文明の衝突 下 (集英社文庫)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087607383

作品紹介・あらすじ

文明の衝突こそが来るべき時代の世界平和にとって最大の脅威。世界戦争を防ぐための最も確実な安全装置は、文明に基づいた国際秩序にある――。激動する世界の針路を指し示す羅針盤として輝き続ける国際政治論の金字塔!(解説/猪口 孝)

感想・レビュー・書評

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  • 上巻に比べて衝突のあり方や予想の部分が多く、若干しんどくてそうはなってほしくないと願う内容が多い。また、中国との関係性に対して、日本と中国を始めとした東アジア諸国が連携し始めることへの恐れを感じる内容。現時点では起きていないことと似たようなことが見られることがあり、大局観としてのリスク意識を持つのには良い内容。

    人口的に国力が北から南へシフトするとしたら、その際の均衡の取り方は西欧化ではなく多様な文化に根ざした文明の均衡にあること20年以上前に示唆していたことになる。昔読んだ方も、もう一度読み返すと新たな気づきがありそうですよ。

  • 20年前に書かれた本だが十分読みごたえがあった。ウクライナや中国で今おこっていることを考える上でも参考となった。

  •  未来予想を行っている本を後の時代になってよむと、当たっている部分、外れている部分がある。

     おひざ元のアメリカの洞察は的確で、結構予想が当たっている一方で、日本や台湾は本書に書かれているほど、中国にすり寄っていない。

     だからといって本書の価値が落ちるわけではない。西欧人の視点でとらえたイスラムやロシア、アジアの分析は参考になる部分も多い(アジアの文化・文明はもう少し多様かつ複雑な気もするが…)。

     経営学者(というかほとんど予言者(笑))のドラッカーのように、しっかりと本質を捉えていれば、当初の予想とは少し時間軸がずれて実現することもあるので、時折読み返す一冊としたい。
     
     



     

  • 上巻は『現状分析』がメインだったのでまだ良かったのだが、下巻は『対策』それも、『西欧文明の優越が失われてしまう。キー』の対策なので、まあ、引きながら読んだ。
    ああ、そりゃあ、問題になったわけだなあと。

    ただし、イスラム文明が他の文明と摩擦を生じている背景としての、『人口爆発』『若い世代が多い』という分析は、大事な視点だなと。
    いずれ、イスラム圏が豊かになれば、人口爆発が収まって穏健になる日も来るのだろうか?(まあ、その答えを見るまで生きていることは無理だからわからないが)

    あと、日本の扱いがあまりにもあれだよなあ。まあ、ちょうど細川政権の頃だろうからなあ。対米自立ダーみたいな乗りがあったのは事実だけど、それは一般化しなかったわけでさあ。まして、自立ならともかく、米国から中国に乗り換えってのはさぁ…
    その意味で、提示されたシナリオは(今の)日本人には、あまりにも荒唐無稽すぎてしんどかった。

    そして、最大の問題点は、「文明間の衝突を防ぐ為に、互いの文明圏を超えて干渉するべきではない」ってのは、帝国主義の時代にまで歴史を戻せって聞こえて、あまりにも酷すぎた。これほどの人でも、見かけ上の現状維持を優先すると、ここまで酷くなるんだなと呆れた。その分、☆一つ減らして☆3つ。

  • 上巻に同じ

  • 解説にありましたが、“ハンチントンは、20年早かった!”と思います。書かれている内容は、正に【今】の出来事かと思うような事ばかり。これを、20年前に予測していたんですから、ハンチントンが存命であれば、ここから20年後は、どの様に見通すのでしょうね?

    ただ一つだけ、腑に落ちない記述も。「文明間の戦争と秩序」と言う項で、あるシナリオが想定されているんですが、そこだけは腑に落ちないですね。全然違う事実となっています。

  • 第四部 文明の衝突
     第八章 西欧とその他の国々:異文化間の問題点
     第九章 諸文明のグローバル・ポリティックス
     第十章 転機となる戦争から断層線の戦争まで
     第十一章 フォルト・ライン戦争の原動力
    第五部 文明の未来
     第十二章 西欧とさまざまな文明と単数形の文明

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