待ち伏せし狂言自殺までする。主人公に振り向かれないと知り、手すりにつかまったまま泣きわめくミヤケ。

    ふっきれて、今なら全てを振り払えると確信する主人公なのだった。

  • 中篇3部作から成る短編集。
    主人公が、エンリケを自転車のかごに乗せて故郷に戻るシーンが良い。

  • 辻 仁成の【オープンハウス】を読んだ。

    『オープンハウス』『グッバイ ジェントトルランド』『バチーダ ジフェレンチ』の中篇3作が収めら

    れた作品。

    『オープンハウス』と『グッバイ ジェントトルランド』は連作になっている。

    20代前半でカード破産した「僕」と売れないモデルの「ミツワ」と声を忘れた犬「エンリケ」が都会の

    片隅で静かに織り成す物語。

    『オープンハウス』は「僕」と「ミツワ」の物語で『グッバイ ジェントトルランド』は「僕」と「エン

    リケ」の物語だ。個人的には『グッバイ ジェントトルランド』のほうが面白かった。

    「ミツワ」の命令で「エンリケ」を捨てに行かなければならなくなった「僕」が自転車のかごに「エンリ

    ケ」を載せて当てもなく彷徨う。しかし、当てのないはずの小さな旅はいつの間にか「僕」の実家に向か

    っていて・・・。

    声を忘れた「エンリケ」が、崩壊した「僕」の家族の絆をゆっくり静かに繋げてくれる。

    目を見張るような展開や、衝撃の結末などはない。どこか投げやりで人生を遠くから眺めているような

    「僕」の世界感が、読む人によってはうんざり感じるかもしれないが、なぜか読後はじんわりとした温か

    さが潜む作品だった。

    巻末解説の清水氏はこの作品を「辻仁成の作家としての成長」と位置づけている。僕的には辻氏の前後の

    過程を知らないのでその「成長の証」を見出す事ができなかったが、辻氏の世界感というものがしっかり

    と物語の中核にあるなと実感できる作品だった。

    『バチーダ ジフェレンチ』は離婚した夫婦の間に渦巻く奇妙なすれ違いが織り成す物語。

    3作の中でこれが一番「小説」として面白かったかな。

    読む人によって感性が違うし、感じ取ることも違うと思うのでなんともいえないが僕は唯一辻 仁成の作

    品で読んだ【冷静と情熱のあいだ】に比べると若干インパクトが弱い気もしないでもないが(冷静と情熱

    〜がインパクト強すぎた)なかなか無難に読める作品としては評価できると思う。

  • 先輩にいただいた本。

  • 繋げ方うめー

  • 2008

  • 痛々しい感じがとても好き。この人の孤独感の描写はいちいちリアルでよい。

  • エンリケを拾うことにした。

  • オープンハウス2のグッバイジェントルランドが泣けた。エンリケを捨てに行く途中の風景描写、感情移動、回想、葛藤などがとてもせつなくて、そして綺麗で。エンリケが工場の前から消え父と探しまわる間のノスタルジー。戻ってきてたエンリケ。歌いだす父。総合的に綺麗で好きです。

  • エンリケの全てを諦めたような視線、前に進めない自分、友人への猜疑心とプライドの間の葛藤。
    そんな人間の暗い感情や情景を無駄の無い文章で表現していた。正直、読んだあとは少し落ちるけどこういう感情から逃げちゃいけないんだと思った。

  • 前編の話は恋愛における男というものを考えさせられる話

  • ミツワという名前がたまらなくかわいい。

  • 読んでてすごく寂しくなります。もう一度読みたいタイプの本ではないですね。

  • 中篇3つ。登場人物の行動や物言いにイライラしてしまった。読み終わった後、そういうのが純文学なんだろうなとしみじみ思ってしまった。

  • 就職してまもなくカード破産した「僕」。売れないモデル、ミツワの居候となり、主夫のような暮らしをしている。相棒は、声を忘れた落ちこぼれの犬のエンリケ……。都市の片隅で3つの孤独な魂が奏でる切ない協和音──表題作ほか、全3篇を収録。現代の絶望を、微かにぬくもりを秘めた視線で描く、傑作短編集。

  • 辻仁成を知ったきっかけは国語の課題プリントだった。そんな思い出。『グッドバイ・ジェントルランド』の一部が抜粋されてた。

  • 昔読んだので、よく覚えてない。けれどなんかそこそこ良かった気がする

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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