雲の王

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 211
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714555

作品紹介・あらすじ

気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮らし。放浪中の兄から突然届いた手紙には、謎の地名が記されていて…。
天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、壮大な気象科学エンタメ。

感想・レビュー・書評

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  • 話的には面白かったけど、気象についての説明が多くて難しく、もう少しわかりやすく簡潔にしてほしかった。

  • 気象に関連する物語と聞いたので。

    作者は長く気象関連の報道に関わっていたそうで、天気に関する詳しい記述が特徴的だった。ただ、説明的すぎるところがあったり、どこかで聞いたような表現がたびたび現れたり(味噌汁のような雲の対流、とか)、ストーリーとは関係のないところで引っかかってしまった。

  • 『雲の王』 気候を「観る」事が出来る南雲美晴は積乱雲をそう呼ぶ。 
    気候を観ることが出来る一族のお話。 
    設定は面白いし、さまざまな顔を見せる台風の描写などは素晴らしいのだろうけど、いまひとつ響かず。 
    主人公の美晴があまり好きになれない。(まぁ、これが常人のリアクションなんでしょうが・・・) 
    同じ設定の「天空の約束」次いってみます。 

  • 天気をよむ。竜神さま。台風。残された兄妹。
    幼い頃にコップからの湯気を見て竜を想像したことを思い出した。
    C0093

  • 気象台に勤める美晴の元に、ある日行方不明の兄から手紙が届く。手紙に導かれ、息子の楓太とともに事故で亡くした両親の故郷を訪れた美晴は、自分の一族には台風などの自然災害を予測できる不思議な力があることを知る。
    一族の風習に染まっていき、能力が開花した美晴は、最新の気象予報を織り交ぜ自然災害に立ち向かう。

  • 空中の水蒸気の流れや、寒暖の差が見えるという能力を一族から受け継いだ美晴。
    その特異な能力を使い、天気の災害にどう立ち向かっていくのかを描いた話。

    当然、私にはそんな能力はない。
    雨の降る匂いもわからないし、上昇気流が見えるわけでもない。
    だけど、不思議と主人公と共に、つい空を見上げてしまう習慣がついた。

    なかなか思うようには読み進められなかった作品ではあったけれど、
    気象の知識や面白さが少しだけわかった気がする。

    晴れた日は、ハケハケの雲やひつじ雲を探してみたいな。

  • SFとファンタジーが入り混じった感じの
    雰囲気だったけど、家族とは何か、という切り込みも
    あって、読み応えがあって良かった。

    主人公は、小学校の息子を持つ女性だが、
    大気中の水蒸気の流れや温度の違いを視覚的に
    捉えることのできる能力を持っていて、最初の
    話では能力でゲリラ豪雨などを予測する、といったもの。

    そのあとは、その能力を持っている郷に行ったり、
    いつの間にか水関係の研究者になっていた兄に
    振り回されたりしつつも話は進み、
    主人公が幼いときに亡くなった両親とのつながりとは
    何なのか、というところにクローズアップしていた。

    気象関係の用語が多いながらも、話の中心は
    ヒューマンドラマであって、一癖も二癖も
    ある脇役が色を添えていて、面白かった。

  • あのね、この人、日本語が得意じゃないの。
    東大出てるから頭はいいんだろうし、発想も悪くない。
    問題は書く力だけなの。
    その力がないの。だから面白くないの。
    書く力のある人の本は、多少の傷や不整合や設定の無理があっても最後まで読めちゃうの。
    だけど、この人の本は、最後まで読むのに努力を要するの。
    扱ってるテーマが難解とか、複雑とか、高尚とかそんなんじゃないの。
    純粋に面白く書く力がないの。
    そんだけ。
    すごく頑張って読んで得るところ殆どなし。
    気象のこと知りたければ、わかりやすい専門書はいくらでもあるのよ。

  • 観天望気ということばがあるが、気象予報士のはるか以前よりその才に長けた人々が居た・・・。自然に翻弄される人々の中で、息づく力。描写に迫力もあり、気迫が伝わるのだが、ぜんたいに優しさが溢れてくる。

  • 気持ちが大きくなる。台風の目の中にこの身一つで入っていくなんてどんな気分?この空はつながっていて大きな自然の中、流れるときの中、私たちはそれぞれの生を生きる。大きな流れの中で生かされている。雲の動きの表現が豊か。文章も美しい。

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著者プロフィール

1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。日本テレビ勤務中、1995年『クジラを捕って、考えた』でノンフィクション作家としてデビュー。退社後、1998年『夏のロケット』で小説家デビュー。小説に『せちやん 星を聴く人』『銀河のワールドカップ』『算数宇宙の冒険』『ギャングエイジ』『雲の王』『12月の夏休み』など。ノンフィクションに『PTA再活用論』『動物園にできること』『ペンギン、日本人と出会う』『イルカと泳ぎ、イルカを食べる』など、著書多数。現在、ナショナル ジオグラフィック日本版および日経ビジネスオンラインのウェブサイトで「・研究室・に行ってみた。」を連載中。

「2020年 『「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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