- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087713473
作品紹介・あらすじ
できることはもう何もない。戦場を走るほかには。たとえそこが、まやかしの戦場でも。美しい島で、あの夏、何が起きたのか-。何を信じ、何を守る-。人間の本質に迫る戦争巨編、堂々完結。
感想・レビュー・書評
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読んでみたい!と思っていた浅田次郎さんの【終わらざる夏】
昭和20年8月15日の終戦。
その後にも続いた戦争があったこと・・・知りませんでした。
考えてみると、戦争のことはほとんど知らない。
ちょっとショックのような、悲しいような・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに泣いた。
なんと心を揺さぶる作品だったことか。
戦争ものはどうしても内容が重いので、ある種決意して読み始めるのが常だが、読了後は胸がいっぱいになり心動かされる作品が多い。
そんな中でも、この作品は特に優れていると思う。
これまであまりスポットを浴びることのなかった終戦時のシュムシュ島(北千島)が舞台の中心であり、当時のソ連と日本との微妙な関係がもたらした悲劇を題材とした物語である。
登場人物のひとりひとりが心豊かで勇ましく、愛に溢れており、悲しいながらも美しい生き様に涙することとなった。
浅田作品の長編ものは初めてであったが、本当に素晴らしかった。
今後も読み続けたい。
これだから、読書はやめられないのだ!とつくづく感じた -
戦争に勝ちも負けもない。あるのはただただ悲しみだけだと改めて痛感した。国と国との争いに民衆が巻き込まれて行く。夢や希望を抱えた民衆がだ。自分を含め、戦争を経験してない世代の人間が、夢や希望を諦めてる場合じゃないな。
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悪戦苦闘しながらやっと読了(^=^;
第二次世界大戦についての知識にも乏しい上に旧仮名遣いの文語文が出てきたり、方言がでてきたりで読むのが大変で何度となく、別の本読もうかと思ったことか(^=^;
大胆な脚色はあれど戦争停止直後の千島列島におけるロシアの思惑はこんな感じだったんだろうな。
所詮戦争は利権の奪い合い。でも利権の恩恵を受けるのはお偉方だけで、一般庶民は苦難を背負い込むだけ。これが事実。 -
宮澤賢治の詩が引用されるたびに泣いた。
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卑怯だぜ。ソ連野郎。
後半、消化不良?!というか。。。
ロシア人の件が。今一。 -
悲しいけれど美しい物語。浅田文学の美学。
「メトロに乗って」や「鉄道員」に通じるファンタジー小説
空襲、集団疎開、根こそぎ動員などの現実、疎開先から脱走(と成功)、翻訳家の通訳要員としての召集などの非現実(夢物語)。そして、現実と夢の混交。
主人公たちの戦死という結末は、覚めた夢(もう一つの現実)。疎開先から東京に無事帰還する子供との対比。
戦争末期に、北辺の島に残された完全無欠の機甲師団。ある意味ブラックユーモア -
上巻と同じく下巻も読むのに時間がかかった。
登場人物は誰もが主人公で、それぞれの物語は切ない。
終章でロシアに抑留された人々が語られるが、そこだけで一つの物語が紡げそう。