わたしの蜻蛉日記

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 18
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713237

作品紹介・あらすじ

美しく聡明な姫君は、名門藤原氏の子息に見初められ、誰よりも幸せになるはずだった-。瀬戸内寂聴が読み解く、私小説の元祖。

感想・レビュー・書評

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  • 痛快、痛烈。人として、女として、物書きとして分析し書いている。
    町小路の女は夕顔、嫉妬深いは六条御息所、車争いの場面など、30年後に書かれた「源氏物語」への影響はなるほどと納得だ。8年ほど前に藤原家への興味から「蜻蛉日記」を読んだが、大胆な行動をする女性、嫉妬と寂しさに身悶える女性の印象を持ったことと、一夫多妻制の中での夫婦の在り方、女性の生き方が気になったのみでこんなに深読みはしていない。今度は寂聴視点で再読してみよう。

  • 道綱母の、愛しの兼家への恨み辛みをぶちまける『蜻蛉日記』を、延々と丸々1冊、寂聴流に解説するというお得な1冊。
    しかしまあ兼家の女って、少なくても9人はいたらしい。メトロもクルマもない京の街で、物忌みやら方違えやらで行動の制約も多く、故実有職やら儀礼儀式でがんじがらめの中、特に御簾の中の女の情報なんて極端に少なかったろうに、タフだわあ。

    ところで「ぼうぼわの君」って、ボーヴォワールのことですよね?

  • たしか丸谷才一の『輝く日の宮』を読んでからだと思うが、『蜻蛉日記』のことが気になっていた。たまたまこの本を見つけたので読んでみたが、ますます道綱母に興味を持ってしまった。六条御息所を彷彿とさせる嫉妬心。
    順を追って解説しているような書き方なので、これを読んだだけでも、蜻蛉日記を大かた読んだ気になる(全部を網羅しているわけではないが)。原書を読むための導入としてもいい本だと思う。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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