ゆずゆずり

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 151
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087712841

作品紹介・あらすじ

「仮の家」に同居人と暮らす文筆業のシワス。人工都市での日常の狭間で「思考の冒険」を楽しむうち、奇妙なことが次々と…。ささやかな妄想が人生を面白くする。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイのようなリアル感のある物語。
    生まれ月に因んで付けられた呼び名、イチ、サツキ、ナナ、シワス(おそらくシワスは東直子さんご自身?)4人の女性の同居生活は、ゆるゆるしたテンポがなんとも心地よい。
    4人は性格も違えば足音もバラバラ。イチの足音はペン、ペンとややゆっくりめ。ナナはスス、ススと静かに素早い。シワスの足音は一番賑やか。サツキはスリッパを使わず素足なので足音がしない。同じ屋根の下4人のリズムが交差して、けれど決してべったりくっつかず互いの距離感を保つマイペースさが、同居長続きのコツとみた。
    互いのプライベートには干渉しない。けれど何かあると相談して決める。付かず離れずのよき同居生活を覗き見て、羨ましい思いを残しつつ頁を閉じた。

    もしも私がこの中にいたら、呼び名はキサラギ?まさかニじゃないよなー。

  • 東直子さんの文体は、
    あくまで私個人の感想ですが、
    川上弘美さんのような
    静かでやわらかい印象を受けます。

  • 作者ご本人曰く、小説らしいという事なのだけど、エッセイだと…思う。
    題名の感じの通り、日常の緩々とした、感情を綴った作品で、ホッとさせられた。

    また、こんな作品に出会いたいと思う本だった。

  • イチ・サツキ・ナナと4人で生活するシワスが、「元の家」から「仮の家」に転居してから、「新たな家」へ引っ越すまでのお話。シワスが、日常生活のなかで感じる本当に些細な出来事や感じたことを淡々と綴っている短編集。あとがきで言っているけど、エッセイとも小説とも言える曖昧な本。東さんが経験した出来事を小説として書いているらしいので、東さんの日常を少し垣間見れる。みんな家族なのかな?東さんは妄想、考えることが好きらしく、シワスも常に色んなことを考えながら生活している。シワスは東さんなんだ。ゆっくりした時間を過ごせた。

  • これは小説なのか、エッセイなのか…
    あとがきにもあるけれど、「どっち??」って思う人がやはり多いはず。

    不思議な共同生活についてつらつらと描かれている。
    話題がどんどん変わっていくので慣れるまで読みづらいかも。
    とは言え女の子のお喋りみたいな話題の飛び方とはまた違う。
    多分主人公の視点が豊かなのだと思う。思いたい。

  • 装幀/大久保伸子 装画・挿絵/谷山彩子

  • 2012 4/30

  • まあまあ面白かった。ほんわかとした日常が流れていて、こういう話は割と好き。
    あとがきで筆者が言ってるように、本当にエッセイのような内容だった。
    ただ、4人はどういう関係なのか、元の家には何があったのか気になるけど
    きっと気にしなくていいことなんだろう。

  • なんだかなんだか、
    いいなあー、てほんわりなる本でした

  • 設定についての細かなことはわからないのですが、4人が繰り広げる日常は和やかでふわふわしていて穏やか。
    同居しているのに近すぎない距離感も読んでいて心地よく、ふとしたきっかけで空想へと進んでいく展開も現実離れした不思議な感覚になりました。
    そして挿し絵も、まさに癒しといったかわいいイラストです。

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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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