- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087711615
感想・レビュー・書評
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描写の勉強のために読んだ。
「上から下までまっ白に装うておられた。襲(かさね)の衣も、領巾(ひれ)も、裾引く裳(も)も、清浄な、輝かしい白でござった。お頸の飾りは大きな水晶の玉。髷の飾りは、みごとな白金細工…」、野菜の塩漬け、魚の醤(ひしお)漬け、「冠もかぶらず、いい加減に結うたみずらは、左右の高さが違う。まとっている白銀色の袍(ほう)は、いつかた着たきりなのか、馴れてクタクタである…」、酒器、盃、薬湯、器、「槿(むくげ)の花弁の張りも新しい朝なのに、すでに耳が痺れるほど蝉が鳴いている。あわあわと群れ咲く薄紅の向こうに、目にしみる六月の蒼穹が広がっている」、「皿には芋茎を炊いたのと、ノビルと、干蛸が盛られている」、巻子、「興であったぞ」、円座(わろうだ)のささくれ、板戸のはねあがった窓。
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以前読んだ「蘇我の娘の古事記」より時間を少し巻き戻して。厩戸皇子と娘の義祖父が主人公になります。厩戸皇子が国史、帝紀を編むために各地に残る物語を集めていく話です。短編仕立ですが、話は全部繋がっています。厩戸皇子が好きなタイプだったので大変楽しく読みました。
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国史というものが、時の権力者の都合の良いように編まれるのは常識ではあるけれど、そこに厩戸皇子の創造力も絡んでいたのでは…という設定が非常に面白い。各地の豪族の伝承をヤマト王権の物語として取り込んでいく、皇子の発想力が素晴らしいし、歴史上・神話上の人物が生き生きと描かれているさまも素晴らしいと思う。この時代のお話はあまり読んだことがなかったのでとても楽しかった。
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初作家さん。
期待以上に面白かった。
古事記の話が実はという感じで良かった。
厩戸王子の人となりも良く、色々と興味深かった。 -
推古天皇の甥である厩戸皇子(聖徳太子)は、大臣の蘇我馬子から、国史の編纂を依頼される。
「古事記」「日本書紀」のもとになったといわれ、のちに焼失したという幻の史書の編纂を描いた時代小説。
ゆるりとしているが、怪しさも漂う世界感で、興味深く読んだ。
古事記などに登場する神話を、そのように“つくった”のだろうという
設定が面白かった。
卑弥呼や葛城氏のことについての本をもう少し深く読んでみたくなった。 -
聖徳太子も天皇の系図に携わっていたとは驚きだった。まだまだ聖徳太子が生きていた時代について知識がないので聖徳太子を追いかけていけたらいい。
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面白かったです。
この後年の歴史が大好きなので
その時代のお話も書いてほしいです。 -
日本書紀や古事記の原型を厩戸皇子さまが作ったというお話
偶然この前に日本の神様の本を読んでいたので楽しく読めました
ただ、この文体は軽すぎでは…厩戸皇子さまはこんな話し方をするのか? -
国史編纂という大事業に、創造力を駆使して取り組む厩戸皇子を主人公にした作品。日本書紀や古事記などの逸話を散りばめ小説として仕上げているが、作品としてはイマイチの感を拭えない。