ホテルローヤル

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714920

作品紹介・あらすじ

恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、ホテル経営者も複雑な事情を抱え…。

感想・レビュー・書評

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  • 誕生から廃墟と化すに至るまでの、ラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に、時系列前後しながらの、そこを利用した人々、そこで働いていた人々の物語。1話だけ文中に「ホテルローヤル」が出てこないが、それがこのホテルの運命を決定させている。

    最後に「ギフト」という物語が来てホテルローヤルに対して絶妙な余韻を与える。

  • ラブホテル「ホテルローヤル」を舞台にした短編集。

    ずっしりとした、綺麗事ばかりじゃない現実を見せつけられる。
    男女の欲、心の動きが絡み合う。
    ままならなさ、諦め、それを抱えて生きることが静かに描かれていた。

    私は共感しにくかったし、合わなかった。
    ひょっとすると早かったのかもしれない。
    ☆1.0

  • ラブホテルを舞台にした連作短編集。
    廃墟になったところから始まり
    時系列が逆に進んでいくのがより虚しくさせる。
    その手法あっての直木賞だったのかな?
    最後に明かされるホテルの名前の由来が◎

    とにかく最初の男が嫌すぎた笑
    あと母が教える夫婦の掟も。

    第149回(2013年)直木賞受賞作

  • 新春1冊目。
    去年は目標の100冊読めず…
    結局70冊じゃったので、今年は100冊目指そうかとw

    ってな事で、桜木紫乃の『ホテルローヤル』

    ■シャッターチャンス
    ■本日開店
    ■えっち屋
    ■バブルバス
    ■せんせぇ
    ■星を見ていた
    ■ギフト

    7話の短編集。
    せんせぇ以外はラブホテルのホテルローヤルに携わる人々の人生、ホテルの歴史のお話。

    現在から過去へのローヤルの歴史を順に綴る。

    人生の縮図みたいな感覚に陥る感じじゃなぁとw

    読み終わって、逆から読んでみるのも面白いかもw

    2016年1冊目

  • 桜木紫乃さんの作品は、単行本で読むのは初めてかな? 直木賞受賞作のこの本、ずっと気になってて初めて読んでみた。
    作品の内容はフィクションとして、ご本人の実家も確かラブホだったような話を、インタビュー記事かエッセイかで読んだ記憶がある。
    単純に、誰かの目線で見たホテルローヤルを訪れる様々な男女の人間模様かな?と思ってたら、半分アタリで半分ハズレ。短編を合わせて一冊となったこの物語は、ホテルができる前から廃墟となったところまで。時系列もバラバラ。初出はまた掲載の順番と違っていた。更に書き下ろしの「本日開店」には、他のものにわずかに登場する人々の知られざる秘密が描かれる。
    このホテル自体が出てこない作品もあるが、別の作品の中から、そこに登場する男女の末路が窺い知れる。そこに至るまで何があったのか、もうそこは読者が間を繋いでいくしかないみたい。モヤつくけど、小説の醍醐味でもある。

  • 続きが気になってするする読んでしまったんだけど、どのお話も、北海道の厳しい自然と相まって、どこかに厳しさが残る、後味悪いものだった。
    時代や生まれた環境がそうさせるのか、なんでこうなってしまう、、?仕方ないのか、、?と思うような登場人物ばかりで、こうどうしようもないことって私の知らない世界にたくさん溢れているんだろうなぁと思う。知らないことは幸せだ。
    本日開店のラストと、星を見ていたのみこちゃんが印象に残った。

  • 閉鎖したラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に時間が遡っていく。鬱屈としたものを抱えながら、ごまかしごまかし生きている。日常の切ない人間模様がしっかりと描かれ、その背景が写し出されていた。どれもなんだか辛いな~と思いながら読みましたが、特に「星を見ていた」は苦しかったです。

  • ホテルローヤルをめぐる7組の登場人物たち。7つの決して恵まれているとは言えない人間物語の中に、それぞれの幸せが滲み出ています。

    時を遡りながら、お互いの物語も絡まっている展開で、最後までグイグイと読ませるストーリーテリングの巧みさと伏線回収の読了感が魅力です。

    初めて読んだ時はそれほど感じなかったのですが、何十年も経ち、この本の面白さがわかる年齢になりました。

  • ホテルローヤルというラブホテルに関わった人達の話。ホテルを作った父親、使った人達、そこで働いていた人達の悲喜こもごも。色々な気持ちがありそれぞれだ。

  • 暇つぶしにはもってこいの作品。メチャクチャ面白いと言う感じではない。ラブホテル「ホテルローヤル」に関連した短編集。
    全体的に普通。

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著者プロフィール

一九六五年釧路市生まれ。
裁判所職員を経て、二〇〇二年『雪虫』で第82回オール読物新人賞受賞。
著書に『風葬』(文藝春秋)、『氷平原』(文藝春秋)、『凍原』(小学館)、『恋肌』(角川書店)がある。

「2010年 『北の作家 書下ろしアンソロジーvol.2 utage・宴』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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