- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087716412
作品紹介・あらすじ
成長する子どもの時間、老いゆくお年寄りの時間、イヌが感じる時間など、生きもののように伸び縮みする「時間」(=よはひ)をテーマにした27編。幻想と現実のあわいを描く、著者の新たな代表作。
感想・レビュー・書評
-
「成長する子どもの時間、老いゆくお年寄りの時間、イヌが感じる時間など、生きもののように伸び縮みする「時間」(=よはひ)をテーマにした27編。幻想と現実のあわいを描く、著者の新たな代表作。」
「いしいしんじの小説は、すべて肯定感を基本にしている。ー『よはひ』もまた、さまざまな生を生き、死を死ぬ人たちのたくさんの肯定的な声が聞こえる祝祭感あふれる物語になっている。」(『10代のためのYAブックガイド150!2』ポプラ社 より抜粋)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説っぽい小説を読むのははじめてかも。
恒川光太郎的な雰囲気もあって面白かった。
いしいさんの本は、ひとつの文章で、
ふいにどっと涙が出てくるようなところがある。
大きな事件が起こるわけでもない話に
あっという間に引き込まれる。
目の前に、乗るはずの電車が来ているのにも気付かなかった。
一編が短いので読みやすい。
最後にゆるゆると話が集まってくるのも面白かった。
「小学4年の慎二」が強烈に印象に残る。 -
ピッピが目をあける。
色が、光が、爆発します。 -
連作ですが、個々の短編は底の方で緩く繋がっている感じです。とりわけ「六十二歳の写真家」と「二〇一五年一月の文楽」がおもしろかった。
-
物語作家のいしいしんじらしい一冊だ。
ひとつひとつがキラキラした粒のような短編が集められて、最後の最後でその物語たちが集約してひとつの渦をつくる。
三本足の犬が三本足の烏から足をもらう話、パチの話、ボタンの履歴の話、犬の頭部を持ったバス運転手の話、なんかいいなぁ。
登場するピッピという幼児はいしいしんじの息子(本書の題字を書いた、いしいひとひくん)だろうか。
優しい愛情に満ちた物語だと感じる。