おしまいのデート

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087713893

感想・レビュー・書評

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  • 親の離婚後、月に一度外で会うようになった孫とおじいちゃん、元不良の教え子と定年間近の老教師、などいろんな2人が最後のデートをする話の短編集

    いろんな形のお別れを描いているのに瀬尾まいこさんの作品らしさ全開で切ない別れのシーンのはずが心があったかくポカポカしてくる「切なポカポカ」短編が盛り沢山やった!

    「ランクアップ丼」上じいが大好きです!!!ちょうどオモウマイ店を今日観たからさらに2人の情景がリアルに浮かんで「上じぃぃぃ!!!」って心の中で叫んだ!!!

    短編集やからサッと読めて日頃の疲れた心にポッと陽を灯してくれる暖かい物語

  • 風変わりなデートをめぐる短編が5本入っています。
    さらりと読めて切ない後味。

    「おしまいのデート」
    月に一度、祖父と会うことになっている中学生の女の子。
    両親の離婚後に最初は父と会っていたのだが、父が再婚した後は、祖父が来るようになったのだ。
    それも事情が変わることに‥

    好評の「ランクアップ丼」は、高校生のときにケンカした後に声をかけてくれた教師の「上じい」と、一緒に玉子丼を食べる習慣になっていた男子。
    大人になり、天丼にランクアップしようと思っていたとき‥

    ただの同級生の男子から突然誘いを受けて戸惑う男子。
    深読みして内心焦ったりしつつ、一緒に遊ぶのは予想よりも楽しかった。
    大量のおにぎりを作って持って来たのは、お礼だという。
    妙に意識したところから、意外な友情が芽生えた。
    ところが‥?

    公園で見つけた犬を一緒に飼うことになる「ドッグシェア」
    バツイチ30代のOLが、生意気な男の子と知り合う。
    犬の飼い方など知らない様子で、中華料理などを置いていく男の子だったが‥

    「デートまでの道のり」
    園児と教諭の話。
    じつは園児の父と交際を始めているのだが、それを切り出すまでには男の子のことをよくわかるようになってからと慎重になっている。
    5歳の子供のほうは、子供なりにお見通し?

    人と人とのふれあいがほのかで、あたたかく、とぼけていて、ちょっと笑えて、じんわり来ます。

  • あっさり小1時間ほどで読めてしまった。
    いろんな形の出会いと別れを描いた短編が5つ、
    どれも心が温まるような瀬尾さんらしいやさしい余韻がありました。

    「おしまいのデート」も「ランクアップ丼」も、おじいちゃんがかっこいい。
    かっこいいじいちゃんってのはいいね。
    表紙の天丼が泣ける。

    広田くんと宝田くんの「ファーストラブ」がいちばん好きかなー。
    男の子ってかわいいよね。

    「ドッグシェア」と「デートまでの道のり」も、何気ない機微があたたかい。

    どの話も、ハッピーじゃないハッピーエンドがなんかいいなと思った。

  • 別れ〜新しい出発を描いた5つの短編集です。「ランクアップ丼」が一番良かったです。上じい(高校の先生)と三好君。悪さをして、生徒指導室に呼ばれた後、上じいのおごりで、2人で食べる玉子丼。三好君が高校を卒業して、就職すると、給料日に、今度は彼が、上じいにおごる玉子丼。2人の会話も漫才みたいにおもしろくて、でも最後は…。鼻のあたりがツンとして、涙が出ました。でも最後は、悲しく終わるのではなく、すごくさわやかな終わりかたでした。ランクアップした天丼を食べる時は、いつも胸が苦しくて、さびしくて、せつない。早く、おいしく天丼を食べられるといいなぁ、と思いました。

  • 5編の短編集。
    デートと一口にいってもその組み合わせは色々で。
    ちょっとせつない「ランクアップ丼」
    ちょっとした(?)勘違いでドキドキさせる「ファーストラブ」
    未来の家族の姿が想像できて微笑ましい「デートまでの道のり」等々。
    瀬尾さんも好きな作家さんのひとり。
    瀬尾さんの本は、ほんわか優しい気持ちになれるのがうれしい。

    • 円軌道の外さん

      いつも沢山の花丸ポチとコメントありがとうございます!

      実は先週、住み慣れた大阪を離れて
      この歳にして花の都、大東京へ上京したばか...

      いつも沢山の花丸ポチとコメントありがとうございます!

      実は先週、住み慣れた大阪を離れて
      この歳にして花の都、大東京へ上京したばかりなので
      なんやかんやバタバタとしておりまして
      お返事遅れてしまいました(汗)(‥;)


      瀬尾さん、自分も大好きな作家です!
      半分は優しさでできてるバファリンと同じく(笑)
      瀬尾さんの作品の8割方は
      優しさと希望でできてるように思います。

      だからなのか
      定期的に無性に読みたくなる時期があって
      そろそろ、瀬尾さん切れやなっと思うと
      ダッシュで本屋に向かい、
      今の症状に合う一冊を吟味することとなります(笑)

      あっ、 『わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に 流れるやさしい時間』にコメントありがとうございました!

      そちらにも返事書いているので
      また良かったら読んでみてくださいね。

      ではではー、
      また面白い小説のレビュー
      楽しみにしてます(^o^)


      2014/09/07
    • azu-azumyさん
      円軌道の外さん
      いつも花丸ありがとうございます!
      私も瀬尾さんは大好きな作家さんの一人です。
      バファリンと同じ~(笑)
      ほんと、そう...
      円軌道の外さん
      いつも花丸ありがとうございます!
      私も瀬尾さんは大好きな作家さんの一人です。
      バファリンと同じ~(笑)
      ほんと、そうですよね。
      ちょっと心が風邪をひきそうなときに読むといっぱつで治る~、みたいな^^

      『わたしの小さな古本屋~倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』に素敵なお返事をありがとうございました!
      私も新しい扉をどんどん開いていきたいです!
      円軌道の外さんおススメの本、がんがん読ませてもらいますね。
      と言いつつも、バンコクではなかなか読みたい本が手に入らない(正確には値段が高すぎて手が出ない…)のが悲しいところで…

      はい!
      私は大阪出身です^^
      2014/10/06
  •  この爽やかさはすばらしい。心が軽くなる。
    久しぶりに瀬尾さんの本を読んで、「やっぱり本を読むときは、心の状態や体調も影響するなあ」と思った。
    エンターテイメント性抜群の作品はドキドキハラハラして、どんどん読みたくなるけれど
    疲れているときなど心が重くなってくることがある。

     久しぶりにすごく心に響いた一冊。
    (2011年3月27日)

  • 短編集で読みやすかった。
    なんとなく話のオチは分かったけど、ランクアップ丼が1番好きだった。先生の優しいがいいし、ちゃんと関係を大事にしている生徒が良い。

  • 瀬尾まいこさんの本に出てくる人は、誰もがあたたかくて魅力的だなぁ。

    短編小説だけど、あっという間にそれぞれの世界に入っていった。特にランクアップ丼は、心の深いところまで触れてきて涙が止まらなかった。

    素敵な本に出会えて感謝。

  • 瀬尾ワールド全開な一冊。
    大切な人との大切な時間。ずっと続いて欲しいと願っているのに、なんとも簡単におしまいはやってくる。そして、終わってしまって初めて気づく、その人の存在の大きさに。
    好きなのは「ランクアップ丼」と「ファーストデート」。
    優しい気持ちさせられる本でした。

  • おしまいのデート、最後の晩餐にまつわる短編集。
    それぞれ短いけれど、優しくてあたたかい話ばかり。ランクアップ丼はちょっと泣いた。卵丼食べたーい!!

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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