ラッフルズホテル (集英社文庫)

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  • 集英社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087498288

感想・レビュー・書評

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  • 文章も表現も嫌いじゃない。

    ただ、萌子が最初からぶっ飛んでいて背景も何も描かれず、不思議で突拍子ないのが魅力的という90年代のヒロイン像だけで突き進むのは、今となっては寒くて震える。

    シンガポールのラッフルズホテルを訪問したので、読んでみたが、ラッフルズもあまり関係なかったな。当時の東南アジアという雰囲気がよかったんだろうな。

  • 何ともいまひとつ。単純に、今度シンガポールに行くから、ってことで読むことにしたんだけど、まあ読まなくても良かったです。ラッフルズホテルに滞在する訳でもないしね。たまたま舞台にシンガポールが選ばれただけで、かの国ならではの仕掛けが施されるのかというと、それも皆無だし。ちょっとネジが外れた女に付け狙われた、いわゆるストーキングの話。

  • 村上龍らしい表現言い回しには、やはり痺れるどころがありました。

    が、全体としてストーリーのもつ良さとか、強く惹きつけられるキャラクター性とか、そういったものはわたしにはよくわかりませんでした…。

  • 秘密=弱みを抱え込むことが大人の甲斐性である、などという
    つまらない見栄を張ったわけではない
    純粋に、至上の芸術を夢見る関係だったはずなのに
    だんだん「二人の世界」に執着し、のめりこんでゆく女は
    情緒不安定をタテに男を支配しようとする
    そして、ベトナム取材の体験をプライドのよりどころとしつつ
    いつ女に殺されるかもしれない恐怖と向き合う男もまた
    やはり神経を病んでいくのだった
    それは「ほんとうの自分」が表現できる場所を求めての
    彷徨だったといえるだろう
    しかし、本質的になにかが欠落した人間をこそ「天才」と呼ぶのなら
    その逆説において受ける誤解から、彼女らは逃れることができまい
    バブル時代の村上龍はこういう、資本主義の枠に収まらない
    天才プロレタリアートの世界を書くこともあった

  • 萌子の最高に狂気の感覚に囚われて
    一気に読んでしまった

  • P214
    村上龍 ワールド的な物語。
    主人公の女優が自己分析するあたりは、現代版の人間失格を想像した。

  • 頭の中の世界と現実の世界とがごちゃごちゃになってる狂った女。
    よくわからなかった。
    私には難しすぎる小説だった。

  • 確か映画もありました。村上龍は天才だと思いした。オーキッドで思い出した作品。

  • 龍さんの小説は久しぶりに読んだ。久しぶりに読むのがこれというのは果たしていいのかどうかよくわからないけれど。表紙の絵はやはり時代を感じさせる。人によっては「この表紙何でこうなった(笑)」だろう。

    龍さんが描き出す人物というのは、いつも自分からは遠いように思える。なんだけれども、いつも興味深く読んでいる。ある種の心地よさのようなものを感じることもある。彼らのように振舞いたいというわけではなさそうなのだけれど、なにか自分の心を奮い立たせるものが龍さんの小説にはあるのだ。

    龍さんの作品では『ラッフルズホテル』よりいいものはいくらでもあると思う。それでも、ところどころ「これは龍さんしか書けないだろう」と思わせるのは流石だ。

  • 「女優」が緊張感をもって、
    演技できる舞台は、どこにあるのか?
    シンガポールという国。そして、ラッフルズホテル。
    蘭で部屋一杯にする。

    ベトナム戦争が起こっているときでも、
    シンガポールは、楽園だった。
    金持ちたちが、ゆったりとして、生活していた。
      
    おぼれかけている船に乗る
    「女優と息子」どちらを選ぶのか?
    という単純な設定で、分かれていく。

    『この国では、悲しみという概念が成立しないのだと思う。
    つまり悲しむまいとしているのではなくて、
    悲しみという感情から人々が、拒まれているわけだ』

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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