教団X

著者 :
  • 集英社
3.12
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本棚登録 : 5096
感想 : 541
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715903

感想・レビュー・書評

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  • 著者の作品を読むのは久しぶりで『掏摸』『去年の冬、きみと別れ』に続いて三作目だけれど、毎日新聞連載の「つぶやき」を読んでいるのでそのつもりで読み始めたら(当たり前だけど)全然テイストが違う。信仰の禍々しさ、嫌悪感で眩暈がしそうな描写に辟易しながらもページをめくる手が止まらない。
    本書が「すばる」に連載されていた時期(第一部2012年5月〜2013年6月、第二部2013年8月〜2014年9月)を考えると、今年7月に亡くなった安倍氏が自民党総裁として返り咲く直前から政権奪還して最高にイケイケの時にカルトと政治の関係をこの視点で描いていたことにも驚く。
    読み終えてもため息しか出ないが、2014年にノワール小説の分野に貢献した作家に贈られる米文学賞「デイビッド・グーディス賞」を受賞したのも納得。

  • うーーーん、わたしには合わなかった。
    我ながら、よく途中で投げ出さなかったな…。

    登場人物の台詞が長い、文章そのものもだらっと冗長な感じで、何が言いたいのかあまり伝わらない。
    性的な描写に至っては、エロティック通り越して下品な印象でした。
    それが狙いなら良かったのかもしれないけど。

    読みにくい構成だと思います、読了するまでに疲れた…。

  • 重厚な長編物語。個人的には好き。

  • 読み終えたとは言えない流し読み。
    参考にした文献がかなり多数。その中のものを引用しているのではないかという「教祖の奇妙なはなしシリーズ」はほとんど飛ばした。
    文字に「大事ですよ!」という合図の強調の点々が序盤から出てくることにもうんざりしたし、太文字多用も好きじゃなかった。
    なにより567ページの大作なのに、余計な箇所が多すぎサスペンス要素の盛り上がりはイマイチで残念だった。

  • あとがきより
    「世界と人間を全体から捉えようとしながら、
    個々の人間の心理の奥の奥まで書こうとする小説」
    と作者はあとがきにて言っている。

    世界を考えるとき
    決して平等ではない
    個々を考えるとき
    矛盾に溢れている

    オセロの白と黒のように
    ある時には白になり少しのきっかけで一気に黒くなる

    ー常識を正しく疑うこと

    意識とは何か
    何が人を突き動かすのか
    人間が存在するということ

    2014年 集英社
    装幀:鈴木成一デザイン室
    カバー:桑島秀樹「vertical007」

  •  4月になって、読書量が急激に落ちた。自分の読書生活に少し疑問が生じたようだ。手当たり次第に本をネット注文するのだが、少し捲っては挫折することの繰り返しであった。久しぶりに大量の積読書ができている。
     この間、子供の影響もあって、3DSの妖怪ウォッチに熱中した。攻略本片手に、今も家庭そっちのけで夜な夜な没頭している。また自室のパソコンも買い換えた。最新のパソコンで何か新しいことをやってみたいと、衝動買いした。今のところ快適である。

     そんなわけで、この本は残り四分の一を残して本棚に放置していたのだが、新調したパソコンいじりと、3DS遊びがひと段落して、また読みたくなり、一気読みした。
     作中の松尾氏の講義という形をとった、筆者の主張が膝を打った。さすが今を時めく作家であると思う。話の展開自体は、途中で中断していたせいもあるのか、よくわからなかったし、正直どうでもよかった。

     これからは、あまりブクログにアップすることや自分自身の読書記録を残すことにこだわり過ぎずに、軽い気持ちで読書と向かい合っていくべきかなと、思い始めている。

  • 思っていたのとは違っていました。
    エロ描写がヒドい…

  • サスペンス?ミステリー?宗教小説??
    狂気の連鎖の辿り着く先。
    悪と性と生が全面に出ているけれど、その背後にある真の闇こそが圧倒的に禍々しい。
    ドロリと圧巻のボリューム576P。この厚さに負けない闇の深さを持つこの大作。
    ずぶずぶに溺れた。

  • 至高

  • ・「数年前にやたら流行った小説」という知識のみ。著者の他作品は未読
    ・装丁と「圧倒される」という評判で、なぜかSF寄りを想像していたが、かなり現実の話だった。何と混同していたのか?2022に読んだから「現実」と感じているのかもしれない。2014年はまだ、戦争も、凶弾も、流行病と洗脳も、身近ではなかったはずなので。
    ・もっと理解不能で圧倒されるかと思っていたが、理路整然というか説得の姿勢を感じた。残念ながら8年後も世界は良くならないし、貧富の差も広がってしまいました。
    ・男と女と(美しい)レズビアンしか出てこない。これも2022年に読むから強く感じるのか?
    ・あとがきにあった「全体と個々を両方書こうとした」は、読みながら感じたので十分成功であった。自分も生活の中でそのカメラの切り替えをやるので、馴染みがあり読みやすかった

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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