はじまらないティータイム

著者 :
  • 集英社
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感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712056

感想・レビュー・書評

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  • 離婚された妻、略奪した妻、男性の従姉妹と伯母、4人の女性が、それぞれの立場から紡ぐ物語。
    だが、なんというか、結婚のイヤな部分がものすごく出ていて、私は結婚してなくて心から良かったと思ってしまう本だった。それでいいのか(汗

  • 原田さんが好きなので最初の頃のを読んでみようと借りた。

    あっという間に読める内容で、登場人物それぞれがひとくせある性格。
    普通に生きてるようで、他者とは相容れない感じ。
    だけど徐々に受け入れようと変化する。

    最後は読者にお任せしますって感じかな。

    でも人ん家に勝手に入っちゃだめでしょう。

  • 夫を略奪した女と、された女。その夫の叔母と娘の従姉妹。同時進行で4人それぞれの思惑と探るようなやり取り…で段々何となく分かり合えた感じがホッとして面白かった。
    目的が成し遂げられそうもなかった中途半端な状況を軌道修正すべく再度トライする事とか、細かい「女アルアル」がおかしくて。
    ラストの二人が気になるけど、この話の流れでは、そう悪いことにはならなそうだと、私もミツエと同じ気持ちだ。

  •  それぞれ事情を抱えた4人の女性が出てきて、癖の強い面々に読んでいて苦しくなって挫折しそうになりましたが、最後まで読んでよかった!私はこの終わり方好きでした。ハラハラドキドキ、この後どうなっていくのか……自分なりの最後を想像するのが楽しいお話です。

  • 全て女性目線で書かれているからか、勉強になった。
    ひどい手段でも、子供を授かれば周りからは喜ばれ、しあわせなことなのかな。
    妊娠出産ってしあわせの象徴みたいにされるけど、子供ができない人もたくさんいて、そういうことを知っているはずなのに無神経な発言をする人が多いのもまた事実…。

    人の家に入るのが好きっていうのも異常ではあるけど気持ちは少しわかる。
    外から家を見ていて、他人の家の生活とか、覗いてみたい気持ちになることはあって。
    子供の時に感じていた家庭の暖かさとか、帰った時のカレーとか、日曜日の洗濯物とか、そんなのがたまにふっと恋しくなるかんじ。

    旦那さんサイドの話も読んでみたいかも。

  • 原田ひ香さんのデビュー作。
    4人の女性が順番に語るスタイルです。

    離婚した弟を持つ姉。
    その2人の母親。
    再婚相手。
    元妻。
    の4人。

    この中では姉の存在感が1番薄いけれど
    だからこそその姉の気持ちで読み進められるのかもしれない。
    あとの3人は分かりやすい歪みがあるかなぁと。

  • 娘、母親、いとこの元嫁、不倫の末に結婚した新しい嫁の4人の女性、それぞれの視点で話が進む。無駄な説明がなくテンポが良い。下世話な感じが楽しく一気に読んだ。ただ、始まらないティータイムがどうなったのか、その後が気になる。。

  • ドタバタ喜劇を観てるような・・・
    キャラクターが次々と入れ替わり、
    何でこんなに執着するのか?
    何でこんなことするのか?

    ラストに緞帳がおりた後、
    シーンとしているのか、
    ドタバタ、ガシャーンとなるのか、
    各々が想像するしかない。

  • うーん、よくわからなかった

  •  拘りの強い4人の女性たちの、奇妙な交流と心の解放を描いたヒューマンドラマ。
    原田ひ香さんの初期の作品で、第31回すばる文学賞受賞作。

         * * * * *

     個性的と言えるほど思い込みが激しく拘りも強い4人の女性。ええー、そんな人いる ⁉ 嫌だなあと苦笑しつつも、作者の仕掛けを読むのが楽しい作品でした。

     元々思い込みや拘りの強い傾向があったのでしょうが、夫のせいでエスカレートしたと思われるのがミツエ・佐智子・奈都子の3人。 ( ミツエは多少自業自得の感があるけれど佐智子の場合は完全に夫が悪いし奈都子の夫は狭量だ。)

     里美だけ異色で、努力を隠れ蓑にして他者の気持ちに思いを馳せないという、嫌われ者パターンの青春時代を送ってきたようで、それがエスカレートの原因になっています。

     彼女たちに共通するのは、誰にも理解してもらえない淋しさや空虚感。
     ミツエの「独りよがりお節介」病や佐智子の「他人の生活感満喫したい」病はその好例と言えようし、奈都子と里美が意固地になるのも理解はできます。

     淋しさや空虚感で心に渦巻くマグマ。そして自分では抑えきれないマグマの噴出。だけど……。

     毒を以て毒を制す。4人が互いに関わることで噴火活動は収まり、ミツエは何やら年長者の余裕さえ感じるほどになっているし、奈都子には素直さが戻っている。
     そして本来は仇敵の関係になる佐智子と里美には奇妙な友情が芽生えそうなラストシーンで物語は締め括られます。

     個人的には4人の誰にも共感しにくいストーリーではあるのだけれど、不思議とおもしろさを感じる作品でした。 

  • あっという間に読み終えた。みんなそれぞれあんまり好きではないけど、多かれ少なかれ似たような人は沢山いるんだと思う。ちょっとくだらな過ぎて笑ってしまった。それが面白かった。まぁそれだけ。

  • 最初視点が次々変わるところがあり、何人かの女性が出てくるのだけど、特にその時の各人のキャラがすごい。ちょっと読むのやめようかなとも思えるくらい…
    私としては 他人の家の中を入ってめぐる人1人の主人公の話が読みたいかなあ。

    あの変な"努力"する女が最初に出てきた時、『おいしいごはんが食べられますように』の作家と同じ人が書いたのかと思ってしまいました。ちょっと違うけど同じようなタイプの女性。
    色んなタイプの女性が出てくるけれど、それぞれがからみあって、良い方向ににいく感じは好きです。
    ラストのオチまで、意地悪な目線がなくてそこが良かったと思う。

    ラスト2人がどうなったのか、そこが知りたい!
    はじまらないティータイムが始まるところで終わり という話の構成

  • 原田さんの原作のテレビドラマが面白くて、この作家さんの作品を読んでみようと思いました。奈津子の従兄弟、博昭の離婚とそれに伴う再婚と妊娠の話を中心に物語は展開されていく。従兄弟の元奥さん佐智子さん、再婚相手の里美、そして奈津子の母、ミツエ。登場人物、一人一人がどこか強めなクセがある。奈津子は、結婚6年、子どもがいない。そしてそのことを祖母から“子どもを作らなきゃ、一人前の大人とは言えないよ“と冷たく言われる。愛人を妊娠させて離婚したというのに何がいい事なのだろうか、奈津子には理解できない。そして里美、里美は努力をすればなんでも思い通りになると信じて生きてきた。そしてこれらかもそれは変わらない。博昭と結婚する為に産婦人科にかかり筋肉注射までする。奈津子も子どもの頃から親の言う通り勉強し、大学もいいところに入り、男関係も真面目、就職もいいところにできて、30過ぎて結婚、なのに子宮筋腫で子どもが出来ない、里美と同じ真面目な人間なのだ。それなのに、他人の夫を寝とった里美より自分の方がダメな人間だと言われるのはどうしてなのか。努力をした結果、幸せになる資格があるはずだという里美に奈津子は策略だと言う。嵌めたのだと。一方、佐智子は、ピッキングという性癖がある。離婚して十何年ぶりにピッキングをする。人の家のものを盗るのではなく、家の中に入って、こころゆくまで眺める、それだけで心がすっとする、これをしないと自分は生きていけないという。佐智子の事を心配して新しい住まいを探して訪ねてきた
    ミツエにピッキング現場を見られ、問い詰められる。ミツエは、佐智子に元夫、博昭の新居をピッキングする提案をする。それでピッキングをやめようということも。ピッキングしたのはよかったのだが、最後は、佐智子と里美が顔を合わせることに。
    テーブルの上に薄い紅茶と白湯、ミツエと奈津子が退散したあと、2人はどんな話をするのか、読者の想像力にまかせる形で話は終わる。
    個性的な生き生きとした女性、対照的なのは、なんとも覇気のない博昭やミツエのダンナさん。この作家さん、面白いな、また違う作品も読みたい!!

  • ミツエ、奈都子、里美、早智子
    みんな一生懸命・・でも、なかなか意のままにはならない。
    それでも、なんとか収まるもの

  • ページ数も多くないしなぁとフランクな気持ちで読み始めたら、まぁなんという濃厚なお話でしょう。

    4人の女たちの人生のいろいろ。

    本当にとにかく里美が苦手でした。
    努力したって…えぇぇ…と思ってしまいました。
    私なら話も聞かないし家にもあげない笑

    そして、これは完全に私の偏見ですが、パッと見、真面目で落ち着いてそう!って人の方が、超イケメン!!って人より意外と不倫してる気がする。
    ※個人の感想です

    あと、終わり方がザワザワする感じで良いですね。妄想は膨らむばかりです。

  • 面白かったけど…なんて終わり方でしょう。
    でもなんか、自分も頑張ってるよねとちょっと心が軽くなった。

  • 少しデフォルメされて心情がよくわかる、面白かった

  • 誰のことも好きになれない話なのに
    なぜかこころ惹かれちゃう不思議。

    努力する人に対して、
    悪い意味ですごいと思ったのは初めて。
    なんにしても本気でする努力ってすごいんだな。

  • 胸糞悪い女の話がはじまり、どんでん返しと思ったが、小説よりも現実的な終わり方だった気がする、

  • 実際にありそうで怖いお話、

  • 読み応えがあった。読み終わるとタイトルがしゃれていると感じた。

  • 途中でやめられず一気に読んでしまった。他人の家にこっそり入ることが楽しみなんて衝撃。すごく面白かったのに、えっ!?ここで終わりなの!?とちょっとモヤモヤが残る。どんな酷い手段を使っても子供を産む者が勝者って・・・そうなのかも。

  • 夫を略奪された佐智子、その夫博昭のいとこ奈都子、奈都子の母ミツコ、博昭の新しい妻里美、この4人の物語。

    微妙な関係性の4人が、じわじわと近づいていく。
    それぞれ、なんだか曲者で、でも、それぞれに思うところがあって、う~ん、女だなと言う感じ。

    ついに4人が相まみえて、さらに、一番問題の二人佐智子と里美を残して、話が終わってしまうなんて、うーっとなります。

    初読みの作家さん。
    読みやすく、女性心理をうまく描いているなと、興味を持ちました。
    誰に共感するか?が問われているようですが、どうにも、誰にも共感はできませんでした。

  • 最後の方、4人の女性の話がまじありあっていく場面はおもしろい。でも、もう少し描いて欲しかった。
    家に勝手にあがりこむ人の様子が、奇妙で面白い心理。

  • +++
    甥っ子の博昭が「できちゃった不倫婚」!ミツエは元妻・佐智子を心配して訪ねるが、離婚のショックで彼女が「奇妙な行動」をとっていることを知る。博昭の新妻はミツエの娘に近づき、事態は複雑に…。第31回すばる文学賞受賞作。
    +++

    博昭の不倫の挙句の離婚&できちゃった結婚をきっかけに、博昭の元妻・佐知子、略奪妻・里美、博昭の伯母・ミツエ、その娘・奈都子の不可思議な関わり合いが始まった。年齢も境遇も違う四人の女が、理解できなかったり、身を案じたり、不本意ながら解るような気がしてしまったりしながら、出口のない関わり合いを続けている。解決すべきことも、解決法もないし、どうしたいのかどうなりたいのかもよく判らないのだが、なんとなく女ってこういうものかもしれないなぁと思わされてしまう一冊である。

  • タイトルが秀逸。ほんとうにティータイムがはじまらない。なにかが始まりそうな予感だけを秘めて物語りは終焉する。続きがはてしなく気になる!出てくる女たちなんかみんなちょっとずつ狂ってて怖い。2013/421

  • ええ~~!ここで終わり~~!!?? ホントに題名通りじゃんww

  • キャラの立った女4人の四者四様がそれぞれの角度から描かれていて面白い。作り込みが完璧とは言わないが、それぞれの人物がよく練られていて、4人とも独特の魅力がある。中でも、一番凡庸っぽかったミツエの変化、変身ぶりには驚かされる。人間いくつになっても、変わったり成長したりできるんじゃないかと思えてきて、元気が出た。

  • 原田ひ香さん初読み。
    ちょうど読み終わった後に
    ご本人の講演を聴いたのだけど、
    こんな方がこんな小説書いたのかと思うと、
    なんか、素直にファンになってしまった。

    正直面白くなかったらどうしようという不安が
    先行していたんだけど、読んでびっくり。
    留保なく面白い作品でした。良かった!
    主な登場人物は4人。

    母のミツエと娘の奈都子、
    その親戚で、夫を奪われた佐智子と、夫を奪った里美。

    親戚の離婚と再婚に口を出すミツエがめちゃ面白い。
    「パパちゃん」て?
    最初はありがちなおばさんだよな、
    とか生意気にも思っちゃっていまいち乗れないんだけど、
    読んでいくうちにあまりに潔いおばさんぶりに
    病み付きになってしまった。

    佐智子は他人の家に不法侵入するという
    妙な嗜好があるんだけど、
    それをミツエに見られてしまった瞬間とか、
    ユーモアたっぷりに描かれていて最高でした。

    文章表現は講演会でもご本人が言っていたけど、
    天才肌というより、努力して身に着けた感がありますね。
    よどみなく流れる文体というより、
    何度も推敲して形にしたという感じ。
    でもそのドンくさいところがいい感じで
    コミカルなストーリーにマッチしてた。

  • ストーリーも、終わり方もイマイチだった、、、友人に作家さんを勧められて初めて手に取ったから期待してたけど、うーん、だから??何だったんだろう?何を伝えたかったんだろう?と。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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