少女は卒業しない

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714425

感想・レビュー・書評

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  • 取り壊される高校の卒業式の一日。
    7人の女の子の思いを、それぞれの切り口で綴る。

    これを男性のしかも、大学生の著者が書いているというところにビックリ!

    少女マンガチックなところもあるけれど、卒業式をめぐる物語としては、ズバリど真ん中。
    読みはじめたら止まらない。爽快な読後感でした。

  • 誰しもいろいろな終わりを迎え、始まりを迎えながら日々を過ごしている。季節の移ろいだとか、特別なイベントとかに関係なく、その瞬間は毎日あるものだと思う。だから決して学生時代が特別ではないはずなのに、そこで過ごした一日一日は他とは違う色をしているような気がする。

    3月の卒業式の日の終わりと始まりの物語り。水のような清らかさと棘のような鋭さを感じさせる水色の物語り。言葉に出来ない切なさが胸にたまっていく感じがします。

  • 若い彼だからこそ書ける文章もあると思う。どうしてこんなにも男女を問わず若者の些細な心の動きを表現できるんだろう。学生にしか書けない作品をこれからも残していって貰いたい。

  • 読み終わってすぐの、まっさらの感想を。

    胸が震えた。
    いつにもまして、丁寧に、一つ一つの言葉の意味をすくいとり、噛みしめながら読んだ。
    ときどき、一読して意味がわからないところがあったせいでもあるけど。
    それでも、とても大切なものが詰まっている宝箱を開いているような感覚があって、読み飛ばしたり読み流したりできなかった。

    「四拍子をもう一度」から「ふたりの背景」への流れが特によかった。
    「ふたりの背景」のラストで、森崎の歌う「The long and winding road」が聞こえてくるシーンでは、ふと鼻の奥がツーンとして涙が出そうだった。家で一人で読んでたら確実に泣いてた。

    廃校になって取り壊しが決定している高校の、最後の卒業式の日。
    その一日の朝から次の朝までの時間の中で、それぞれの物語が進行していく。
    ちょっとずつ関わりが垣間見える構成は私がとても好きな形だ。

    「桐島、部活やめるってよ」も「もういちど生まれる」もとてもよかった。でもこの「少女は卒業しない」はもっとよかった。
    自分が卒業した高校の、いろんな場面や場所が思い浮かんできて、懐かしさで胸がしめつけられるようだった。

    とりあえず、すぐに再読する。

  • 統廃合によって廃校が決まった高校の卒業式が舞台。
    いろいろな生徒のいろいろな卒業式の一日が詰まっている。

    雑誌『ダ・ヴィンチ』の記事に、「図書室ってなんのための場所か知りたい人は」って書いてあって、読みかけの本より先に読みだした。
    一気に読んでしまって、読み終えるのがもったいなくて、最後の話だけ翌日にとっておいた。

    卒業がテーマだから、悲しいシーンが多くなることは予想していた。
    でも、最後の話はやられた。
    不意打ちだ。
    朝読書中に読んでいて、思わず泣きそうになった。

    「卒業」って単なる学校の卒業だけではなくて、いろいろなことから卒業する日。
    友情や恋愛や憧れや悲しみ、いろんなことから「さよなら」をする日。
    でも、みんな前向きな「さよなら」だ。

    そんな卒業を毎年見られる今の仕事は、幸せだな。

  • 初めての朝井作品。
    「桐島~」を読んだことも観たこともないけど、なんとなく好きになれなくて敬遠してた人。

    綺麗に書かれる人。
    淡々としててさらっとした文章は読みやすい。
    ただこの人でなくてはならないというものを見つけられなかった。

    島本さんの方が好き。他の作品を読むこともない、評判がいいからといって自分に合うとは限らない。

  • 卒業式の話。

  • 軽く読めたけどきれいすぎて朝から読むと病みました

  • 2023年2月映画化
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99398468

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00472458

    高校最後の卒業式、7つのさよならの物語。
    校舎取り壊しが決まっている高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎えるそれぞれの別れを、瑞々しく描く連作短編集。恋愛あり、友情あり、成長あり、ミステリ的仕掛けあり。青春の全てがここに!
    (出版社HPより)

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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